2020.12.28

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【書き起こし①】GOOD PARTNER CONFERENCE 2020 Session 1

2020年12月22日に開催した、パートナーとより良い関係性を築くためのきっかけや、アイディアを届けるイベントGOOD PARTNER CONFERENCE。3つのセッションを用意して、様々な角度からパートナーシップについて語り合いました。本記事はそのSession 1 の内容をお届けするものです。なるべくイベントでの温度感を感じていただくため、実際の会話をほとんどそのままの形で載せています。文量が多くなっておりますが、年末年始の時間を使ってゆっくりお読みいただければと思います。

Session 2 はこちらから
Session 3 はこちらから


–Session1  (18:00-19:00)
テーマ:ここでしか聞けない!今だから話せる3ふうふの本音トーク

登壇者:
株式会社Morning Labo 代表取締役 中村 朝紗子 様
株式会社Morning Labo 取締役 / 朝渋代表  井上 皓史 様
株式会社ウゴク代表取締役 木村 憲仁 様
SHE株式会社代表取締役  福田 恵里 様
株式会社CRAZY 代表取締役社長 森山 和彦
CRAZY WEDDING創業者 /株式会社SANU 取締役  山川 咲


森山 和彦(以下、森山):テーマは「ここでしか聞けない!今だから話せる3ふうふの本音トーク」ということで、やっていきたいと思っているんですけど、1年前も3ふうふでやりましたね!

「本音で」というところが今回のポイントだったりするので、今回も遠隔ですが、つっこみ合いながらやっていきたいと思います。はじめは自己紹介から初めていきたいと思います!

では、えり(福田)さん、のり(木村)さんのところからお願いします!

 

福田 恵里(以下、福田)氏:はーい!株式会社SHEの代表取締役CEOの福田 恵里と申します。SHEはですね、ミレニアム女性向けのキャリア支援を行なっているスタートアップで、「SHElikes(シーライクス)」というパソコン一台でWebデザインやWebマーケティングなど、どこでも働けるようなスキルを身につける事業を行なっています。今日はよろしくお願いします!

 

木村 憲仁(以下、木村)氏:株式会社ウゴク代表取締役をやってます木村 憲仁です!「mento」というパーソナルコーチングサービスを運営していて、キャリアとか今のお仕事、人間関係など、人間のあるあるなお悩み事をプロのコーチと一緒に前向きに解決していくサービスをやってます!今日はよろしくお願いします!

 

森山:よろしくお願いします!二人ともベンチャー企業を経営し、しかもお子様がいるというかなり珍しいふうふだと思うので、いろんなお話伺えたらと思います。よろしくお願いします!

次は、モーニングラボの5時こーじ(井上)くん、あさこ(中村)さん。お二人お願いします!

 

井上 皓史(以下、井上)氏:みなさんおはようございまーす!!!!

  

山川咲(以下、山川)氏:もう、おはようじゃない(笑)

 

井上氏:5時こーじでーす!株式会社Morning Labo 取締役 をやっております!

朝渋」という事業の代表もやっておりまして、 公私混同経営ということで株式会社Morning Laboの代表は中村がやっていて、その会社に「朝渋」という事業と僕がジョインしたという少し特殊な形でふうふ経営をしています。普段ですね、朝7時からイベントをすることが多いので、この時間はもはや深夜モードなので、色々発言を気をつけたいと思います(笑)

次はあさこさん!

 

中村 朝紗子(以下、中村氏):はい!私は、株式会社Morning Laboの代表取締役の中村 朝紗子です。私はですね、先ほどの「朝渋」という事業の他にMorning Laboの中で、女性向けのときめくコンテンツ作りを専門でやってます!個人的なところでいうと、この夏に出産をして生後4ヶ月の娘がいます。公私混同経営の中に赤ちゃんが加わるという、究極カオス状態の中で日々過ごしているので、今日はそのあたりのお話ができたらと思います!

 

森山:ふうふ二人で経営をしているということですが、我々ふうふ(森山と山川)は、元々経営をしていたという話を、以前の登壇でしていましたね。今は咲ちゃんが卒業して一緒には経営をしていないという。笑

 

井上氏:いやいや、ほんとにそこがドキドキですよ(笑)

 

福田氏:今回はそこを聞きたい!(笑)

 

森山:そんな話もしていきたいですね!

