2021.11.17

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WHY CRAZY? 「ここでしかできないクリエイティブ」東和香 編

2021年11月5日に「WHY CRAZY? #3 〜ここでしかできないクリエイティブ〜」オンラインイベントを実施しました。
 

第2回 〜わたしが結婚式をつくり続ける理由〜 のイベントレポートは以下からご覧いただけます。
 

今回は「ここでしかできないクリエイティブ」をテーマに、執行役員 クリエイティブディレクター 林隆三 (通称:リュウ)とアートディレクター 東和香(通称:のん)の対談を行いました。現在、社内外問わず、CRAZYのクリエイティブの多くを手がけるふたり。実際の事例紹介とともに、「なぜCRAZYでクリエイティブを続けるのか?」「ものづくりにおけるこだわりは?」といったトークテーマで対談が進みました。その中から、ふたりのものづくりへの姿勢やクリエイティブな生き方が垣間見える会となりました。
 

本記事では、アートディレクターの 東和香に焦点を当てて、対談内容を振り返っていきます。

※イベント対談内容の書き起こしを、一部編集しております

(モデレーター:高市祐貴)
 

クリエイティブを
コミュニケーションに使いたい

高市:
のんちゃんのCRAZY年表はどんな感じ?
 

CRAZY年表

東:
私は新卒で2016年に入社をして、CRAZY WEDDINGのアートディレクターとして2019年まで結婚式をつくっていました。その後リュウさんからCCA*1に誘われて異動したという流れですね。
 

林:
東が就活生だった頃、CRAZYはめちゃくちゃ採用に力を入れていて、色んな美大に行ってスカウトしまくってたんだよね。

東の同期だと新卒のアートディレクターだけでも5人いたよね。
 

同期との一枚

東:
そうですね。私は同期が14名いたのですが、これってCRAZYで考えるとほかの年と比にならないくらい多いんですよね。ちなみに、私はスカウトされてないです(笑)
 

高市:
そうなんだ(笑)

のんちゃんはどんなストーリーでCRAZYに入社したの?
 

東:
私は元々CRAZYのことは何も知らなかったし、結婚式なんて頭の片隅にもない状態でした。元々はグラフィックデザイナーになりたかったので、出版業界や広告業界を中心に調べていたんですね。

ただ、いよいよ就活をしなければいけないタイミングとなった時に、なんとなくクリエイティブで仕事をしたいという方向性は決まっているものの、自分が本当にやりたいと思えることが社会においてどういう職業なのかがわからなくて、就職先を決めることが全然できなかったんです。
 

高市:
そうだったんだ!意外。そんな状況からなぜCRAZYへ?
 

東:
大学で学祭の実行委員をやっていた時の先輩からの紹介です。

実はその先輩がすでにCRZAYに内定をもらっていて、「この会社絶対に東好きだよ」と言われたんです。その時に初めてCRAZYの存在を知りました。
 

学祭での一枚

高市:
なるほどね。

そこからCRAZYに入社をしたいと思った決め手はなんだったの?
 

東:
オフィスで出会う人みんなが、会社員としてではなく自分の言葉で話していると感じたからです。あと、やってる事業がどう考えても世の中にとって良いものだという確信があった
 

高市:
素敵だね。CRAZYで「絶対に良い」と確信できる事業と出会った時、のんちゃん自身はそれを通じてしてどんなことをしたいと思ったの?
 

