2020.12.28

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【書き起こし②】GOOD PARTNER CONFERENCE 2020 Session 2

2020年12月22日に開催した、パートナーとより良い関係性を築くためのきっかけや、アイディアを届けるイベントGOOD PARTNER CONFERENCE。3つのセッションを用意して、様々な角度からパートナーシップについて語り合いました。本記事はそのSession 1 の内容をお届けするものです。なるべくイベントでの温度感を感じていただくため、実際の会話をほとんどそのままの形で載せています。文量が多くなっておりますが、年末年始の時間を使ってゆっくりお読みいただければと思います。

Session 1 はこちらから
Session 3 はこちらから


-Session2(19:30​-20:30​)
テーマ:パートナーとの理想の時間の過ごし方とそのアイディア

登壇者:
NEXTWEEKEND代表 村上 萌様
NEW STANDARD 代表取締役 久志 尚太郎様
株式会社CRAZY 代表取締役社長 森山和彦


森山和彦(以下、森山):19:30からのセッション2のテーマは、パートナーとの理想の時間の過ごし方とそのアイディアです。登壇者の二人に登壇してもらおうと思います。まずは自己紹介から!

久志 尚太郎(以下、久志)氏:NEW STANDARD株式会社代表の久志です。事業はメディアとか広告とかD2Cをやっている会社です。26歳のときに結婚しまして、小学校5年性の息子もいますが、5年前に円満離婚しました。でも家族でもいつでも会えますし、子供とも海外にも行ったりしてます。かなりパートナーシップについても考えてきましたので、色々話ができると思います。

 

森山:メディアの中でもパートナーシップについて扱う記事も多いですもんね!そのあたりのプロフェッショナル感があると(笑)

 

久志氏:そうですね!がんばります!

 

村上萌(以下、村上)氏:私は株式会社ガルテンで、NEXTWEEKENDというコミュニティメディアを主催しています。メディア自体は、季節の楽しみと小さな工夫で理想の生活を叶えるということをテーマにしています。旦那さんがアスリートで、移籍が多いので転勤族で、10年くらい2拠点生活しています。結婚とほぼ同時に起業して、東京にオフィスがあるんですけど、神戸、北海道、群馬にもちょっと住んでいたり。今は大阪に住んでて、ずっとそういう生活をしているので、パートナーシップでは物理的な距離、精神的な距離はよく考えています。理想の過ごし方についてお話できればと思います。久志さんともそういう話をしているので、お話できたらと思います。

 

森山:萌ちゃん(村上氏)とびんちゃん(久志氏)、ということで(日頃から仲がいいので)呼び捨てでいきたいと思うんですけど..。僕は、株式会社CRAZYを奥さんの山川咲と一緒に起業したんですけど、咲が卒業しまして、ふうふ経営の片方が辞めたというスタイルで、ふうふ関係にも大きく変化がありました。その際は、びんちゃんにも相談させてもらいましたけど、色んな変化がありましたので、そんな3人でお届けしたいと思います!楽しみですね!

 

村上氏:先程セッション1をみてましたが、咲ちゃんと二人で涙ぐんでるくらい白熱しながら登壇をしていて、60歳まで一緒にいたいって二人とも言っていて、なんかめっちゃ感動しました…。

 

森山:ありがとうございます。パートナーシップについて僕も最近考え方変わりましたね。みんなも考え方変わるタイミングなんですかね…?

 

村上氏:私はずっと2拠点生活だったけど、コロナのせいも、おかげもあって、はじめて夫と一緒にいた1年だったので、物理的距離に変化はありました。

 

森山:僕らは2人はふうふなんですけど、びんちゃんは今シングルですからね。

 

久志氏:シングルなんですけど、この1年くらい、自分が求めてるパートナー像について言語化が進みまして。自分がどういう人を求めていて、どういうふうにありたくって、何が心地よくて、悪くて、、、みたいな。そういう自分がしてほしいこと、自分こうありたいということを言語化できないと、相手は理解してくれないし、察するってことは無理じゃないですか?

そう考える中で、自分が何を求めているかということを、かなり深く言語化していくってことが1,2年くらいで成功しまして、色々明確になりました。

 

森山:話したそうだね!

 

村上氏:もし聞いてもよければ…。最初の結婚の時って、言語化できてなかったんですか?

