同性カップルの挙式をつくり、私が教えてもらったこと

みなさま、はじめまして。CRAZY WEDDINGのプロデューサー渡部恵理です。私たちはこれまで「CELEBRATION for all – すべての人に等しくお祝いを -」というテーマを掲げ、セクシュアルマイノリティの方々の挙式をつくらせていただいてきました。

本記事はその活動から学んだこと、気づいたことを少しでも多くの方に届けたいとはじめた連載企画第二弾です。お付き合いください。

「お祝い」の機会はみんなに等しくあるのだろうか

2年前、そんな思いから活動をはじめた「CELEBRATION for all」。

最初のアクションとしては2019年のTokyo Rainbow Prideで「わたしたちの結婚式」をテーマに、誓いを立てるブースをつくりました。そこでは、異性愛や同性愛に関わらず、多様な12組のカップルが誓いを立ててくれ、「お祝いの機会を等しく届けたい」という思いが形になった2日間でした。

2019年Tokyo Rainbow Prideでは、声とシルエットだけが見える「誓いのブース」を設置。ふたりの誓いを聴きながら手をつなぎ、涙を浮かべて見守るカップルもいました。

その活動を皮切りに、自社の式場IWAI OMOTESANDOにて今日まで約20組のセクシュアルマイノリティの方々に向けた誓いのセレモニーをつくりはじめました。

十分な経験もない中、手探りで歩いてきた2年間。多様なカップルのなみなさんと出会ってきました。その一人一人から学び、はっとさせられ、教えてもらったことがたくさんあります。

今回はその中でも心に残った言葉と大切な気づきを残そうと思います。
※あくまで個々人の意見です。

1.「『結婚式』とは、呼ばないでほしい。」

これは、はじめて女性カップルの式をつくったときに言われて驚いた言葉でした。「同性婚が法制化されていない中で『結婚式』は法律上できない。その事実から目をそらさないように、あえて結婚式ではなく『誓いのセレモニー』と呼んでほしい。

その一方、他の同性カップルからは地方のお寺で式をあげた時に「結婚式」と明記することを拒まれ、別の言い方で提案を受けたことが悔しかったというエピソードを聞いたこともあります。

それぞれに想いや意見がある。たった一つの言葉が強い影響を持つことを忘れてはいけないと気づかせてもらいました。

2.「怖がらないでほしいんです。」

女性ふたりで式場へ問い合わせをした時、「新郎様はご不在ですか?」と言われ傷ついた。”

“「タキシードとドレス1着ずつではないと衣装の割引はできない。」と言われて残念な気持ちになった。”

これは誓いの式をご一緒する中で、私が聞いてきたおふたりの実体験です。

そんな悲しい現実を知れば知るほど「気をつけなければ」「傷つけないようにしなきゃ」と肩に力が入っていた時におふたりからもらった言葉が「怖がらないでほしい」でした。

「わからないのは当たり前、話を聞く耳を持ってほしいんです。」「その上で、怖がらなくてすむように、最低限こういうカップルがいるということも知っていてほしい。」

怖がることではなく、心から知ろうとする、知りたいと思うその気持を大切にしようと思えたエピソードです。

3.「僕らには、式をするという選択肢がないと思っていた。」

「Celebration for all」活動も3年目に突入した頃、ニュースやSNSの反応から世の中の変化を感じ「セクシュアルマイノリティの方々の式のハードルは下がりつつあるのかな。」と思いはじめていた今年。共同企画でゲイカップルの方々へ式を募集したときに聞いた一言です。

まだまだ、「自分たちは結婚式をしてはいけない存在」だと思っている人たちがいると知った衝撃は大きいものでした。この声を忘れず動き続けていこうと改めて覚悟を決めた出来事です。

Blued Japan 株式会社と協同企画 「CELEBRATION for all with Blued」では、合計7組にご応募いただき現在2組のお客様とプロセスを歩んでいます。)

4. 好きな服装も、ふるまいも、セクシュアルマイノリティといってもみんな違う。「一人一人と向き合ってくれる事がありがたい。」

女性カップルの式をつくるプロセスで、衣装の話になった時。「ふたりはそれぞれ、晴れ舞台でどんな衣装が着たい?」と何気なく聞いた問いへの返答でした。

当たり前にドレスとドレス、もしくはドレスとタキシードを案内されると思っていたそう。

男性だから、女性だから、という概念を超えて「あなたらしい晴れ姿」を目指していたからこそ自然に出てきた一言。これはこれまでの当事者のみなさんとの出会いがあったからこそ、生まれた一言だったと思っています。

5.「誰かに胸を張って祝福を浴びることができるのって、こんなに幸せなんですね。」

式の本番を終えて、「どうだった??」と聞いた時に返ってきた言葉。

「祝福されるって、こんなに嬉しいんですね。ふたりの存在を祝われるっていうことは自分たちがいてもいいよ、ふたりに幸せになってほしいって言われているのと一緒。普段祝われることが普通のカップルより少ないし、人の目を多少気にしちゃうから、こんなに思い切り祝われて幸せです。」

この時私は「祝われることですら当たり前ではない」というリアルを実感したと同時に、その喜びをふたりと一緒に味わえたことを実感して、思わず涙がこぼれそうになりました。

6.「 次は法律で認められたときに、もう一度“結婚式”をしたい。」

式の当日、急遽 2セット(合計4束)のブーケを持ってきたおふたり。

「ブーケ2セット!?どのシーンで持ちたいの?」と聞いたら「これは、同性婚が法律上認められた時に持って式をするために用意したんです!」「私たちが本当の意味で“結婚式”ができる日に、もう一度式をすると決めているから。」と返答が。

当日手元にそれぞれのブーケを持った上で、式場の入り口、最も人目につく位置に、未来に使う予定の2束のブーケを飾りました。

「お祝い」の機会はみんなに等しくもあり、等しくはなかった。

一組一組と式をつくる度に私は、「祝う」ということと「誓う」ということに同性異性は関係なく、すべての人に等しくある素晴らしい機会だと感じてきました。

それと同時に、法律では認められていないから(いわゆる異性カップルではないから)感じざるを得ない差があることも、教えてもらってきたように思います。

今回ご紹介した声は、あくまで、これまで出会ってきたその人たちの個人的な声です。

“当事者”や、“LGBTQ”といった言葉でくくることができないくらい、それぞれは異なる個人です。

一人ひとり求めるものも、幸せの形も違う中で、それぞれに寄り添える私たちであれるよう、柔らかく、これからも学び続けていきたいと思います。

改めて出会ってくれたみなさんに感謝を込めて。

バックナンバー

Vol.1

「すべての人が等しくお祝いできる世の中に向けて、私たちができること。」

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執筆:渡部恵理
編集:池田瑞姫

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