東:
当時はまだイメージしきれていなかったけれど、今になって思うのは「自分の持っている技術をコミュニケーションに使いたい」ということですね。

CRAZYはHPのトップでも「愛はみえる。」と謳っているけれど、目に見えないものの価値を信じているからこそ、目に見えるようにすることに力を使いたいなと。
 

高市:
いいね。のんちゃんが入社した時期とはCRAZYのパーパスやブランドメッセージも少しずつ変化をしているけど、自分の持っているスキルをコミュニケーションという手法に乗せて届けたいという想いは当時から変わっていないんだね。
 

単なるコラボには留まらせない
一緒に新しいものを生み出すことへの挑戦

林:
東の代で入社したメンバーを中心に、CRAZY WEDDINGのアートディレクターが揃ってきたので、ボクはそこから退いて、2018年にCRAZY CELEBRATION AGENCY(通称:CCA)という法人向けのクリエイティブ事業を社内で立ち上げました。

その時に、仲間が欲しいと思って声をかけたのが、社会人をしながらCRAZY WEDDING CAST*2として活躍してくれていた高市。

そして、大阪支社にいた東もボクが口説いて、今日登壇している3人が同じチームになったんだよね。
 

当時のチーム写真

東:
「CCAをつくったから大阪から戻ってきなさい。」って電話が来て、最初は「無理です。」って言いました。

林:
そう。断られた。でも「ここに来たらもっと成長するよ。」って話したら、「はい!!」って二つ返事できたよね(笑)

東:
確かにそうでした。単純ですね、私。

林:
メンバーが増えたことも後押しして、チームが強くなっていく感覚があった。そこから色々なチャレンジができるようになったよね。

元々は企業の周年イベントを中心としたプロデュースをしていたんだけど、仲間が加わったことで、キャンペーンやブランディングといった色々な企画にも携わることができるようになっていったね。

高市:
CCAで一緒に仕事をする中で、のんちゃんのいつも以上の本気をみたのが、HOTEL SHE,さんとコラボ企画として手がけた、「結婚式の定期便」だったな。

東がクリエイティブを担当したHOTEL SHE,とCRAZYのコラボ企画「結婚式の定期便」。
カップル宛に1ヶ月おきに合計6回、ふたりをより知るためのきっかけが郵便で手元に届く。時間の経過とともにお互いのことをより深く知っていくプロセスや、最後に想いを伝え合うというイベントを入れることによって、新しい結婚式という一つの選択肢を提案した。

林:
これは東の代表作だよね。

ボクと東が一緒にプロジェクトを進めていくときは、ボクがアートディレクションを担当して、東がデザイナーというパターンが多かった。でもこの企画に関しては、東がアートディレクションとデザインを担当した珍しいパターンだったよね。
 

東:
そうでしたね〜。

当然、前例のない新しい結婚式の形を一からつくるというというハードルもありましたし、HOTEL SHE,のデザイナーや制作の方のこだわりや素晴らしさを知っていたからこそ、その人たちの中に自分がCRAZYのデザイナーとして参画していくというプレッシャーがかなりありました。
 

高市:
そうだったんだ。

そういえば、HOTEL SHE,さんにオンラインでプレゼンし終わった後、のんちゃん泣いてたよね。
 

東:
はい(笑)
ただコラボするということではなく、一緒に新しいものを生み出すというのが私にとって大きなチャレンジでした。当時、人生の中で一番提案書作成を頑張ったと言えるくらい、細部まで考え尽くして提案に行ったんです。だから、それが認められた時は本当に嬉しかったな〜。
 

全てに意図があるデザイン

高市:
そんな思い入れのあるプロダクトは、どんなこだわりを持ってデザインをしていたの?
 

東:
全体を通してこだわりしかないですね。

例えば、プロダクトのキーカラーは、どの色を使うかひとつにまで全て意味合いを持たせています。

今回のプロダクトは、半年間という時間をかけてふたりが知り合い、深まっていくという新しい結婚式の形です。それを色で表現しました。世の中に変化を連想させるものはたくさんありますが、デザインに何を取り入れるかは、なんとなくで選んでいるわけではないんです。

このプロダクトの場合、「ふたりの遊びを知る」「初心を知る」「未来を知る」というように、月毎にお互いの何を知るが決まっていて、テーマが異なります。

「ふたりの初心を知る」というテーマの月は、アサガオの新芽が出てから成長していく過程の緑のグラデーションを使用しました。さらに、「ふたりの未来を知る」というテーマでは、明日もまたあなたとの新しい1日が始まるという意味を込めて、夜が明けていく空をイメージしたグラデーションにしています。
 