 

久志氏:25,26歳の時かな?ノリと勢いで結婚しまして、知り合って3ヶ月くらいで結婚したんです。CRAZY WEDDINGがやってるような手作り風なウエディングを10年前にやったんです。だけど、自分が本当に何を求めているの分からずに結婚したんで、あんまりうまくいかなかった。

どういうことかというと、自分が「10」あるうちの、「1、2」は奥さんとすごく共有・共感できたけど、残りの「8」は上手く言語化できない….みたいなことで、お互い苦労したんです。

 

森山:それは、分かってなかったのか、それとも嫌われるのが嫌だったのか、どんな感じ?

 

久志氏:色々あると思います。恐怖みたいなものもあるし、無自覚なこともあれば、矛盾みたいなこともあったりとか。あとは。違ったときにどうするんだという具体的な対処法がなかったりとか…そういうことなのかなって思います。

 

森山:すり合わせる機会が少ないというか、お互い一致してるよねというのがなかなか共有できてないかんじ?

 

久志氏:音楽で例えると、奥さんはジャズバンドがやりたい、僕はロックバンドがやりたいみたいな、じゃあ音楽性の方向性の違いで、バンド解散だねみたいな感じで解散しました。リスペクトはしてるけど、ジャズをひきたい人と、ロックをひきたい人とだと、方向性が違うから上手くいかなかった、みたいな感じですね。

人間関係において大切な、「わたしたち」という意識

森山:萌ちゃんのところはどんな感じですか?

 

村上氏:ミュージシャンで例えると、自分たちがどういう方向性をつくっていくかは微調整をしながら、曲をだしている感覚ですね。(出してないけど笑)。24歳で結婚して、お互い明確にこう在りたいというものが言語化されていたわけではなく、一緒につくっていったし、今も尚微調整を続けてる。びんちゃんみたいにこういう方向性だみたいなものが出たわけではなく、常に変え続けているのかも?

 

森山:理想の時間の過ごし方ってなんなんだろうね。理想の時間を考えたときに、そもそも、それを一緒に考えること、つくっていくことが大事だなと思うんだけど。片方が考えるとか、努力するとかではなく、一緒にその時間をつくろう、という当事者意識みたいなのが大事かなと思います。

 

村上氏:そうですよね…でもこれってふうふだけに言えることじゃなくって、子供のことでもいえるなーって。選ぶ場所とか行く時もそうですけど、子供のために、我慢すると終わるのを待ったりとか、あぁ疲れたという感想になるけど、視点を変えれば、本当に楽しいじゃんっていうのを、子育てを経験してみて思った。自分の立ってる視点なんだなと、どっちかのためにとか、あの人がこう言ってるからとかではなく、わたしたちというくくり方は本当に大切だなと思いました。人間関係においてめちゃくちゃ大切だと思います。

 

森山:ほんと大事…ちょっと関係ない話ですけど、娘が通っている保育園がとてもおもしろいんですよ。リズム運動があって、実は大人たちも一緒にやるんです。それがすごく重要で、当事者意識そのものなんだけど。子供大人が一緒にすることで子供も大人も学ぶとか、家族って一緒に何かをつくっていくってことそれだけで楽しくなる。そういうのがすごく大事だなって。

 

村上氏:いくらルールを決めていたとしても、「わたしたち」という視点がないと、常に出てくる言葉とか(のニュアンスから)全然違うところ目指してるんだなって、すれ違ってきちゃう。

 

森山:そこをすり合わせたいんだよね。

 

村上氏:そこのすり合わせに言語化はいるのかな?

 

自分に自覚的になることは、相手への愛でもある

久志氏:今日ランチに37,8歳女性経営者の方(友人)とお話してて、彼女が今年再婚と妊娠2人目をしたという話を聞いたんです。その中で、彼女が1回目と2回目の結婚で価値観が大分変わったという話をしてたんですね。彼女がやっていたこととして、1日どういうふうに思って、どういうふうに過ごしてそのときどうだったかみたいな、日記をつけ、海外にいるパートナーに送って共有してた。

そうすると一緒に暮らすとか、どういう思考で、どういうことがあって、というのがだいたい分かるから、(関係性を築く上で)そういうことを共有できたのがよかった。物理的な距離があったし、2回目だからこそ、(言わなくても)分かってくれるはず、知ってるとかではなく、0から説明しないとだめだよねと思ってそうしたのがすごくよかったみたいです。(何もせずとも)相手が分かってくれる、こうしてくれる、と思いがちだけど、そういうことって無い。言語化していくことが、もえちゃんが言っていた、ひとつのものをつくるということに繋がっていくことなのかなと思いました。

 

森山:それはやっぱり社会の動きなのかな。空気を読もうぜみたいな。昔は(あまり)話し合ってこなかったし、価値観をそこまで言語化しなきゃいけないの?、(言わずとも)お互いわかりあおうよ、みたいな空気があるのかな。

