「性善説」で企画して「性悪説」で実行する ーキングダム経営論ー【TOP LIVE】

「最強のチームのつくりかた」「リーダーの条件」「嫌われる覚悟」と聞けば、ビジネス書籍を連想する人が多いのではないだろうか。しかし、これは青年漫画『キングダム』*1の表紙のキャッチコピーだ。

2018年10月から「今、一番売れてる、ビジネス書」としてキャンペーンをおこなうキングダムに、さらに注目が集まっている。

CRAZYのトップと他業種のトップが語るTOP LIVE。
シリーズ第9回は、キングダムの「今、一番売れてる、ビジネス書」のキャンペーンを担当した
The Breakthrough Company GOの代表取締役・三浦崇宏氏を迎えて開催。二人がキングダムから学んだ経営論、ビジネスパーソンがもつべき考え方とは。

※一部ネタバレの内容となっておりますのでご了承ください。

圧倒的な不利な状況でこそ、力を発揮する

吉田勇佑(以下、吉田):本日モデレーターを務めます、CRAZYの吉田です。皆さんご存知だとは思いますが、キングダムとは、中国春秋戦国時代*2を舞台に、後に秦の始皇帝となる「政(セイ)」*3と、秦の若者「信(シン)」*4たちの中国統一を描いた物語です。早速ですが、お二人の好きなシーンを教えてください。

三浦崇宏(以下、三浦)氏GOという会社で広告やPRの仕事をしています。僕は博報堂出身で、10年勤めたのちに独立しました。今はキングダムの「今、一番売れてる、ビジネス書」というキャンペーンのPRとクリエイティブディレクターを担当しています。

三浦崇宏(Takahiro Miura) TheBreakthrough Company GO代表取締役兼PR/CreativeDirector
博報堂・TBWAHAKUHODO両社で、マーケティング、PR、クリエイティブ部門を歴任。2017年に独立し、従来の形にとらわれずに事業を展開する「The Breakthrough Company GO」設立。『表現を作るのではなく、現象を創るのが仕事』が信条。 日本PR大賞、カンヌライオンズPR部門など受賞歴多数。

僕は「蕞(サイ)の奇跡」*5が好きですね。秦以外の6ヶ国が連合して攻めてきて、ボコボコにやられて、この蕞というちっちゃい城が落とされたら終わるぞ、というときに、主人公の信が飛信隊(ヒシンタイ)*6のみんなに言うんですよ。

今まで大変だったろ、でも今からだぞ、「俺たちは、圧倒的な不利な状況でこそ力を発揮する部隊だ! やっと本気で戦えるぞ」って。みんな大将のバカさに呆れながらも、やるしかねえなって立ち上がるんですよ! ここが一番自分の今の状況にかぶるシーンです。

僕らって、そもそもお客さんが、複雑な課題を抱えていてどうにもならないから、頼んでくれるんですよ。追い詰められてからがGOの出番なんです。僕のチームもクライアントさんも、毎回どうしたらいいか分からない状況のなかで、必死に考えて答えをだして切り抜けていく。圧倒的に不利な状況でこそ力を発揮するというシーンは、自分たちの仕事ぶり思い起こすんですよね。

「頼むよ」の文字には、7,000文字以上の指示が凝縮されている

森山和彦(Kazuhiko Moriyama)株式会社CRAZY 代表取締役社長  前職の人材コンサルティング会社では、法人向けコンサルティング部門の事業責任者として、中小企業から大企業までの組織改革コンサルタントとしてトップセールスを記録する。6年半の勤務を経て2012年7月に株式会社CRAZYを創業。独自の経営哲学から組織運営のシステムを確立している。

吉田:森山さんは、いかがですか。

森山和彦(以下、森山): 僕はマニアックなシーンが好きなのですが、これはまあ王道なので、皆さんきっと知っていると思います。このシーンですね。

「しかと承りました」。

三浦氏:マニアックすぎるでしょ!

吉田:今笑った人はかなりのファンですね(笑)。

森山:政が王騎(オウキ)*7を総大将に任命するシーンです(笑)。もともと総大将は蒙武(モウブ)*8の予定だったのに、趙軍が大軍で侵攻してくる危機的状況のなかで、最終的に王騎を呼ぶんですよ。政は、重大な役割を王騎に任せるんです。そのときの王騎の「しかと承りました」っていう一言には覚悟を感じますね。

経営者が「よろしく頼む」と任せるときも同じなんです。仕事の結果もプロセスも評判もなにもかもを含んで伝えています。そこに対して王騎のようなレベルで皆さんやっていますか? 王騎は命をかけて戦に向かうんですよ!  そして死んでしまうのですが……。

吉田:まだ16巻まで読んでいない方ごめんなさい!

