こんにちは。CRAZY WEDDINGプロデューサーの渡部恵理です。
私たちはこれまで「CELEBRATION for all – すべての人に等しくお祝いを -」というテーマを掲げ、セクシュアルマイノリティの方々の挙式を2019年から、25組つくらせていただいてきました。
“ 同性カップルが結婚式をする。”
それは、現在の日本ではまだ、法的には叶えられません。
「いつか結婚式したいけど、できると思えない」
「実際に行動には移せていない」というカップルの声も聞きます。
そんな中でも、式をおこなうことを決断し、私がご一緒させていただいたカップルに「結婚式をすることの意味」を聞いてみました。
法律で認められていない今、「結婚式」をする価値はあるのでしょうか?
大切な人に感謝と愛情を伝えられるのが、結婚式
「大好きな人同士が同じ空間にいて。愛を伝え、感謝を伝え合う。これ以上の機会はないと思う。」
はじめは「結婚式をするつもりはなかった」とおっしゃっていた 健太さんとビンチェさんが、式後に伝えてくれた言葉です。
法律婚ができる海外への移住と、そこでの結婚式を将来的に見据えていたおふたり。
そんな中、「日本にいる家族や友人に感謝を直接、伝えたい」という想いで日本での開催を決意しました。
しかし、本番を迎えるまでふたりにはたくさんの不安がありました。
「ゲストは、初めての同性カップルの式に戸惑はないだろうか」
「本当に来てくれるだろうか・・・」
そんな不安を超えて、当日を迎えたふたりは、大好きな人たちに囲まれ大きな拍手に包まれながら、誓いを立てることができました。
挙式を経て、涙と笑顔で顔がぐしゃぐしゃになったふたり。
「こんなに、泣くと思っていなかった。感情をすべて出せた。」
「法律で認められていない、だからこそ、結婚式はすべきだと思う。」
「大切な人に感謝と、愛情を伝える」という大切な気持ちを叶えることができたのが、「結婚式」でした。
家族に伝える背中を押してくれた、結婚式
結婚式のご相談をいただいた当初、「親御様にはまだ交際を伝えられていない」という女性カップルのおふたりからご相談をいただきました。
はじめは、「受け入れられないと思うから、親は呼ばない結婚式でいいです。ふたりだけで式をして、写真と思い出を残したい」と伝えてくれたおふたり。
そこから衣装を選んだり、誓いの言葉を考えたり、式の準備を楽しみながら当日を迎えました。
結婚式を結んで「ふたりで生きていく覚悟ができました。次は、大切な家族も一緒に結婚式がしたいです。」と話してくれた数週間後、一通のメッセージが届きました。
「母親にカミングアウトしました!まだ、受け入れきるには時間がかかりそうだけど。パートナーを会わせることもできました。」
ふたりにとって結婚式は、前に進むための勇気をくれるステップだったのかもしれません。
ふたりの幸せな姿を大切な家族に見てもらえるのが、結婚式
「今のパートナーと出会って、本当に幸せだっていう姿を家族に見せたい。」
「今まで見守ってくれてありがとうと家族に伝えたい。」
そんな想いを抱きながら、結婚式の開催を決めたふたり。
新郎は、女性。ふたりの願いは「新郎新婦」として家族の前で式をすることでした。
ふたりは、新婦様のお母様がどんな反応をするのかを気にかけていました。
そして迎えた当日。
誓いを立てる姿を見て、お母様は涙目で拍手をしていました。
式後、お母様は、「今朝まで複雑な気持ちだったんです。でも、娘のあんなに幸せな顔を見て、なんて恵まれた子だろうと嬉しく思いました」と話してくださいました。
吹っ切れたような表情で、「幸せになってね」と新婦様をしっかりと受け止めたお母様。
家族が確実に、大きく一歩前へ進んだ瞬間でした。
法律では認められないけど、だからこそ、式を挙げてほしい。
法律で認められない今、それでも結婚式をする理由はあるのだろうか。
人それぞれの中に、「ある」。
誰かにとっては、家族のために。
誰かにとってはお互いのために。
そのふたりが欲しいと願う、人生にとってかけがえのない体験・景色・記憶を、実現するための一つの方法が結婚式なのだと思います。
「法や制度を変わるのを待っていても仕方がない。法律では認められないけど、だからこそ、式を挙げてみてほしい。」
これは、結婚式を一緒につくらせていただいたあるおふたりの言葉です。
今思う最高の方法で「ふたりの人生」をお祝いする。
そんな場所が結婚式であったら良いなと願っています。
プロデューサー 渡部恵理
セクシュアルマイノリティの方の式は随時受け付けております。
以下よりお問い合わせください。
株式会社CRAZY 担当:渡部
MAIL:welcome@crazy.co.jp
TEL:0120-181-904
LGBTQ wedding 関連記事バックナンバー
Vol.1
「すべての人が等しくお祝いできる世の中に向けて、私たちができること。」
Vol.2
Vol.3
「『幸せになってほしい。』性的マイノリティ家族の変わらない願い」
Vol.4
【LGBTQ ウエディング】「誰かの勇気になれたら」ふたりの新婦が挙式に込めた願い
感想・シェアはTwitterのDMにてお待ちしております!