INTERVIEW

「新卒で入社して、本当に活躍できるの?」経営に近いポジションを得るために、二人が開いた突破口とは

新規事業立案、採用や現場の統括と、責任領域を広げてマルチに活躍する新卒2年目、
CRAZY WEDDINGのディレクター・佐藤史紹(以下、佐藤)とプロジェクトマネージャー・横井理子(以下、横井)。そんな2人は当然、入社当初から挫折知らず……かと思いきや、インタビューでは、かなり意外な言葉ばかり飛び出した。

不満だった配属、チームへの不信感……上手くいかない状況をどう好機に変えて、今のポジションに這い上がったのか。「新卒で入社して、本当に活躍できるの?」。この問いの真相に迫る。新卒ストーリー後編。

前編はこちらからどうぞ:
起業家からCRAZYへ。人材系からCRAZYへ。予想外の「就職先」を選んだ新卒二人の頭の中を覗く!

プロフィール
佐藤 史紹(Fumiaki Sato)
CRAZY WEDDING Director
慶應義塾大学理工学部出身。学生時代は教育系の学生団体で活動。その後、NPOでの教師体験や組織コンサルを行う企業でのインターンを経て、「1から自分で組織を作りたい」と、CRAZYに入社を決意。内定者時代には、新しい働き方を考えるイベント「CRAZY LIFE LAB」を開催し、新卒3名の採用活動に貢献。現在はCRAZY WEDDINGにおける当日のオペレーションを統括するディレクターチームに在籍し、数多くの結婚式や企業イベントのプロジェクトマネジメントを行っている。

横井 理子(Masako Yokoi)
CRAZY WEDDING Project Manager
慶應大学大学院メディアデザイン研究科・女子美術大学大学院ファッション造形研究科出身。学生時代に個人でファッションビジネスを立ち上げ、2012年FUKU LAB.として独立。2014年には、学生起業家選手権で優勝。NHKニュース「おはよう日本」で特集される。その後、「もっと大きな世界を、最高の仲間と作っていきたい」と、CRAZYに新卒入社を決意。現在は、プロジェクトマネージャーとして、CRAZY WEDDINGの事業改善を行っている。

入社後のギャップ。やりたいことを仕事にするまで。

ー 今の仕事の領域は非常に幅広く、責任も重い印象ですが、入社当時に思い描いていたものですか?

佐藤:そうですね。入社前に描いていたものに、近づいてきています。でも、最初から理想通りに働くことができたわけではありませんでした。僕は組織や文化の作り方を学びたい、自分が作れるようになりたいと思い、入社しているので、入社数ヶ月間は、結婚式に携わる中で「違うな……」と感じていました。心に余裕がなかったし、上手くいかないことも多くて。

「採用や教育の領域ならできる」という自信がありましたが、その思いが先行して、目の前の業務に集中せずに、目立った成果を出すことができなかったため、当然ですが任せてはもらえませんでした。そのことにストレスを感じて、ディレクター*1業務が疎かになってしまうこともありましたね。理想を描くことも、現実を見ることもできなかった。当時が一番苦しかったですね。

ー どう乗り越えたのですか?

佐藤:自分のやりたいことは一旦置いて、目の前の仕事を思いっきりやろうと決めた時期があったんです。「成果を出す、言われたことを全うする」と決意したのです。正直なところ、成果を出すためのプロセスは、楽しいことばかりではありませんでした。ただ、周囲からの信頼度はグッと上がったんです

そこで気づいたのは、成果はもちろんだけれど、仕事に取り組むスタンスや、発しているエネルギーが、周囲からの信頼に大きく影響するということでした。きちんとやると覚悟を決めて、失敗もするし能力も足りないかもしれないけれど、成果を出そうと真っ直ぐ取り組む姿勢でいたら、周りの人に「最近サブ(佐藤の愛称)良いね」と言ってもらえるようになって。結果として、今はやりたかった仕事ができています。採用や全社研修のSEASON合宿*2の運営も、実は僕が手を上げて取りに行った仕事ではないんですよ。ありがたいことに、担当者に声をかけてもらいました。仕事に向き合う姿勢を変えて、信頼を獲得してきたことが、今の仕事につながっていると思います。

佐藤と横井が共に運営を担当したSEASON合宿。社員一人一人が物事の流れや優劣を根底から覆し、新しい可能性を見出す「ゲームチェンジャー」になることをテーマに企画を作り込んだ。経営陣だけでなく、新卒社員が合宿を作り上げるというのもCRAZY独特の文化である。

愚直にポジションを掴み取りにいった、忍耐のとき。

ー 横井さんは、現在の仕事は入社当時に思い描いていたものですか?