林:
これを聞いた時、純粋にこのストーリーが綺麗だなと思ったんだよね。ストーリーが綺麗だからきっとデザインも良くなるだろうなという期待値があったね。
 

東:
ありがとうございます。すごく想いのあるプロダクトだったので、その分プレッシャーも大きくて、プレゼンテーションの後、担当の方から「すごくいいですね」と回答をいただいた時には、尋常じゃない達成感がありました。思わず嬉しさが爆発して、ZOOMを退出した後泣きました。
 

林:
漫画の主人公みたいだな(笑)でも当時、東がすごいこだわっていたことはメンバー皆にちゃんと伝わっていたよ。

東が一から想いを持って考えて、沢山を素敵な提案持ってきてくれて、このプロダクトの勢いを東がつくってくれていたと思うな。
 

実際に利用したお客様から届いた写真

東:
自分で仕事をつくっていくというすごく貴重な経験をしましたね。

このプロダクトのプロデューサーであるみんみん*3さんとは、「いつかこのプロダクトを蔦屋書店において誰でも気軽に手に取ってもらえるものにしたいね」なんてわくわくしながら話してたんですよ。

だから、蔦屋書店に置くプロダクトはどんな雰囲気が良いかを感じるために、実際に蔦屋書店で作業しながらインスピレーションもらったりもしてました(笑)
 

林:
そのこだわりと行動力が半端ないよね。絶対にいいものをつくるという気概を感じる。
 

東:
ここまでやり切れたので、本当に思い入れのあるプロダクトになりましたね。
 

相手を知り、想像することからしか
本質的なクリエイティブは生まれない

高市:
のんちゃんがこれについて話し始めるとかなり熱が入るなーと客観的に見てました。それだけの想いとこだわりがあったんだよね。

このプロダクトって、デザイン以外にも設計することが沢山あったと思うんですよ。例えばコンテンツの中身やそれを入れる箱の仕様、ユーザーの管理方法、届ける方法、届いた時にどんな感情になってもらうかみたいな。

これらを普通の会社でつくろうとするとかなり分業していくんじゃないかと思うんだけど、小さいチームでつくってきたからこそ、リュウさんやのんちゃんは専門領域以外のことも結構担っていたと思うんです。そこの難しさとか面白さとかってありました?
 

東:
私は 誰かと一緒に何かをつくりあげていくプロセスにおいて、究極、自分の役職に関係ない部分って無いと思うんですよね。

ウェディングもそうなんですよ。結婚式を挙げるおふたり対してプロデューサーとアートディレクターが一体となって向き合って、ベストなものをつくり上げるんです。だから、自分にとって関係ない話なんて何もない。
 

結婚式をつくるチームとおふたりとの一枚

東:
だって一緒につくる人のことも、それを届ける人のことも知らないと、本質をとらえたクリエイティブって生まれないと思うんです。

今回で言うならば、はじめに提案をしたみんみんさんと高市さんがどんな思いでHOTEL SHE,さんにお手紙を届けたのかも私にとっては必要な情報だし、商品がどうやってお客様の手元に届くのかということも含めて、ちゃんと知ってるから、一番いいものをつくれたと思ってます。常にそういうスタンスで仕事するというのはこだわりとしてずっとありますね。
 

高市:
なるほどね。

ちなみに、参加者の方からの質問にもあるんだけど、アートディレクターとして良いアウトプットをするためにどんな観点でお客様と接しているの?
 