それでは、咲の自己紹介もお願いします。

 

山川氏:私はですね、森ちゃんと一緒に株式会社CRAZY、そしてCRAZY WEDDINGを8年前に立ち上げて、8年が終わった3月末に独立をすることを決めました。

そこからの出来事を簡単にお話すると、奄美大島に2ヶ月半娘と一緒に暮らして、離婚を心配されていましたが、離婚せず(笑)。今年12月にホテル・レジデンスブランドの、株式会社SANUに非常勤取締役として就任して、またこれからいくつかプロジェクトを進めながら、自分自身がこれから起業したりするかもしれないし、どんな風にやっていくかを数年の中で考えていきたいと思います。

今森ちゃんが空前の大ブーム中で、森ちゃん大好きモードでーす!

 

森山:熱々ですみません(笑)

 

山川氏:ただ、今は森ちゃんは東京で、娘ちゃんと私は野沢温泉でスキー合宿中で、12月24日から一緒に過ごす予定です!

 

森山:ということで、離婚がなかったということと、ワンオペが多い旦那の森山ですけども、一人取り残されてCRAZYの経営をしております。(笑)今日は楽しくやっていきたいと思います!

子供が生まれて、1対1の線だった関係が三角形に変わる

森山:それでは本題に移っていきたいと思いますが、冒頭にもお伝えした通り、今回コロナの感染が拡大して、「パートナーと時間を過ごすことが多くなった」あるいは、ある方の表現を用いると「取らざるを得なくなった」という環境の変化によって、ふうふの関係も変わってきていると思うんですね。

パートナーシップという言葉も広がってきていると思うんです。最近タイムラインをみると同性婚に対する声が出てきたり、そうやってパートナーシップに対していろんな声が出てきたり、自然になってきていると思うんですよ

多様化もしているように見えるんですが、ただ身近に自分たちのことをみてみると、硬直化したり難しくなっていることもある。ふうふ関係ってなかなか簡単ではないと気づいた人も多かったと思うんですね。

 

このセッションでは、3つのふうふに焦点を当てて、どんなパートナーシップに変化があったのかを赤裸々に語ったり、私もこんなことあったなぁ、こんなことができたかな、という話ができたらいいなと思います。

ここからつっこんでいきたいと思いますが、みなさんはこの一年で更新されたこと、難しかったことありますか?

 

中村氏:子供が生まれたというのが一番大きくて、一番違うなと思ったことが、今までのふうふ関係って、1対1の線だったけど、子供が生まれると、それが三角形の家族関係の形になって。パートナーシップの更新というか、もう一回ゼロベースから再構築しているような感じです。

 

森山:一番ぶつかったことってどんなことでしたか?

 

中村氏:産後のホルモンバランスの変化で。もう私が鬼と化して。(笑)

 

井上氏:家に鬼がいるってしんどくないですか。(笑)

 

森山:心中お察しします(笑)

 

中村氏:今までは、一人間として、仕事は思いっきり頑張る、でもプライベートも充実させることを両立してたんです。前回の登壇でもお話したと思うんですけど、以前はフォーメーション力(ふうふで強みを生かしあった協力体制を作っていくこと)を言ってたと思うんですけど今は、もうフォーメーション力どころではなく…!!笑

赤ちゃんという、これまでとは全く違う別軸の時計が生まれて、そこを優先してフォーメーションを組むのがすごく難しくて…。

 

山川氏:ほんとによくわかる。三角形って成り立っているかわからなくて。二人の時間はなくて、子供と父・母みたいな。子供と私の時間は濃いけど、私と森ちゃんの時間の優先順位はすごく低い、とかもおきますよね。

 

中村氏:さらにコロナによって、家にずっといないといけないし、それが子育てにとってよかった面もあるけど、いろんな変数が社会でも家庭でもできたし、パートナーシップの大試練がやってきたって感じ。

 

井上氏:もう毎日毎日言ってることが違うんですよね。産後、ホルモンが変化しすぎちゃって。2週間くらい僕が子育てにコミットしてたら、「5時こーじ大変だよね。1日休みなよ」と言ってくれたから、友人とゴルフ行くわって言ったら、「こんな状態でなんでゴルフいくの?!」って後から言われて・・・笑。そんな毎日の繰り返しでした。

自分がご機嫌に子育てと仕事の両立をするために、手放し、許すことにした

森山:のりさんたちは、そんなことありました?