 

久志氏:空気を読んでくれるはずだというのは、家族だからふうふだからというものはないかなと思ってて…。言語化をして、やってほしいことを自覚して相手に伝えないから、日本のふうふのセックスレス率も世界でも高いじゃないですか。それは自分がどう触れられたら嬉しくて、どういうのは嫌で、どういうふうに過ごしたいのか言語化の欠如がきてるよねという話もしてたんです。

それはすごくわかって。男性はなんでもいいだろうと、もしかすると一般的に思われているかもしれないけど、そういうふうに触れられたくないとかあるんですよね。自分にも自覚的にするって、自分に対しての思いやりでもあるし、相手への愛とか思いやりでもあるし、ひとつのものをつくるという意味でも大事なきがしますよね。

言語化できるほどまとまっていなくても、気持ちを伝えてみる勇気

森山:大事。そこが議論したいと思っているけど、空気を読んでやってくださいね(という時代)から、そうじゃないですよね、となったときに、「言語化」というのは少し飛躍しているとこがある気がする。言語化って大事なんだなっていうのが論調としてあるけど。体験を一緒にしようとかできるかもしれないし?どうパートナーシップって進化していく必要があるのかな?

 

村上氏:言語化っていう言葉が硬くて、主張があって、自分の中でベストが分かってないと言語化しちゃいけないとみたいな思っちゃうかもしれないけど。多分、今日答えだと思っていることは明日は変わるかもしれないと思うのが人間関係だから、それでも良い(という前提の)中で、今どう感じたかということが、ふうふ関係の言語化でいいんじゃないかなというムードをつくれたら、だいぶ楽になるかもしれなくって。

 

森山:大事〜。

村上氏:私は森ちゃんが言ったみたいに、もともと察してほしかったから、基本的にそんなに(意見を)言うタイプじゃなかった。察することは美しいって思うから。だけど相手がアスリートだからなのか、ちょっと私がふてくされてると、すぐに集合かけられちゃって、ホイッスルが見えるくらい、「はい集合!」って。今なんでこうなっちゃったかを考えようかっていわれると、何がしてほしかったか分からなかったんだけど、こういうふうに思っただけだもんみたいな、自分の中でもう少しまとまったら言おうと思っていたことを、その場で言わされたりとかして(無理にじゃなくて)。

結局モヤモヤを溜め込んでも、明日もっとモヤモヤになるだけなので、その時、何が嬉しかったのか嫌だったのかみたいな、「なんでか分からないけど、こいういうことがちょっとだけ悲しかった」みたいなそれを言っていくだけで十分なのかなって思います。

 

森山:いいですね〜「集合!」ってまじおもしろいね。「はいっ!」て、(すぐに)いくのがまたいいよね。

昔、僕も咲と集合と同じようなことをしていて。喧嘩になると「出ていくー!」みたいな、女の子側としては止めてほしい、そのとき羽交い締め的になって暴れるなーみたいな。話すと解決するんですけど….ほんとに出ていくと大変なことになるじゃないですか。お互い求めていないのに、出ていったりすると大変なことになるから、話す勇気なのかもしれないね。

 

村上氏:確かに。咲ちゃんがそうなったときに、森ちゃんがちゃんと突っ込みながらも包容力で調整できてると思う。そこで相手が感情的になって、こうなってるから覚めるのを待とうじゃなくって、じゃあ今どうなったんだっけ?っていう、微調整っていうと逃げかもしれないけど、それでいいんじゃないかなって思いますね。

 

森山:ちゃんと伝えないと。どんどんすれ違っていきますよね。

 

村上氏:微調整が逃げみたいに思うかもしれないけど、言語化の別の言い方と思ってもいいかもしれない。

同じところを見ているからこそ、微調整をしながら、すり合わせていくって感じかな。

 

森山:良い視点。

 

久志氏:萌ちゃんのいうとおりだなって。

 

森山:言語化って堅いイメージあるよね。どうおもう?

