この道を選べば安定した人生が送れるだろう。そうやって歩むことが人生の正解だと思っていた。進学校で着実に努力を重ね、大学では工学の道へ。しかし、一生の仕事にしたいと思えるほど工学に没頭できているだろうか？という疑問から、自分の直感を信じて大胆に方向転換。「この仕事を天職にする」と覚悟を持てたのがパティシエの道だった。素材の配合を1グラム単位で徹底的にこだわり、一口で感動を届ける。そんな繊細なパティシエの仕事を心から美しいと思った。やるなら思いっきり、とことんやるがマイルール。パティシエになると決めてすぐ、単身渡仏。小規模製菓店での販売から、大手企業の工場での製造も体験。国境もジャンルも超えて、様々な方向から全身でお菓子作りを学んだ。この仕事が心から大好きだからこそ、探究心が尽きない。パティシエとキュージニエの垣根を越えて、食べる人の心を掴む一口を届けるために。これからも学び続ける。