 

木村氏:そこまで劇的に鬼だなとはなかったけど、、、子供が生まれてみて思ったのは、元々ふうふの関係としては、僕がかっちり、彼女がゆるいキャラクターでやらしてもらってたんですけど、子供のことになると、細かいことを相手に言われるんですよね。

軟膏はこれくらい塗れとか、寝てる時の頭の角度とか、めちゃくちゃ細かいことを言われるんです。あれ、そのキャラこっちなんですけどみたいな。

ぼけと突っ込みが急に逆転するとか。そんなちょっとした変化を、おお、、そんな感じかとなりながら、受け入れながら、受け流しながらやっていたという感じですね。もう戻ったけどね。

 

福田氏:そうですね。最初は私も気合い入れなきゃと思って、いろんな育児記事とかを読んだりして「べき論」でやってたんですけど、途中から別にいっかと肩の荷が降りる瞬間があって、いろいろ手放す瞬間があって。

このまま自分がご機嫌に、子育てと仕事両立できないなと思って自分を許していくようになった気がします。

 

森山:それってすごい重要だと思いつつも、どうやってそれに気づけるようになるのかなと思って。

 

福田氏:めちゃくちゃ相手が子育てに参加してくれるんですよ。なんなら、“のり”のほうがママしているくらい。離乳食のあげる時間とか、順番も最近うるさくて。(笑)でも、やってくれてるなといつも思うから、ある一定、譲歩できるというか。

お互いのできていないことを指摘し合っていると、ずっといがみ合いみたいになるというか。お互いのやっていることを認め合う関係ができているから、許せてるなと思う。

 

森山:話し合いをするまでもなくって感じなんですかね?

 

木村氏:大きな話し合いを設けた記憶はなくって…。一番大きかったのは、産休期間があって仕事に戻るタイミングで里帰りから帰ってきた時は、負荷かかっていたのを覚えています。

結構カリカリしてたなと思うんですけど、でもなんか子供を育ててる中、カリカリしてる場合じゃないし。奥さんが命をかけて産むという借りがある気持ちで(笑)一生返せないなという気持ちもあって。多少のことは気にならないなとなりました。

 

中村氏:のりさんが言ったこと分かるなと思って。経営者同士とか、経営者マインドがある二人が一緒に生活しているというのは、3ふうふともあると思うんですけど、お互いに替わることができないこと、子を産むとか、授乳をするとか、そういう役割もあるじゃないですか。

こーじが授乳できたら・・・と何度も思った。(笑)

 

井上氏:出るけどね(笑)

 

中村氏:出るなら早く言ってよ。(笑)

お互い、替わることができない役割を固定化した上で、フォーメーション組み直したりしましたね。あと、5時こーじが早起きなので、二人で共倒れしないように、夜中は私が死守しようとか難しかったよね。

「森ちゃんとふうふ経営をしていたことは、人生で一番楽しかった」

福田氏:お二人(森山・山川)はお子様が生まれてパートナーシップの形は変わったんですか?

 

山川氏:変わったと思う。元々、私が森ちゃんに甘えるキャラだったけど、子供が生まれて森ちゃんに甘えるという行為が一切なくなったと思う。子供は甘えられてるけど、私は甘える暇もないし。それが独立することにも大きく影響したかなと。

 

井上氏:本音トークということで、いかせていただきますけど、独立には何があったんですか!?

 

山川氏:前回、登壇した時もゴタゴタモードだったでしょ。咲ちゃんどうするのって、心配されてた感じだったんだけど。なんかね、子育てもあって関係性もずっと一緒じゃなくて。もう結婚してから10年以上たつけど、その中で、自分が信じるものを信じることができなくなっちゃって。

子育てで森ちゃんに甘えられないこともそうだし、限られた時間の中でやらなきゃならないことがあったり、守るべきものも増えたし、シャインがすごく増えちゃったから、自分が何かをやりたいというより、メンバーをどうにかしてあげたいとか、そういう、会社を守りたいというモードになっちゃった。

 

多分、私自身がやりたいことに力を注いだりしたほうがうまくいくんだけど、守るエネルギーになって、いろんなものに批判的になっちゃって。このままじゃ、うまくいかないなと思ったんですよね。で、多分卒業しないでうまくいく方法もあったけど、ある一定を超えると、一度清算した方がうまくいくこともあるなと思って。

もしかしたら私は会社経営に向いていなかったかもしれない。わかんないんだけど、3月までの私にとっては、独立するというのが、自分自身を一番良い状態にさせてあげられると思って、森ちゃんや役員に話して決めたって感じですかね。

 

井上氏:森山さんは何か変化はありますか?