三浦氏:「しっかり頼むよ」の中には、文字にしたら7,000字以上の指示や思いが凝縮されているんですよね。クライアントさんに不快な思いをさせないようにね、SNSでやり取りしたらダメだからね、メディアを巻き込んでね、ミスしたら殺すよ……とか。社員には「しかと承りました」と言ってほしいですよ! なにが「指示をしっかり言語化してください」だよ、このやろう!

「性善説」で企画して「性悪説」で実行しろ

吉田氏:ほかに好きなシーンはありますか。

三浦氏:僕は王翦(オウセン)*9が、鄴(ギョウ)*10視察にいくシーンも好きです。この城は落とせないと分かったら、その場で側近の亜光(アコウ)*11に地図をだせと命じて、王翦は座り込んで軍略を練り始めるんです。

たとえるなら、博報堂社員が電通に忍び込んで「電通のクリエイティブはこんな感じなんだ」と盗みながら企画書を書いている感じですよ。「あいつ何してるんだ!」ってなるじゃないですか(笑)。案の定、敵に見つかります。そして逃げるのかと思いきや亜光に「よいか」と聞くんですよ。亜光は一瞬の迷いもなく「心ゆくまで」って答えるんです。

リーダーが、今ここが勝負だと感じていることを、阿吽の呼吸で理解しているんですよ! 本当にこれこそ「上下関係オブザイヤー」です。普段の仕事ではこんな生死の危機はないですが、それくらいの緊張感の中でこそ、育まれる上下関係があるんですよね。

森山:「しかと承りました」に近いですね。また、現場を見にいく決断ができた王翦はすごいと思うんです。僕らも今、IWAIという新ブランドを作っていますが、自分たちの考えたことが合っているのか現場で実際に試してみると、解像度がパッと変わるんですよ。

結局のところ頭で考えたことではなく、現場で起こっていることが全てなんです。企画をして、調査して、6ヶ月後に始めるとかじゃなく、まず現場をみにいくこと。それができた王翦はすごいです。

三浦氏:ビジネスが大きくなるほど現場の体験と離れてしまいますよね。生活者の一人である自分の体こそが、マーケティングにおける最大のセンサーだからこそ、現場感覚を忘れてはいけないと思います。現場にあるフィジカルで具体的な体験が、抽象化されて企画になりますから。

吉田氏:森山さんは、ほかに好きなシーンはありますか。

森山:僕は「人の本質は光」*12という言葉を見たとき、漫画を落としかけましたよ(笑)。呂不韋(リョフイ)*13は貨幣制度で世を治めようと考えていて、政は戦争で平和を作ろうとしています。お金で治められるなら、死人は出ませんから、政のほうが暴君です。漫画では逆のイメージがありますが。つまりどっちが正しいかはわからないんですよ。

でもどの視点にたつかは選べます。人の本質は光で、人は素晴らしいもので、人が人を殺さなくてもいい世の中はきっとつくれるという「可能性の視点」に立つのか。人は変わらないんだという「諦めの視点」に立つのか。政のように光つまり可能性の視点に立ちたいと思いますよね。

三浦氏:政は7カ国全部を滅ぼして平和を作ろうするなんて、火事を消すために爆弾落とすようなものですよ。 僕は、性善説で企画して性悪説で実行しろとよく言うんです。要は人は良くなりたい、ポジティブな未来を作りたいと思っていると信じて企画した方が良いんです。

ただし、実現する過程で、人はズルをしたりサボったり忘れたりするから、丁寧に警戒しながら進めないといけないんです。1個目の城を潰したら、それをPRして周囲に武力を知らしめる、みたいな感じで、地道に丁寧にやることが大事だと思います。キングダムはまさにそうなっていて、政は理想論を掲げるんです。それを桓騎(カンキ)*14王翦が戦うなかで地道に叶えていくんですよね