 

村上氏:みんなnote書いたり、Twitterにかいてるものが言語化ってイメージになってて、便利な時代になっているからこそ、まとまってないから言えませんってなってる気がする。

「女の人に甘えたかった」という正直な気持ちに気付いた

久志氏:話かわるかもだけど、萌ちゃんにこの前打ち明けたことがあるんだけど、僕すごくこの1,2年で自覚的になったことがあって、自分は女の人に甘えたかったんだということに、この歳になって気づくということが起こったんですよ。今までは男だからリードしなきゃとか、頑張らなきゃとか、そういうおらおらな男性的なノリのタイプではなくて、中性的なところにいると思っているけど。そんな感じでも男性的っていうのが強くって、甘えられなかったんですよね。甘えたかったんですけど、どうしたらいいか分からなくって、めちゃくちゃ甘えたかったんだということに気づきまして。そこからは甘えん坊大将軍として生きていこうというくらい、女性とのコミュニケーションスタイルを変えるという意思決定をしたら、めちゃくちゃ楽になりました。生きるのが。

 

森山:そうだよね。

 

久志氏:自分が今までやってたことは全然違うんだって、びっくりして。

 

村上氏:でも、その過程があるから気付いたんじゃない?25歳では思えなかった?

 

久志氏:25歳では思えなかった。年上の奥さんだから自分が頑張っちゃう。よく分かんないみたいな。

 

村上氏:そこが、タイミングに合わせてどっちにもなれる関係であれるといいよね。この先も変わるかもしれないし。

 

久志氏:そうそう。だから家事をする、料理をする、仕事をするみたいなことはリードをするけど、だけど受け入れてもらいたい、甘えたい無条件に、そういうのがあるんだなって。堕落したいとか紐になりたいとかそういうのはないけど、誰にも見せられない弱さとか、そういうものを開示して受け入れてくれるという人を求めているんだなって。この1年の気づきですね。

 

森山:めちゃインスパイラルだね。理想の過ごし方とかアイディアとかになるとこういうのどうですか?とかあるけど、そもそも自分の奥に深く潜ったときに、何を求めているのかを考えて、それでリーチしたところが“甘えたかった”というのが幸せだなって。

 

久志氏:そう。こうしたい(自分が腕で相手を抱きしめている様子)んじゃなくって、(相手に)抱かれたかったということに気づくんですよ。写真も指向性とあってない(笑)それって自分の性的指向に気づくことくらい大きい気づきだった。

 

森山:すごいおもしろいなと思って。昔は、(どちらかといえば)受け入れる自分をずっとやってきた、それもよかった。でもこの前、咲が会社をやめるとなったときに、受け入れるっていうのをやり続けるのが嫌だなと思ったんだよね。それがあったからずっと格差があるみたいな。彼女は自由で、僕は受け入れるみたいな、これがそもそも不平等ってことに、変ということにお互い気づいた。自立はお互い大事で、僕(の中)にも求めていることがある。ということに気づいたんだよね。愛し、愛されたいみたいな。

 

久志氏:分かるよ。

村上氏:それを気づいてからこれからのパートナーと、こう(関係性を)築こうと思えたらいいけど。(同じ会社をやっているとかではなくて)仕事も何やっているかわからない状況で、お互いの役割を変えるって結構難しい人もいるかもしれないね。ここをどういうふうに伝えていって、「僕甘えたかった」とか、「私は本当は」…みたいな会話ができるんだろう。応援できたらいいけどね….年末年始とか。

そこがみんな悩んでる気がする。今更みたいな。日本の人とかって性癖に近いところとか、タブーとされている感じもあるじゃん。今更言えない、恥ずかしいみたいな。どういう状況だったら楽しくできるんだろうね。恥ずかしいと思わずに。。。

“小まめ”になんども、伝えること

久志氏:なんか、普段から意識していることがあって、なるべくなんでもオープンに話すようにしてるというか、これ話しちゃいけないかも、思い始めると、色んなことが話せなくなるじゃないですか。今のSNSとかも、どんどん言えないことが増えてきちゃって、そういうスパイラルに入っているんじゃないかなと思って。

パートナーシップ、友人、会社の中でもそうだと思うんですけど、なるべくそういう(言いづらいけど大切な)ことを言っていくチャレンジというか、毎日の小さい勇気、小さい一歩を踏み出すみたいなそういう感覚なんだよなって思いました。

 

村上氏:私、そういうの、“小まめアウトプット”って呼んでるんだけどさぁ。SNSとかもずっとやってると、あれも(発信)してないし、これも(発信)してないし、なんで今さらこれ(を発信するの?)ってなって、もういいやって発信しなくなっちゃうことがあるんだけど。感情も言葉も一緒で、こまめに、まとまってなくっても言うっていうことが大事だね。今こう思うみたいな。

 

久志氏:なんか会社とか、友人とか、パートナーシップでもそうだけど、よく何度いっても伝わってないことってあるじゃないですか。それって会社の中でも家族でも親子でもパートナーシップでもそうだと思うけど、何度も何度もちゃんと、あの手この手で伝えて、言い続けるって大事だなと思ってて。