 

森山:普通に公私混同経営とこーじ君も言っていたけど、そういうことをする中でメリットももちろんあったし、経営とふうふの生活はリンクしていたんで。

 

山川氏:本当に楽しかった!!27歳で起業して、森ちゃんとふうふ経営をしていたことは、人生で一番楽しかったと思えるくらい。本当に楽しかったです。

 

森山:僕も、ものすごくに楽しかったです。

 

山川氏:もう泣いちゃう。

 

森山:本当に楽しかったなと思う。でも僕もやめよう言われた時は少し取り乱しちゃったんですよね。あまり怒らないタイプですけど、おい、お前が作った会社じゃないかと、ちょっと思たりもして。

でも、よくよく考えた時に、人生何が起こるかわからないと常に思っているし、一生一緒に続けるってことってない。ふうふもそうですよね。

何が重要なのか考えた時に、今楽しむことや幸せであることが重要だと思うんですよね。彼女にとってはそれが今、その選択肢として一緒にいることは幸せではない。逆を返すと別れて経営をしたほうが楽しみができるなと思って。会社ではなく、森山家として、咲が別の仕事をしたほうが楽しそうだなと思ったんですよ。レバレッジもきかせられるなと思って。じゃあどうぞって言えたんですよね。

 

中村氏:1年前も同じようなこと話していましたよね!関係性の更新って一緒にいることが正解なのかって話していたと思うんですけど。

結婚って本当は更新性にしてもいいなと前から思ってたんです。こーじに言うと泣いちゃうんですけど今回本音トークだとすると、言おうと思って。笑

いろんな変数もあるし、それこそコロナがあるなんて誰も思っていなかったし。二人にとって、会社にとっていろんなステージが変わって行った時に、一緒に居続けられるフォーメーションチェンジとか、話し合いをしていくこともある。でも、更新していくことが最終目的ではなく、最高の人生を歩む上で、お互いの理想に向けてどこまで対話できるかかなと思う。

もちろん今は、それがベストだと思って、対話とか工夫とかしてるんですけど、それが目的ではないよね、という話を去年のカンファレンスでしたなと思い出しました。

パートナーシップは近づくだけじゃなく、適切な距離感をとること

森山:それに付随して言うと、最近考えることがあって。これから先の人生を考えた時に、自分が60、70、80歳になった時に連れ添っている人がいるかって考えたんですよ。

今風の考えなのかなと思っているんですけど、昔は旦那が働いて、奥さんは家事をする生活が当たり前だったから、別れるという概念がなかったと思うんですね。家が一個なので。財産も一緒だし。

でも今の状況だと選択可能だし、ふうふが別々に働いていることが当たり前になってきている。将来を考えた時に、どういうパートナーとしてお互いいるのかなと考えたりするだろうなと思って。パートナーシップの将来像って変わってきていると思う。

 

中村氏:うちの家族の話で恐縮なんですけど、私の父・母は子育てが終わった瞬間に、家族全国展開しようと言って解散という感じで、今父は宮古島に移住して、母は東京で仕事をしているんですよ。

子育てが終わるまでは家族一緒に暮らしてましたけど、子育てが終わったら独立採算性を取りましょうということで離婚はせずにそれぞれの場所で好きに過ごしていたりして。そういうのもみているので、いろんな形があっていいなと思う。こーじは寂しがりなので、こういう話をすると泣いちゃうんですけど(笑)

 

木村氏:泣いてくださいよ。笑

 

井上氏:のりさんも話してくださいよ!

 

木村氏:いい話してんなと思って、めちゃくちゃ聞いてました。笑

 

森山:かなり先進的なご両親ですね。自由だな。

今がすごい楽しいとか幸せとか大事だけど、これから長く生きていく上でこの人と歳をとった時もいろんな話ができるのかなと思って。あまり考えたことがなかったんですけど。考えた時に、咲といろんなことを話したり、共有したりするのは楽しそうだなと思って。 

 

中村氏:独立って、めちゃでかい決断だと思って。咲さんは怖くなかったですか?