横井:私は、入社前からCRAZYに関わっていて、CRAZY WEDDINGを始めとする各種イベントの空間デザインを行う、アートディレクターチームのマネジメントのアシスタントをしていました。当然入社後もその業務に携わりたいと思っていたのに、ディレクターチームに配属と言われ、「は?」と思ったスタートでした(笑)。ディレクターチームは、もともとあった部署ではなく、私が配属されると同時に始動したチームです。自分たちで試行錯誤しながら進めていける点にはやりがいを感じていたのですが、チーム内で信頼関係を構築するのには時間がかかりました。チームメンバーに対する不信感と、仕事に対する不信感の両方があったんです。ゼロから立ち上げたチームだからこそ、周囲からの信用がなく、立場がないところも本当に嫌で。

ー メンバー間の不信感はどうして生まれたのでしょうか?

横井:目指すものに共通認識がなかったからです。会社全体には、ビジョンがあるので全員がそこに向かって行けます。でも、ディレクターチームは、課題解決のためにできたチームなので、理想がなかったんです。あるのは「今ある問題を解決する」という現実だけ。楽しくないし、立場はないし、理恵さん(CRAZY WEDDING執行責任者・遠藤理恵)に辞めたいと話したこともあります。「もう少し頑張ろう」と励まされて、根が真面目な私は、とりあえずと思いながら確実に仕事をしていきました。

横井が入社してディレクターとして最初に関わった案件は、社員数が数百名を超える企業の周年パーティーだった。CRAZY WEDDING代表の山川咲のもとディレクションサポートを遂行した。

ー 辞めたかった局面を、どう突破したのですか?

横井:正直に言うと、「早く立場を上げよう」と取り組んでいました。そのためにも、まずはディレクターチームで結果を出し、信頼を得ようと。幸いにも、ディレクターは人とたくさん関われるので、信頼を得やすいポジションだったんです。着実に仕事をし、いろいろな人から認められるうちに、気づけば、CRAZY WEDDING内に立ち上がったさまざまなプロジェクトの依頼が、自分にくるようになっていました。新入社員メンバーへの教育プログラム作成や、生産性向上のための会議撤廃など、多くの場面でプロジェクトマネージャーとして貢献したことが、信頼の獲得、今の部署への異動につながりました。

佐藤:(横井は)いつも身を粉にして人をサポートできるところを尊敬します。自分では早く立場を上げたいからだと認識しているようですが、根本には「誰かを助けたい」という気持ちがあるなと。そういう僕も、助けられました。

横井:サブが担当していた難易度の高い案件を、誰かが代わりに担当しなければならないときがあったんです。私は2週連続で案件を抱えていたので、簡単には引き受けられる状況ではなくて。正直なところ、助けたいという思いと、信頼を得るチャンスだという思いがありました。私は、その両方を考えて「やってやる!」と思ったんです。だからサブを見ていて「チャンスを逃してるな」と思うときもありました。でもサブは、その場の空気や人間関係を大事に考え取り組む人。そんなサブの視点こそ、私も持ったほうがいいのかなと思ったこともあります。でも人はそれぞれタイプが違いますから、各々がしっかり自分を持ち、強みを生かすことが大切ですよね。

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二人の身に訪れた、驚くべき変化とは。

ー 理想と現実との間にもがいたり、辞めたいと悩んだり。入社当初はそれぞれ苦悩していたようですが、そうした時期を経て得たもの、自分に起きた変化はありますか?

佐藤:組織をゼロから育てていくプロセスを体感できたことは大きいですね。ゼロベースだったディレクターチームに、仕組みができて、責任範囲が決まって、ブランディングができて…。

起業に近いと思うんです。ビジネスモデル、明確な定義や役割がない中で、「0からやってみろ」と言われてやる。その経験から、自分の中での時間軸が長くなった気がしています。ディレクターチームというたった1つの組織でさえ、半年かけて制度が整って、次の半年で人に認められて、そのまた次の半年でチームビルディングができて、ようやくみんながやりがいを持って働けるようになった。「時間がかかるよね」と、無駄にイライラしなくなり、いろいろなものに対する時間軸が伸びて、物事を本質的に見られるようになりました。

横井:学生時代の起業経験から、入社する前は、どちらかというと小さいチームで、自分が事業を起こしたいという思いが強かったのですが、今は違います。すでにあるものをスケールさせるほうが良いなと。部署異動の際、CRAZY WEDDINGのプロジェクトマネージャーをするか、グループ会社に異動するかという話があったんです。以前の私ならば、まだ組織が小さいグループ会社を選んでいたと思います。自由が得られますから。けれど、大きい組織を動かしたいと思い、最終的にはCRAZY WEDDINGのプロジェクトマネージャーを選びました。

自分には今のポジションが合っていると思います。「この世界を創る」という理想の実現に向けて、経営者と私でタッグを組んで歩んでいくことにやりがいを感じています。この意識は、入社前とは全く変わりましたね。

横井は学生時代にファッションビジネス「FUKU Lab.」を立ち上げ、服に手紙を書き、折り畳み郵送できる「fukutegami」を発案。ただの物として消費されていると感じた服を、思いを伝える手段として活用しようとデザインした企画が話題を呼び、テレビ東京系「ワールドビジネスサテライト」など多くのメディアに取り上げられた。

CRAZYの今。CRAZYの未来。

ー 入社して1年半が経ちましたが、二人にとってCRAZYはどういう場所ですか?

