「幸せになってほしい。」性的マイノリティ家族の変わらない願い

みなさま、こんにちは。CRAZY WEDDINGのプロデューサー渡部恵理です。

私たちは2019年から「すべての人に等しくお祝いを」というテーマを掲げ、セクシュアルマイノリティ(以下、「セクマイ」と表記します。)方々の誓いの式をつくらせていただいています。

前回の記事「同性カップルの挙式をつくり 私が教えてもらったこと」は、公開後からたくさんの方に読んでいただき、記事をきっかけに同性カップルの方がお問い合わせをくださったり、学生・企業の方が「活動について知りたい」と声をかけてくださったりと嬉しい反応をいただきました。

今回は当事者の方々の声に続き、「式に参列したご家族の声」をお伝えしたいと思います。同性婚の存在は少しずつ認識されはじめている昨今ですが、それを見守る親御様やご家族の声に触れていただく機会はなかなかありません。

しかし、私が実際に式をつくってきた中で、目に焼き付いて離れないご家族の表情や言葉がたくさんあります。そこには、それぞれの家族の葛藤や悩み、そして確かな愛情が詰まっていました。

今回はそんなご家族とのやりとりの一部を文章にさせていただきました。親が子を愛する気持ちや家族の絆を、皆さんに感じていただければと思います。お付き合いいただけますと幸いです。

愛してるからこその、リアルな家族の声

1.「今朝まで複雑な気持ちだったんです。でも、娘のあんなに幸せな顔を見て、なんて恵まれた子だろうと嬉しく思いました。」

女性カップルの式。

私は、会場に到着された時、お母様の表情が少し曇っていたのが気になりました。しかし、挙式でおふたりが誓いを立てる姿を見て、お母様は涙目で拍手をしていました。

式後「晴れ姿いかがでしたか?」と声をかけると少し間を置いて、「今朝まで複雑な気持ちだったんです。でも、娘のあんなに幸せな顔を見て、なんて恵まれた子だろうと嬉しく思いました。」と伝えてくれました。

我が子への親の思い、全てが詰まった言葉でした。

2.「可愛い妹に髪を結ってあげることはできなかったけど、可愛い花嫁さんが来てくれた。」

性転換手術をし女性から男性となった新郎のお姉様からのスピーチ。

「妹にはたくさん可愛い格好をさせてあげて、一緒にお買い物に行ったり髪を結ってあげたりと女姉妹らしいことを楽しみにしてたけど、それは叶わなかった。けど、可愛い花嫁さんが来てくれてよかった!」

皮肉混じりに笑いながら、心から家族として迎え入れている気持ちが最大限に表れた一言でした。

3.「こんなに美しい娘がふたりも家族になって。幸せだなあと思います。」

誓いを立てる新婦ふたりの姿を見守ったあとのお父様のスピーチ。

「◯◯ちゃん(自分の娘)には、しっかり者の◯◯ちゃん(パートナー)しか難しかったと思います。ふたりも美しい娘が家族になって幸せだなあと思います。」

この一言に、同性異性関係なく我が子にとっての生涯のパートナーを敬い、受け入れたお父様の大きな愛を感じました。

4.「自分の道をつらぬいて、かっこいいと思う。妹にとって最高のパートナーだと思います。」

お兄様の披露宴でのスピーチ。

堂々と生涯のパートナーと共に歩むことを誓う妹と、同性のパートナーふたりを姿を見て、「かっこいいと思うよ。妹には◯◯さんが最高のパートナーだと思います。」と仰っていました。

この言葉で、ご家族を始めとするゲストの皆様から拍手が響き、ふたりは目を潤ませながらその言葉を噛み締めていました。

5.「時間はかかると思う。でも、いつか心からお祝いできたらいいな、と言っていたよ。」

式後、お父様からもらった一言。

式をやることを決意した後、勇気を持って親御様へのカミングアウトをした同性のおふたり。しかし、約1年経ってもお母様に受け入れていただくことが難しく、ふたりだけの式を開催することを決意しました。

その式後にお父様からもらったのが、「『いつか心からお祝いできたらいいな』とお母さんは言っていたよ。」という一言。この言葉は、今でもふたりの背中を押して前に進んでいく勇気になっています。

変わらない願い「幸せになってほしい。」

「きっと、複雑な気持ちで式に来るだろう。」
「受け入れてもらえない方もいるかもしれない。」

セクマイカップルの式をつくらせていただくとき、担当プロデューサーとして、親御様を迎えることに無意識に緊張している自分がいました。

しかし、実際に参列するご家族と出会い「受け入れているか否か」の二択ではない、ご家族の深く、複雑で、大きな愛情を目の当たりにしました。

すべての親と子がそれぞれ違います。ただ一つ確実に言えることは、どの親御様、ご家族にも「幸せになってほしい」という純粋な想いがあったということです。

確かに、異性カップルではほとんどの方が必要ない「カミングアウト」が、当事者のみなさんにとっては、結婚式をする上で一つのハードルになっていることは事実です。

それでも、異性同性問わず、これまで共に過ごしてきた日々を経て式当日にいらっしゃったご家族が、ふたりの晴れ姿を見て嬉しそうに微笑む姿が確かにあることが、この記事で少しでも伝わっておりましたら幸いです。

 

※ 記事内の画像は、該当エピソードと異なる場合がございます。


バックナンバー
Vol.1 「すべての人が等しくお祝いできる世の中に向けて、私たちができること。
Vol.2同性カップルの挙式をつくり 私が教えてもらったこと

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執筆:渡部恵理
編集:池田瑞姫

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