 

山川氏:怖いし、悲しい。CRAZYを自分の化身、自分そのものだと思ってつくってきたからね。苦しかった。ほんと最後はCRAZYのためとか、ではなく自分が何より大事だなと思った。私がいい状態でいることを、本当にメンバーや森ちゃんが願ってくれていたんですよね。自分だけが働いていることにこだわっていたんだと思って勇気を出して、自分の道をちゃんと進もうと思えたんです。

結局、離婚か独立かみたいな。この状態は未来が見えないし、破綻しているなと思っていたから。今の森ちゃんの話を聞いてたら、60歳でも森ちゃんと一緒にいたいなと思いました♡

 

森山:嬉しいな〜!

 

木村氏:昨年の森さん、咲さんの関係性を鮮明に覚えていて。なんとも触れずらい感じがしてましたよね。笑

 

福田氏:なんか絶賛喧嘩中で、行けるかわからんみたいな。森さんにめっちゃ咲さんが怒っててみたいな感じでしたよね。(笑)

 

山川氏:あの時恨みがあったよね(笑)

 

福田氏:だから1年でこんなに関係性が変化するんだと思って・・!!なんか手放すことでこれだけよくなるっていうのもすごいなと思って。普通ってパートナーシップをより強固なものにするために、我慢しながらも距離を近づけると思うんですよ。でもお二人はスパっと離れて、お互いのやりたいことや幸せの総和を大きくしようよみたいな関係性の更新を行なったことで、もっといきいきできているのがすごいなと思って。

 

山川氏:なんか、いい会!(笑)

 

森山:パートナーシップにおいて、まさに近づくこととか思われがちだけど、適切な距離をとるというのはことを大事で。僕もつい忘れてしまうことがあるんですけど。適切な距離が大事と、ある本には書かれていて。

適切な距離感が、例えば付き合いたては近いかもしれないし、子育てすると少し離れるかもしれないし。そうやって距離感を調整することが大事だとなんですよね。

 

山川氏:なんか私はこうあるべきというのが本当に強い人間だから、ふうふ経営してるしとか、自由な感じに見えるかもしれないけど、こうみえて家では森ちゃんがこのスケジュールだから、ご飯このタイミングに変えてこうしようとか、尽くしすぎて疲れてしまう時もあるのよね。

会社をやっていて、子育てしていて、だからふうふ関係はこういう感じにしたいと強く思っていることに疲れてしまったのかなと思って。独立して、奄美大島から帰ってきた時に、森ちゃんに「咲ちゃんは本当に楽しそうにしていることが、僕にとっての幸せなんだよ」って改めて言われた。

あー私が幸せにしていたら森ちゃんも幸せなのかと確信しできて、楽になりました。(笑)

 

森山:視聴者の皆さんにお伝えしておくと、僕はそういうことを発信したことが数百回あります(笑)あさちゃんも咲のように感じ取ってしまうこととかないですか?

家族を全体でとらえ、与えられた役割と強みの掛け算で、幸せの総和を高めるという考え方

中村氏:私は元々、言葉で伝えるタイプで、話す言葉が強いんですよ。産後は対話の時間が取りづらくなって時間ができたら会社のことや寝ることに集中していた。対話の時間をとることが難しかったんですよね。

だから経営会議って週1回、二人で無理やり話す時間を仕組みとして作って、自分の思っていることを伝えようとしていたんですね。そこで気づいたのが、対話においての表現が私は話すのが得意なんですけど、5時こーじは書く言葉を通して本音が出たりするってことです。

経営会議の本音の準備の仕方、表現の仕方を、こーじは書き言葉、私は話し言葉で持ってくるようにしています。会社の中でも、書いてくることと、言ってくることが全然違う人もいるんですよ。そこに気づいて、対話の仕方を工夫するようになってます。

 

井上氏:僕、共感性が強すぎて、あさこが話している時の顔色とか、話の内容よりも声色とか声質とか態度でコミュニケーションをとっちゃう癖があるんです。だからそういう態度だとなんも言えないとか、楽しい感じだとなんでも言えるみたいに合わせすぎちゃうところがあるので、一旦思っていることをドキュメントでまとめて、一旦読んでもらって理解してもらってから、話すようにしてます。