佐藤:僕は今まで生きてきて、心の底から「楽しい!」と思ったことが少なかったんです。けれど、CRAZYは過ごしていてすごく楽しい。ここは、目指すものに向かって、全員が常に全力で臨んでいます。その過程で人間関係を作ることができて、今感じている幸せよりもバージョンアップした一体感や幸せを感じられる経験が、何度もあるんです。仕事自体も楽しいですが、生きることが楽しい場所です。

横井:CRAZYは一見するとデザイン性の高いオフィスで、自由な働き方をしていて……理想の場所に見えるかもしれません。ですが、日々全員が理想の生き方と戦っている場所だと思っています。だから私は、楽しいよりも「緊張」の方が大きいんです。というのも、自分が目指す世界の実現のために仕事があるはずで、その仕事ができなければ、結果として描いている世界は創れない。今日の成果によっては、自分の行きたい未来に行けなくなってしまうと考えると、ミスができない緊張感がある。生き方を常に問われている戦いの場ですね。

ー 最後に、二人は今後のCRAZYをどう見据えていますか?

佐藤:新規事業が続々と生まれ、海外進出も進んでいきます。これから国内外問わず人が増えて、もっと多様な組織になっていくと思います。利益を得たい人じゃなくて、自分がこうだと思うものを一緒に創り上げたい研究者が集う感覚です。そういう個性が溢れた人たちと一緒に、大事にしたい組織文化を維持しながら、組織を大きくするにはどうしたらいいかを研究できることが、楽しみで仕方ないです。苦しみもあると思いますが、多くの喜びを得られるでしょうね。

最新の新規事業は、「CRAZY CREATIVE AGENCY(通称、CCA)」だ。CCAは、法人向けクリエイティブサービスで、クライアントが抱える課題を、クリエイティブを用いて解決する。写真は、新宿駅直結の商業施設NEWoManの1周年をオールプロデュースしたときのもの。

横井:内部的な面で、苦しむことが多いと想定しています。新規事業が立ち上がって、外から多様な人材が入ってきて。「こうしたい」の反面、「こうしなきゃ」という想いに挟まれて、多様性に挑む難しさが出てくると思います。その半面、社会的には会社の存在感が増していくでしょう。

私は今まさに、経営と現場の中間ポジションにいるので、多様性に苦しむシーンが多くなるんでしょうね。あっちはこう言っている、こっちはこう言っている。「どうするの、何を目指すの?」と。いわゆる会社内部的な矛盾に、私もCRAZYも苦しみながらも挑んでいきたいと思います。

 

「悩まない。やる」

そんな言葉が、二人のインタビューを終えた私の心に残りました。
責任領域を広げてマルチに活躍する二人。だからこそ、上手くいかない状況をも、「やる」というシンプルな行動で突破する姿が、際立って見えたのかもしれません。

一人でも立てる力がありながら、敢えて組織で挑むことを決めたCRAZYという場所。そんなCRAZYの未来には、彼らが見つめるように、多様性に苦しむ場面があるのかもしれません。けれど、苦しむ分だけ喜びを得ながら、挑み続け、切り拓く世界があることを、彼らのインタビューこそが証明しているようでした。

 


*1 ディレクター
新郎新婦がプロデューサーとともに描いてきた理想を、結婚式当日の責任者として運営する人。

*2 SEASON合宿
CRAZYが創業時から行っている合宿。毎月1回は全日で、3カ月に一度は2泊3日で、理念を体感できる研修、チーム目標の設定やリフレッシュの時間など、その時のタイミングで必要な内容を実施。前提にあるのは、経営の優先順位の2つ目「人間関係」の構築にある。


 

※CRAZYは一緒に働く仲間を探しています

編集:水田 真綾

高橋 陽子
Yoko Takahashi

「OVER THE BORDERの新婦です」の一言で、CRAZYを取り巻く人に認知してもらえるありがたい人生を送る。GALLERY WEDDINGプロデューサーと、FEEL THE CRAZY編集者と、少しのフォトライター業と…。わらじを何足履けるか冒険しながら、大好きな愛媛暮らしを満喫中。

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