何度か言ったのに伝わってないからといって諦めないし、理解してもらえなかったことを責めない。そういうの大事だなって最近めっちゃ思う。

 

森山:すごくそう思うね。なんか過度に期待しない、そもそも期待しない。セッション1でも出てたけれど、許すということが大事で。言ったことを相手が、完全に守れるかというと、そんなの難しい。許していくってことは大事なんだろうなって思う。

自然と話し合うような “言い訳” をつくれるか

森山:さっき思ったのは、ティップスになっちゃうかもだけど、「話そうよ!」みたいなコミュニケーションって難しいなって。そういうの億劫だなって。話すことを目的としないのって大事だよね。ごはんとか友人とのパーティーとか楽しむような、ちょっとしたきっかけの最後のところで、「そういえばさ、みたいな」なにげなく話すときのほうが結構受け取ってくれたりするなって思う。「話そうよ!言語化し合おうよ!」って真面目にやっていくタイプの方がいい人もいるけど、ニュアンスの中で、言語化できるっていうのはいいのかなと思う。

 

村上氏:確かに。二人でマンツーで何もないところで話すというより、二人で同じ乗り物にのるみたいな、何か外部の体験をして、「どうだった?」って話すほうが、こういう視点を持ってる人なんだって、すり合わせられるし、そのときにちょっと話すと、いいやすいかもしれないね。あなたってこうだよねーとか。すごくやりやすいかも。

 

森山:最近それを僕は言い訳、って言ってるんだけど。世の中に良い言い訳があるといいよね。これがあるから話せるよねっていう言い訳になる機会をつくっておくと、結局はなせるよねっていう。直球に話そうよ、ではなく機会を適切につくって話せるといいなーっておもうかな。

 

村上氏:ドリカムの決戦は金曜日の歌詞で、「あなたといるときの自分が一番好き」というのって、めっちゃ本質的だ、みたいな話をびんちゃんにしたんだけど。もちろん相手のことを思うこともすごく大事だけど。この人といるときの自分が心地いいなと思たら、それが結構正解だなと思ってて。

話し合わなきゃいけないとかじゃなくって、その人の前にいる自分が好きって思えることも、優しい人(相手を思いやる人)が多いからこそ、一周回って大事だなって、最近すごく思う。

相手を幸せにする、自分を幸せにしてもらうではなく、一緒に幸せをつくる

森山:そうだよね….さっきのところに戻っていくと、びんちゃんの話だけど、自分自身がどういうことを求めているのか、というのが本質にあると思うんだよね。お互いということもそうだけど、パートナーシップ、つまり「わたしたち」というものに、本当の意味で何を求めているんだろう、というものがない限り、理想の時間の過ごし方も何もない。そこに対して、そもそも主体的でない人も多いかもしれない。悪い意味で期待しないみたいな。そこをまず、しっかり考えていくというのが、自分自身でできる作業だなって思うな。

 

久志氏:僕もシングルなので、色んな活動(パートナーを探す活動)はあるわけですよ…で、必ずそういうことになる前に言うのは、「僕はあなたを幸せにすることはできない」ってことなんですけど….それはつまり、あなたの期待に答えることはできない。ということなんです。

もちろん一生懸命しますよ。仕事もするし、家事もするし、子育てもするし、やるんだけどでも、あなたが求めていることには、多分ほとんど答えられない。僕は僕でしかないから…。テクニック的にどこかにデートに連れて行くとか、記念日に喜ばせるみたいなことはできるけど、テクニックでいってしまうと、どんどん本当の自分から離れていってしまったり、苦しくなってしまったり、嘘が生まれてくる。それはやりたくないっていうことなんです。

でもこういうことを言うと、なかなか上手く伝わらないというか、理解されないことも多かったりして。そういうふうに言える、思えるスタンスで相手と向き合いたいということを、自分が自覚することで楽になったし、逆に上手くいったこともあります。

 

森山:めっちゃ、いい話だね。

 

村上氏:幸せにしてもらうって感覚じゃないよね。一緒に幸せをつくるがいいよね。

 

久志氏:そうそう、ほんとそう。でもやっぱり、「何してくれるの?」というような気持ちを潜在的に感じることはあるよね。

 

森山:なんか潜在的に感じるっていうところを補足すると、日本社会においてもパートナーシップって、相手に対して努力をしていくことって捉えがち。相手に対して、自分ができることをどう変えていく、みたいな。一見良さそうだけど、それと自分の幸せ度が結びついていると。相手に依存している話なんだなって。相手を幸せにしている自分に酔ってるとかね。

 