じゃないと一方的なコミュニケーションになるとようやく掴めてきて。

 

中村氏:関西の血なのかな。わーって言っちゃうんだよね。

 

井上氏:僕らだと、そのやり方がいいと思っている。実は、プロポーズもドキュメントでまとめて公私混同経営はどうかと提案するくらい、話すのに慣れていないことに気づいた。

 

森山:コミュニケーションのやり方って人それぞれ違うじゃないですか。のりさんたちって、ふうふのコーチングを提供しているじゃないですか。そういうことに詳しいわけですよね。ティップス的なものってあるんですか?

 

木村氏:ふうふ関係においてはコーチングをしない。というのがベストなソリューションだと思います。コーチングってコーチが意思を持たず100%クライアントに寄りそうから成立するんですよね。それこそ、試みたりしたんですけどうざいと言われたりして。(笑)

だからちゃんと、当事者としてお互いが本音をテーブルに出すみたいな。だから誘導したりとか、腹の探り合いをするんじゃなくて、俺はこう思っている、えりはこう思っていると出し合ってそこからどうしようかと考えるみたいな話し方のスタイルになっているよね。

 

福田氏:そうだね。あとなんか子供が生まれた時に二人で話したことでいうと、我々、株式会社木村家を設立した感覚だよねと話したりもして。私たちやっぱり経営者だからなぞらえて考えちゃうんですけど。最初は共同創業者で二人で立ち上げた会社に、子供が生まれて社員が入ってきた感覚で。今3人の会社になったみたいな中で、それぞれが役割を持っていると思っていて。それぞれ強みや弱みを持っていて、与えられた役割と強みの掛け算で家族の幸せの総和を最大化するプロジェクト、ミッションみたいな形で子育てやパートナーシップに取り組めているなと思って。

そういう形でちょっと置き換えたりとかできたりすると、楽しみながら家族の子育てとか更新ができるなと思ってますね。

 

中村氏:どうやってご機嫌を保つかとかふうふ会議の仕方とか、普通の会社だったらできることが、ふうふの関係において、察してくれよとか分かってくれよが発動してしまう時もありますよね。笑

 

福田氏:だからなんか、役割とかも普通は話さないから、なぁなぁになっちゃうけど、会社だと肩書きとか役割が決まっているじゃないですか。だから家族の中で話して、ある程度どういう役割の人なのかを明確にしておけるとストレスなくできると思った。

 

森山:今の話からグッときたキーワードがあって。「当事者としてそこにいる」というのが大事だと思って。あと、おもしろいと思ったのが「幸せの総和」ですね。

家族の幸せの総和を大きくしようって思っているようで思っていないなと。株式会社だったら利益の最大化をしようとか、顧客の満足の最大化をしようと向くじゃないですか。家族の幸せの総和を高めることを考えたりすることってなかなかない。いい言葉と思って。

 

福田氏:咲さんが違う場所にいくことが咲さんにとっても楽しいし、森さんにとっても楽しいと思えたから背中を押せたとおっしゃっていたじゃないですか。それも総和の高めるための意思決定だったと思うんですよね。

 

森山:自分が我慢するとかじゃないんですよね。最終、家族全体で見た時に、そういう総和が大きくなるようにという判断だったんでしょうね。

 

木村氏:とはいえ、どちらかがこうして欲しいという要望が強かったりとか、片方が不満を持ってないみたいなアンバランスなことってよくあるんじゃないなかなと思って。且つ、一方的に不満を言っているほう、言われているほうみたいなこともよくありそう。

関係性を更新しようとする時とか喧嘩するという時も、どちらかが口火をきるという時があると思うんですけど、最終的にバランスをとる上で、皆さんの議論のスタイルはどうなっているのかなと思って。

自分の人生の手綱を引くのは、自分しかいない

森山:そこ、ふうふの中で悩んでいる人多いと思うんです。「私は改善したい、話し合いたい。けれども相手が毎回聞いてくれないんです」という相談はよくあるなと思って。家に鬼がいるみたいな。笑