森山:世の中の縮図ですね。社内制度を作るときも同じで、まずは光で作ります。最近は睡眠報酬制度をリリースしたのですが、外部の方からは「これって儲かるんですか」「ズルする人はいないんですか」と毎回聞かれます。そういう視点から始まるんですよ。

まずは光だ!と言いたいくらいです(笑)。ビジネスは何のためにあるんですか? 人間がしあわせになるためでしょう。健康であること、豊かでしあわせであることがまず大切なんですと。ただそれだけ言ってても伝らないので、人の闇の部分をわきまえた上でプロセスを設計しています。

自分より優秀な人を、獲得するためには

三浦氏:森山さんは、昌平君(ショウヘイクン)*15が寝返るシーンはどう思いましたか。権力闘争のギリギリの状態で、呂不韋の部下であった昌平君が敵側に寝返って、最後に一言「世話になった」って伝えて離れるシーン、めちゃめちゃ良いですよね。僕も博報堂を辞める時に部長さんに「世話になった」って一言で言おうと思いましたよ。普通にめっちゃ丁寧にお礼したんですけど。

森山:昌平君が寝返らなかったら、負けていましたよね!あれは、政が信じた行動をまっすぐにやり続けた結果だと思います。昌平君は権力も何もない頃からの政をずっと見ているんです。最終的になんで寝返ったかを聞くと、「自分も中華統一を望むうちの一人だから」と言うんですよね。ビジョンと、それに対して地道に積み重ねた姿を見せたからこそ、やっとリクルーティングできた人だと思います。

三浦氏:ビジョンに実行が伴って初めて、あれほどのハイパフォーマーな人材が転職してくれるんですよね。彼は戦略も武力も強いとんでもない人材ですよ!まあ1回裏切る奴はもう1回裏切るという話もあるのですが(笑)。

吉田:それは確かにあるかもしれませんね(笑)。

三浦氏:僕は、企業にとって、経営者である自分より優秀な人材を獲得するための最大の武器は、ビジョンだと思うんですよ。スタートアップなら、会社も大きくないし、給料だって高くないし、整っていないことはたくさんあるんです。でも強くて明確なビジョンがあると、そこにチャレンジするために入ってきてくれる。本当に「#(ハッシュタグ)キングダム経営論」ですよ。

吉田:ちなみに、お二人はどの武将が自分に近いと思いますか。

森山:僕は、淡々と達成していくタイプなので、根は輪虎(リンコ)*16かな……。ただ、妻の山川咲は完全に楊端和(ヨウタンワ)*17なので、彼女が前にでている時はバジオウ*18になります。愛のために命を落としますね(笑)。

三浦氏:落下したら絶対に死ぬような崖を抱えて飛ぶよ!?飛べないような距離を飛んじゃうよ!?っていう……。いいカップルですよね。 今日の僕の感想は「結婚してえ」で終わるかもしれない(笑)。僕は自分は桓騎だと思っているのですが、博報堂時代、信頼している部下に「どのキャラだと思う?」聞いたんですよ。すると「臨武(リンブ)君*19ですかね」って。

会場:(笑)。

森山:「#(ハッシュタグ)三浦さんは臨武君」(笑)

三浦氏:「よく喋る面白い髪型のデブじゃねえかよ! お前俺のこと輪郭でしか見てねえだろ! 」って怒りましたね。

博報堂時代は、社内で優遇されているクリエイティブ職になりたかったんです。でも一番端っこというか、陽が当たりにくいPR部署の配属期間が長かったんで、まさに野盗から成り上がっていくイメージだったんですよ。

手段を選ばないで、常識では考えられないような企画をしてきたことや、本当は熱いものを秘めているのに、あえて意地悪なことを言いがちな部分も含めて、自分は桓騎だと思っていたんですけどね……。

コンプレックスは、面白く語ることで「武器」になる

吉田:だいぶ会場は盛り上がってきましたが、他に気になる武将はいますか。

森山:万極(マンゴク)*20の登場ですね。彼は、秦と趙が戦った長平の戦い*21で、虐殺された孤児です。これまで虐げられてきた恨みをエネルギーにして戦っています。エネルギーの種類はプラスとマイナスがあって、マイナスのエネルギーは、コンプレックスや怒りや恨みが原動力なので、強いんです。社会を変えるというビジョンにもなります。ただ苦しそう語る人たちは、魅力的には映らないんですよね。