久志氏:なんか森ちゃんとか、結婚式の会社をやってる人にいうのもあれだけど、みんな結婚する時、一生愛し続けますって誓ってるじゃないですか。でも、破っている人もいる。ちょっと誇張して言うけど、それって嘘だと思ってるんです。形式が良いとかだめとか、嘘がいいとか悪いではなくって、どれだけ自分に正直で在れるか、向き合えるかというのが求められるようになってきていると思っいて。あなたのこと幸せにできないです、というのは、あなたのこと嫌いです、とか、一生懸命にやらないんです、とは違うんですよね。そういう新しい言葉の使い方、捉え方がすごく必要とされているなって思う。昔でいう、本音と建前というところに、みんなすごく苦しんでいる気がしますね。

 

森山:正直さね。

 

村上氏:でも、結婚したその時点で、この人だったら病めるときも健やかなるときも環境状況が変わってもこの人とだったら、その景色を見ていたいっていうのが、本当だったらそれでいいと思うんだけど。一生好きでいるというのを誓うのは、前提条件がクリアできてずっと一緒に成長できた場合って注釈いれたらいいんじゃないかなとは思う(笑)

 

久志氏:その、「かっこつき」が重要なんだと思う。それがお互いが一緒に作っていくことや、対話に繋がったりするから。

 

村上氏:約束したじゃん、じゃなくて、その時のあなたのスタンスだったから、こういう視点に一緒に立ちたかったよっていうだけで。セッション1で話してたけど、毎年結婚記念日が契約更新日でもいいくらい。毎年、今年の我々どうしますか、くらい話せてもいい。

パートナーシップの起点は自分自身

森山:まさに今もこういうことを考えてサービスをつくろうと思っている。重要だよね。「かっこつき」のことってたくさんあるよね。ぼくらも愛をテーマにしてる会社だから、愛についてよく話すのだけど。愛って技術であって、自分がどういう風に人を愛せるかということで、自分自身も愛せるか、ということなんだよね。自分出発で、自分という人格から始まっているもの。

なんだけれど、どうしても相手依存になってしまう。こういう話をきいても、結局「私のパートナーは」ってなってしまう。パートナーシップの起点がみんなずれている可能性がある。あまり自分自身が変化しても変わらないのではないかって諦めている可能性がある。そう言うところに勇気を持って小さな変化を始められるといいよね。

 

村上氏:確かに。お皿洗うのだって、口笛吹きながらやるか、黙々とがっしゃんがっしゃんってやるかで空気全然変わるから。自分の伝えることや、とる行動で、その後の2人の雰囲気、会話が変わる。今日できるっていうくらい身近っていうのは、もっとみんなが自分ごとにできると全然違うかもしれない。

 

森山:びんちゃんのストレートな意見が楽しい(笑)

 

久志氏:いやぁ、相当言語化してきたんです。自分に向き合った。

 

森山:萌ちゃんはもう付き合い長い10年くらいだけど、側から見ててもいいふうふ関係をおくっているよね。

 

村上氏:夫がアスリートっていうのが大きくて。必ず環境が変わる人っていうのが当たり前。来年私たちがどこにいるのかもわからないから、チーム感が出たのがよかった。こういった(約束した)じゃんというのがない。夫が怪我したら、仕事が明日終わっちゃう世界だったから。夫の移籍の話も、私たちの生活という同じ状況に立たされた24歳だった。変化が当たり前ということはよかったかもしれない。

しなければならないこと、よりも、“したいこと”

森山:やっぱりパートナーは、それぞれによって全然違うと思うから一括りにはできないね。改めて、最初の、「お互いの理想の時間を過ごすために何がまず大切なのか」という問いに向き合うとしたら、2人はどう?

 

村上氏:中学生の恋愛みたいだけど、行きたい旅先とか行きたいレストランを思って相手の顔が浮かんで、来月一緒にやりたいことがあるかどうかが、私は大切だとおもう。季節の棚卸し的なことはすごくしてて。そこに、最近これがすきだからこれしようか?って話になって。そうすると思考もシェアできて2人の行動になるから。そういうのは理想。

 

森山:変な質問だけど(笑)、行きたい場所とかが無かったらどうする?