あの鬼に比べたらどうだこうだ、みたいな話、よくあると思うんです。誰が悪いとかではないけど、どのようにコミュニケーションをとっていくのが良いのか、というところにティップスがないかという話だと思うんです。

 

山川氏:ティップスか分かんないけど私的には、結構女の人って結構背負って、わたしが我慢して、この子ために、旦那を仕事に行かせるためにとか、考えている人多いと思ってて。

旦那さんがどんなにフォローしてくれていても、自分は我慢しているということが拭えないってところまでいっちゃうと、それ以上のコミュニケーションの発展ができないんですよね。

えりちゃんたちみたいに、(家族を株式会社と捉えるような)設定を考えたりできる人がたくさんいるわけではない。私たちはそういうゾーンではないとなっちゃった時に、森ちゃんがこうしてくれたら、私は幸せになれると思っていた部分はあったから。

今は、やっと新しいところに自分自身がジョインしたりすることで、あっ、私CRAZYを辞めることに対してちょっと森ちゃんに恨みがあったんだと思ったの。辞めたくないと思っていても、辞めなきゃいけないとどこかで思っていたんだって。

自分の人生の手綱を引くのは自分しかいないし、一緒に最終死んでくれるということも究極的に言うとない中で、自分の人生に対して悲観的にならずに創造するというところに立とうとするのか。大きな話になるけど、大事だと思う。

 

福田氏:わかるな〜。

こうなんか、相手にね、押し付けがちになっちゃうんだけど、自分はどうなのかという思考ってつい抜け落ちがちじゃないですか。そういう時って自己犠牲の精神というか、私はこんなにやっていて犠牲にしているという美しさというか、陶酔している自分に客観的に気づいて、自分にアプローチができることはないかと考えられるようになると、前進している感とか、人生の手綱を引いている感が得られて思考も広がると思うんですよね。

そこの切り替えができるかが大きな一歩な気がする。

出産後のふうふは、喜び、悲しみ、苦しみを子供を通じてシェアできる新しい関係性

中村氏:少し話変わってしまうかもしれないですけど、私的には自分しか授乳しかできない、自分が産んだ、自分しか体験していないという、自分の負荷を、なぜか、ふうふで平等にしようとしていたと思う。

一緒に苦しんでよとか、あなたは寝られていいね、私はねれないけどみたいな。そういう自己犠牲が子供への愛情とかに繋がってしまうと思うと危険だなと思って。例えば自分がご機嫌になれるようにマッサージに行ったり、自分にも許しを与えるようなコミュニケーションをするようになってから

すごくふうふがごきげんでいれるようになってきた。引き下げるんじゃなくて、自分が上がるためのアクションを最近は大事にしているなと思いました。

 

井上氏:僕も最近は、ちょっとお散歩してきたらどうとか、カフェ行ってきなよとか、マッサージいってきたら、とか。1時間でも1人でいる時間を無理やりとってもらっている。そうするとリフレッシュできて、ごきげんになって帰ってきていると思う。そうやって、鬼退治しているよね。(笑)

 

中村氏:必ずしもお互いに埋め合わせたり、リカバーしなくてもいいと思った。特にコロナで他の人に会えないと、ここの関係性が煮詰まりがち。ひとり時間の大事さをめちゃくちゃ感じてます。クールダウンしたり優しい気持ちが戻ってきたりするなと。

 

森山:もはや、許しが大事なんだなと思いましたね。

全部を解決しようとして、こういう風に思考したらいい、行動したらいいとなるともうアップアップなんですよね。空気が膨らんでいるなら、空気を抜く、許すしかないみたいな。

許そうとしている中で、例えばSNSとかで朝ちゃんがカフェに行ったことを投稿して、「こんな子供小さいのにカフェ行ってるの大丈夫なの」と周りがなんとかいう。そうじゃなくて許しなんですよね。社会全体が許しを与えられたらいいなと思うし、まず家庭で始められたらいいんじゃないかな。

 

山川氏:問題解決的に考えると、こんなことがあって大変でってなるけど、私がこの1年で変化したことは辛いこと、寂しいこと、悲しいこと、それすらも人生なんだと思って。この機微があることを、一緒に体験させてもらっている機会として、ふうふがあって子供がいてくれて。