三浦氏:コンプレックスを面白く語れるといいですよね。「僕なんて埋められてから生き返りましたからね!」って。でもコンプレックスや恨みだけだと息切れするし、周りも疲弊しますよ。

吉田:ちなみに、参加者からの質問ですが、お二人が抱えられてきたコンプレックスはありますか。

三浦氏:僕は2個あります。1個は、めちゃくちゃ貧乏だったこと。最初実家は裕福で、渋谷に3階建の一軒家があったのですが、お父さんの会社が失敗して、借金に追われて夜逃げしたんです。当時、小学校4年生で、マジでドラマに出てくるレベルの貧乏になって「人生終わった」と思いましたね。

親が教育熱心だったので、東京で一番学費が高いと言われる暁星という私立の学校に通っていました。引越し先の板橋の団地から電車でむかう初日、ずっと考えていたのは「破産して貧乏になっちゃったんだよ」と、みんなに言うべきなのか、隠すべきなのか。

そのとき面白く言おうと決めたんです。教室に入った瞬間に「いや〜ちょっと聞いて、面白い話がある。あのね、破産した!うちの親父!」って。みんなが爆笑してくれて「夜逃げってなにで逃げるの?追いかけてくんの?」「いや、追いかけてはこない」みたいに笑って話して乗り越えたのが、僕の原体験です。ライフイズコンテンツと僕はよく言うのですが、どんな失敗も絶望も、面白く語ることで自分の武器になるんですよ。

もう1個は、博報堂に入ってから、一流のクリエイターを目指して頑張っていたときの体験ですね。当時尊敬していたクリエイティブの先輩が、「私はこの仕事を社長と直接やっています! 」ってすごく自慢げに業務報告をして、褒められていたんですよ! 博報堂のなかでも優秀な将軍クラスが、社長と直接向き合っているだけで褒められるって、これって相当情けないなって。

でも、実際にほとんどのクリエイターは宣伝部としかお付き合いがないし、広告予算って企業の総予算の二割くらいに限られています。そこにしか関与できない。ある種、過小評価された立ち位置なんです。一方で、銀行員やコンサルタントといった職業は社長と直接やりとりをして、ビジネスを成長させる存在として認識されています。それがコンプレックスですね。クリエイターとして経営者のパートナーになって、ビジネスに貢献できるという価値をきちんと証明していきたいし、それがGOはできると思っています。

森山:三浦さんのように、多くの経営者はいろんなコンプレックスを持っていますね。一方で僕は普通の家庭に生まれ、普通に育ったんです。一時期は事故にあいたいと思うほど、普通であることがコンプレックスでした。普通コンプレックスって結構あると思うんです。小学校のときは、6年生のお姉さんたちが集団登校をするために、家にピンポーンを鳴らしにきていたんですけど、僕はお腹が痛くなっていましたね。

三浦氏:モテエピソードじゃないですよね?

森山:モテてはいないです(笑)。「あんな6年生には僕はなれない」と悩んでいたんです。プチ不登校児でした。でもいざ6年生になってみると、マジで大したことはないと分かったんです。それが僕の原点。だから経営者とかリーダーとかって肩書きは大したことない。僕は普通にリーダーになるし、普通に社長になるし、普通に悩む。普通の人が勝つ世の中を作りたいと思いますね。

(END)

青年漫画であり、ビジネス書にも変わりうる、キングダム。ただし、よくあるビジネス書とは違って、読み込むほどに、物語が進むほどに、学べることが広がっていく。仲間とともに危機的状況を乗り越える信に自分を重ねるもよし、昌平君のような優秀な人材をリクルーティングする際の1つの方法を学ぶもよし、共感ポイントや得られる学びは人それぞれ。それがキングダムの面白味だと思います。次回の53巻は1月19日に発売されるとのこと! まだ読んでいない方はこれを機に、自分にとってのキングダム経営論を見つけてみては。

キングダム経営論、他のシリーズはこちら:
100人が熱狂! 漫画『キングダム』の名シーンから読み解くリーダーシップ〜Yahoo!アカデミア学長✖︎CRAZY社長

キングダムに学ぶ「時代を作る究極のリーダーシップ」

キングダムに学ぶ「愛や幸せや勇気を語る組織カルチャー」【TOP LIVE】

 