村上氏:それが無かったらなんで一緒にいるのかなって若干思うけど。だからこそ、そこが大事!Wantというか、行きたい、食べたい、したい、「〜たい」で終わるって感情だから、義務でもないし湧き出てくるもので、そこにパートナーの姿が思い浮かばないのだったら、ちょっと考えることはあるかもしれないかなぁと思う。

 

森山:確かにね。まずは自分を掘ってみてもいいかもしれないね、to do(やるべきこと)よりもウィッシュリストを大切にしているのはそういうところかもね。びんちゃんどうですか。お互いの理想な時間を過ごすために大切なことってなんですか?って。

 

久志氏:そうですね…なんかすごく変な話として聞こえるかもしれないですけど…。僕セックスって大事だと思います。結構本気で。三大欲求じゃないですか。ごはんを一緒にたべるみたいな、夜一緒に寝てて心地良いかとか、肌を触れ合ってて本当に気がまわるのかとか、そういうことがすごく重要で、三大欲求を適切に満たしてあげないと、なんかその欲望って暴走すると思うんですよね。違うところで。だから、自分が持っているその根本的な欲求を、相手と一緒に、上手く違うかたちにというか昇華できるみたいなことが、すごく重要なのかなってやっぱり思いますね。

それが初めてできて、お金、老後のことや、次の週末の予定とかを考えられるようになるのかなって思いますよね。

 

森山:たしかに…さっきのウィッシュリストもそうだけど、自分の欲求みたいな、自分のwantみたいな、どういうことをしたいのかっていうのを起点にするとかが重要なのかもね。

 

久志氏:今いったような話を、日本では家庭とかパートナーで満たさないみたいな話あるじゃないですか。スナックがめちゃくちゃあって、男性は母性を求めにいくんですよね。だからスナックのママのことを、「ママ」っていうんですよね。甘えたりとか、愚痴を聞いてもらったり、母性を家庭の外で求めたり。全く違う性サービスとかあって。それが良い悪いわけではなく、それをパートナーとどこまで満たすのか、それを外で満たすのか、それを隠れごととか秘めごとにして楽しむのか?みたいな。結構色んなパターンがあるから、そういうことにすら自覚的することなのかなと思って。

 

村上氏:びんちゃんと私が、全巻読んだ漫画で「1122(いいふうふ)」というのが、本当にその議題なんですよね。仲良しふうふなんだけど、性生活がなくって、旦那さんはしたいけど、奥さんそういう感じではなく。外でしてきてお互い公認不倫する話で、それで上手くいくとおもったら、やっぱりかけ違えてしまって。そこを秘め事にせずオープンにしたけど、やっぱり上手くいかなくって、そもそもなんで一緒にいるんだっけ?みたいになって離れちゃったり…。

非現実的な設定に見えて、めちゃくちゃリアルだなと。結局その漫画も答えはでないんですよね。ただお互いがそういう欲求があったってことを言語化しきれないんだけど、結局一緒にいたいよねとかで落ち着いたりするものもあったり。自覚するということは色んな意味で大切かもしれないなって。

 

森山:セッション1でもあったんだけど、やっぱりそういうお互いの欲求を知るための、プロセスが大変だったり、ぶつかり合いがあったりして、子育ても含めると色んなことだけど。それを大変だと捉えるか、お互いの人生の冒険の中で、自分をより良く知れたりする体験だと捉えると、答えが有る無いではなく、そのプロセスそのものがすごく重要だよねって話をしてたんだよね。

パートナーシップは、一時的な理想やフェイクではなくて、ずっと更新していくリアルだ

久志氏:本当そうなんですよね…。あんまり良い言い方じゃないかもしれないですけど、よくアダルトビデオのことが問題になるじゃないですか。あれはフェイクでリアルじゃ無いとか。でも、恋愛とか結婚するみたいなもも、世の中でドラマ化や映画されていて、アダルトビデオに近いものあるなと思って。過剰な演出、ヒロイズム、ヒロイン的ななんたらみたいな…。結構リアルではないじゃないですか?

本当に愛し合っているセックスとAVが違うように、リアルな恋とか物語的なものって違うと思ってて。世の中的に言われているシンデレラストーリーとか、全然違ってすごくリアルなものと、もっと対峙しなくちゃいけなくって。ふうふ関係や恋愛やセックスや、あらゆるものがフェイクで、物語すぎるよね….。それに違うことに失望したり、自分は主人公じゃないと思ってしまったり、シンデレラみたいに扱ってほしいみたいな、そういうことじゃないよなって、僕はすごく感じますね。

 

森山:超共感しますね。こういう場で色々話したりすると、直近乗り越えなきゃいけないことがあって、リアルな現場(関係)ってすごいじゃんね。咲ちゃんから会社やめるって言われたとき、その場には子供がいて話ができなくって、銭湯にいって、娘が寝てて、そういう時間が訪れたわけですよ。そういうのも含めて、苛ついたり、そういうリアルな場ってみんなあるよねっていう…。

 