今日の話を聞いて、子供大変と思った人もいると思うけど、自分の身体の大きさもキャパシティも全て変えないと対峙できないくらい大変だけど、でもほんとうにそれ以上の喜びってあるじゃない。こんなことってあるんだオーマイガー!!みたいな。人生に。

 

中村氏:すごく分かります。ふうふってお互いを愛する、向き合うというよりも、子供が生まれてからは同じ共通の宝物をシェアし合える人のように思う。

会社のメンバーも友達も子供が可愛いって言ってくれるけど寝返りがうてたとか、この顔が可愛いとか、誰よりも共感できるのは、パートナー。産前・産後のパートナーシップは別物だと思う。でも今のほうが同じ喜び、悲しみ、苦しみを子供を通じてシェアできるというのは新しい関係だなと思う。

実は、寂しさを抱えている旦那たち

森山:いい話ですね。いい時間になってきましたね。終わっちゃう、寂しいな。みなさんに伝えたいこと、感じたことシェアしましょうか。

 

木村氏:“ぶっちゃけ要素”が足りないかなと思って。残り5分でぶち込もうと思います。笑

子供が生まれると旦那は寂しい気持ちになるという現象はあるなと思っていて。全力で奥さんが子供にうわーっと向き合っていくので、有名な産後クライシスの本とかありますけど、明らかに自分に対しての関心が下がるんですよね。それは避けがたいんですけど、やっぱりそこに適応することが一つのハードルだなと思って。

 

井上氏:最近僕も女々しい発言するようになっちゃって。「思いやりが足りないと思うんだけど、どうかなあさこさん?」とか、「僕はこんなに尽くしてるのになんでそういうことを思ってくれないの?」とか、女子みたいなことを言っちゃうことあるなと思って。寂しいのかなと思いました。

 

山川氏:えりちゃんたちはどうしてるの?

 

福田氏:いま、はじめて聞いた話だったのでドキドキしてます。かわいいなこいつと思って。(笑)

 

中村氏:“のりえり”ふうふは、どうやってコミュニケーションとってるんですか?

 

福田氏:土曜日とか子供預けて旅行したり、いろいろゆっくり話せるような時間をとったりしてます。

 

中村氏:今、私たちは試行錯誤中で、去年ほどうまく話せないのはそこだなと思って。今、実験中って感じで、みなさんにどう伝えたら良いかは私自身苦悩中。

 

井上氏:チームのメンバーもいるんですけど、ふたりで解決できたものがチームまで影響しちゃうし、とどめきれないものが滲み出ちゃったりします。ですから最近は、チームにもオープンシェアにして。子育てと経営と家庭はこんなことが起きています。今こんな感じだみたいな。第三者にも共有して、会社とふうふを両立していますね。

 

中村氏:今も会社のメンバーが、赤ちゃんを抱っこしてくれてるんですけどね。全員で乗り越えていくしかないし、公私混同経営は絶対おすすめとかではなく、一長一短だと思うんですよね。子育てしてからよりそれは思う。

でもそれを選んだからこそ、正解にしていくしかないと思うし、いろんな実験をしながら、どうやったら、幸せの総和を最大化できるかを考えたいですね。まさに今は、カオスな中にいます。

 

森山:盛り上がってきたところではありますが、締めの時間になってしまいまして。。まぁ今日のセッションは元々テーマもまとまりない感じですが、いろいろなふうふの形があることを、感じていただけたら嬉しいなと思います。最後は写真撮影で終われたらと思います。ありがとうございました〜。


(後記)

セッションの時間が終わってからも、とまらない3組のお話。ふうふ同士で友人関係であること、そして、隠すことなくお互いの課題感や悩みを打ち明けられることに、幸せを感じられているのが、こちらまで伝わってきました。企画している側としては、セッションの中にずっと感じられる、お互いへの信頼と安心感、そして相手の幸せを願う気持ちそのものに、ふうふ間や家族の対話を豊かなものにするヒントが、詰め込まれているような気がしました。確定はしていませんが、1ファンとしては、2021年の3組がどのように語り合い、形を変えながら、幸せの総和を増やしていったのかを、来年んの年末に、もう一度聞いてみたいなと思いました。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。


セッション終了後は5分ほど自由に会話を楽しまれています。アフタートークを覗きみしたい方は、ぜひアーカイブ動画でお楽しみください。 

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Session 2 書き起こし
Session 3 書き起こし


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