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写真:浦口 宏俊

*1 青年漫画『キングダム』:既刊累計3300万部突破、第17回手塚治虫文化省漫画大賞受賞した、古代中華戦国大河ロマン青年漫画。時は紀元前、春秋戦国時代*2。いまだ一度も統一されたことのない中国大陸は500年もの動乱期が続いていた。戦国七雄の一つ「秦国」の身寄りのない少年・信(シン)と漂は、今は奴隷のような身だけれど、いつか武功をあげて天下一の将軍になることを夢見て修行に励む。そんな二人が偶然、秦国の大臣に出会ったことから物語は始まる。

*2 中国春秋戦国時代(しゅんじゅうせんごくじだい):中国史において、紀元前770年に周が都を洛邑へ移してから、紀元前221年に秦が中国を統一するまでの時代。

*3 政(セイ):主人公の1人。嬴政(エイセイ)のこと。秦国の第31代目の王。秦という大国王家に生まれたものの、幼少期は過酷な人質生活を送っていた。信と共に中華統一を目指している。

*4 信(シン):主人公の1人。飛信隊*6の隊長。もともとは貧しい村の戦災孤児であり、下僕の身分ながらに「天下の大将軍」を夢見ていた。とある事件をきっかけに秦国の第31代目の王である政*3と共に、中華統一を目指すようになる。

*5 蕞(サイ)の奇跡:中華の合従軍が大侵攻の際、秦の国都「咸陽」の最終防衛地「蕞」にて、秦王・政が、蕞の民を戦士化し国を守ったシーンのこと。

*6 飛信隊(ヒシンタイ):主人公・信*4が隊長を務める部隊。王騎*7からこの部隊名をもらった。

*7 王騎(オウキ):かつて中華全土を震え上がらせた秦の六将軍最後の生き残り。『秦の怪鳥』という異名をもち、他国から畏れられる存在。信*4が敬意を抱いている将軍の一人。

*8 蒙武(モウブ):呂不韋*13直属の四柱の1人。自身の武力に絶対の自信を持っており、他国からは猪突猛進と評されている。

*9 王翦(オウセン):秦の武将。野心家。野戦築城や心理操作を織り交ぜた重厚な戦術を得意としている。

*10 鄴(ギョウ):趙の重要拠点。

*11 亜光(アコウ):王翦*9の第一武将として、信頼されている存在。

*12 人の本質は光:政(セイ)*3と呂不韋(リョフイ)*13が天下について話り、二人の人間観の違いが浮き彫りになるシーン。

*13 呂不韋(リョフイ):秦の政治家。若い頃から、金儲けが上手く商才に長けた男であり、絶大な権勢をふるっていた。

*14 桓騎(カンキ):野盗で構成されていて、誰から習ったでもない彼独自の戦術を用いた戦い方を得意とする。略奪・虐殺も厭わない。ある種のカリスマ性を持っており、部下から慕われている。

*15 昌平君(ショウヘイクン):呂不韋四柱の一人。知略を重んじる軍略家だが、武人としての一面も持つ。

*16 輪虎(リンコ):戦災孤児だったところを拾われて生き延びたため、忠誠心が高い。飛び抜けた実力を持つ。

*17 楊端和(ヨウタンワ):圧倒的な武力をもつ、山の民を率いる女王。女性ながらその武力は恐れられており「山界の死王」と呼ばれる。右腕はバジオウ*18。

*18 バジオウ:楊端和*17の右腕として山の民を束ねている人物。バジ族の生き残り。楊端和に敗れてから一族に加わり、次第に有能な戦士へと育った。

*19 臨武(リンブ)軍:楚の将軍で、巨漢で怪力の持ち主。

*20 万極(マンゴク):趙国の将軍。長平の戦い*22で、父と兄と共に生き埋めにされ、自身のみ這い上がって生き延びた。秦国を心底恨んでいる。

*21 長平の戦い:秦と趙が長平行った戦い。秦が中華統一を成し遂げるまでには数々の戦いがあったが、最大にして最悪の戦いと言われている。最終的には秦の大勝利となり、秦が降伏してきた趙兵40万人を生き埋めにして虐殺。

水玉綾(@maya_mip)
Aya Mizutama

CRAZY MAGAZINE編集長。フリーランスのライター・編集者。働き方・組織論などのビジネスシーンから、個展やポエミーな文章まで幅広く担当。世の中が美しくなる編集を大切にしている。吉本ばななさんのTUGUMI、ミヒャエル・エンデさんのモモが好き。

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