久志氏:そっちが本当じゃん。それがハッピーエンドにならなかったり、傷ついたり、色んなことがあるから、自分ができてないとか、自分が幸せじゃないとか…そんなこと思う必要ないと思う。

 

森山:ほんとそうです。なんか、ちょっとデジャブなんですけど、小さいころ「はい、カットです!」って山登って、とか何を到着した後に、そういう瞬間って有るじゃ無いですか。山頂についたら山降りなきゃいけないし、ホームパーティーも終わったらに地味に片付けてるじゃん。その後のリアルって、必ず有るよね。

 

村上氏:ディズニーも最後、明日何するんだっけ、とか子供の時から思ってた。続きは結局リアルだし、終わらないから120分でまとめなきゃいけないから、カットするけど、その時点でピークはあるけど、続いていくというのが、前提だからな。正解を求めないというのが気楽なのかもな。

 

久志氏:仲がいいから、こうやってフラットにオープンに話してると思うけど、邪な気持ちとか噂とかワイドショー的なネタとしてではなく、こういう話を真剣にできる人間関係って本当に大事だなって思っていて。そういうことができる友人って、僕もそんなにいないんですよ。限られてはいるけど、そういう人がいるっていうのはすごくありがたいなって思いますよね。

 

森山:そうですね。今日は楽しかったなぁ。最後、自身の年末年始の過ごし方とか、こういうのどうでしょうか?みたいなアイディアでもいいし感想でもいいし、一言もらいたいと思います。

 

村上氏:年末とか、もともと相手の予定似合わせるとか、今までこうしてたとか、相手の実家に行かなきゃいけないとか、相手のとか思っていた方も多いと思うんですね。でも、一旦こんな年だからこそ、そもそも私たちってどう過ごしたいんだっけってというのを、考えるチャンスもあると思うんですね。この年末年始、色んな場所に行ったり、映画行ったり、ごはん食べたり、日常のことでいいんだけど、相手を喜ばせるためだけとかじゃなくって、自分たちにとってどう豊かにできるかという視点に変えるっていうのがいいんじゃないかなと。意外と同じことしてても見える景色が変わるんじゃないかなって、そんなことを思ったりします。

 

久志氏:自分の機嫌は自分でつくるっていうのことは、素敵な大人としてのすごく重要な要素だと思うんですよね。そういうことと、甘えたいみたいな、自分ではどうしようもできないことのバランスだと思っていて。そのふたつに自覚的であればどんな時でも、それは年末じゃなくっても、夏休みじゃなくても、忙しい平日でも、パートナーといい一日を過ごせるんじゃないかなと思うので。今は大変な世の中ですから、毎日機嫌よく過ごしたいなと思いますし、僕も来年は再婚に向けて婚活したいなって最近思います。どういうパートナーを求めているか言語化できたので、そんなことを思ってます。

 

森山:ありがとうございました。ということでセッション2、年末の過ごし方とか理想な過ごし方とかあるんですけど、今日はそもそも論の話をしたと思いますし、日々の小さな勇気、正直さ、自分のことを考えていくことについても触れられた1時間になったんじゃないかなと思います。本当に楽しかったし、学びになったなぁ。僕自身の年末年始の過ごし方も変化がありそうです。ありがとうございました!

 

最後に記念撮影で終えていきたいと思います!


(後記)

Session2 ご覧いただきありがとうございました。日頃から仲のいい3人による、赤裸々トークはいかがでしたでしょうか。個人的に、このセッションは、最後の小見出しに書いたように「パートナーシップのリアル」をどう捉えていくのか、考えさせられるものでした。久志さんが「性愛」におけるすり合わせの重要性を語ってくださっているように、これまでオープンに話すことが憚られてきたテーマこそ、実は人の根源的な欲求や、本質に近く、まさにリアルなんだと。ただ、それを「オープンに話そうよ!」と意気込むだけではなく、ふと、話してしまうような“言い訳”になる機会を増やしていくことが、大切なのではないかとも思います。村上さんのおっしゃっていた「来月の予定を考えてみる」というような、些細な誰でもできることでも良いと思うと、機会を設ける勇気が湧きますね。深い話から、日常生活にも使いやすいティップスまで、内容盛りだくさんのセッションでした。ご自身なりに受け止めていただけたら幸いです。


セッション終了後は5分ほど自由に会話を楽しまれています。アフタートークを覗きみしたい方は、ぜひアーカイブ動画でお楽しみください。 

▼アーカイブ動画(全編)はこちらからご覧になれます

 

▼他のセッションはこちらから

Session 1 はこちらから
Session 3 はこちらから


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