東:
対象は人に限らず企業でも物でもなんでも当てはまるんですけど、とにかく相手を知らないことには始まらないと思っています。世の中、理解できないことがあったとしても、知ろうとすることはできると思うんですよ。

結婚式のプロセスで言うと、「目の前のおふたりがなぜ◯◯が好きで、どうして◯◯◯と言う考え方を大事にしていて、どうして結婚しようと決めたのか」ということについて、知るために関わったり、想像するという事をまず大事にしています。
 

林:
ボクも結構似ていているかな。想像するということがすごく大事だと思っている。
昔、自分自身に「普通」というコンプレックスを抱えていた時代があったんだけど、ある時「普通なんてない」と気づいたんだよね。一見普通に見えても、何かしら人それぞれ普通じゃない何かを持っていると今のボクは思っているからこそ、ちゃんと想像して常に思考を固定せずに、「もしかしたら・・・」という視点を持っておくことは大事だと思うね。
 

CRAZYにあるのは
理由のないものを絶対につくらないスタンス

高市:
いいですね。おふたりの仕事のスタンスや大事にしているポイントも聞けたところで、最後のテーマにいきましょうか。今回のイベントのサブタイトルにもある「ここでしかできないクリエイティブ」は何だと思いますか?
 

奈良県明日香村で行なった結婚式。新婦の自宅から会場まで3kmのバージンロードを車と徒歩で進んでいく演出を行なった

東:
私が思うのは、「理由のないものをつくらないというスタンス」です。ウエディングにおいては、装飾はただの飾り付けじゃなくて、おふたりの人生を表現する方法です。こんな結婚式を実現したいという明確なゴールに対して、それが視覚的に伝わるようにお花を置く場所や小物を置く場所を設計していました。

どちらかというとここでしかできないクリエイティブがあるというよりは、「ここでしかできないクリエティブをつくろう」という気概を持ってそれを徹底している組織がCRAZYですね。

お客様や世の中に届けていくクリエイティブはもちろん、社内企画でさえ、「これは本当にCRAZYか?」という問いを何度も投げかけて、こだわり抜いていく姿勢が全員にあたりまえとしてあるのは、クリエイティブする上で良い環境だなと思っています。
 

クリエイティブであり続けるために
誰かの「好き」にアンテナを張る

高市:
そんな妥協のない環境の中で、常にクリエイティブであるために日常から意識していることてあるの?
 

東:
私は個人的な目標として、人の本能を引き出すものをつくりたいと思っているんですね。そういう想いもあってか、人が大好きなものを意識的に見るようにしています。
 

東:
例えば高市さんはお酒とごはんがめちゃくちゃ好きだから、そんな高市さんが好きなお酒ってどんなものなんだろうとか、お気に入りのお店ってどこだろうということに興味があるし、リュウさんはファッションに詳しいので、リュウさんがどうしてその服を選んだのだろうということが気になります。昔、リュウさんに「一緒に買い物行かせてください」って言って一緒に洋服を選んでもらったこともあります(笑)

人の好きなものに興味を持つというのは、その人のセンスを取り入れて自分の世界を広げられる成長機会だと思っています。
 

高市:
何からでもセンスを磨こうという姿勢が素敵だね!勉強になります!
 

*1 CCA・・・CRAZY CELEBRATION AGENCY。CRAZYの法人向けのクリエイティブ事業で、企業の周年イベントや内定式等を手がける。
*2 CRAZY WEDDING CAST・・・ CRAZY WEDDING ordermadeの結婚式でサービスを行うメンバー。会場装飾からゲストサービスまでともに1日をつくり上げる
*3 みんみんさん・・・ 株式会社CRAZY マーケティング室 責任者 松田佳大


新卒でCRAZYへ入社し、「これは本当にCRAZYか?」と問い続け、妥協しない姿勢を身につけてきた東。これまでの事例から垣間見える徹底的なこだわりから、それを体現し続けていることを感じさせられます。そんな東が、これからつくるCRAZYなクリエイティブは一体どんなものなのかが非常に楽しみになる内容でした。
 

次回イベントのお知らせ

来る2月24日(木)、WHY CRAZY #4 〜入社直後のわたしたちが見ている景色〜を開催いたします。

IWAI OMOTESANDOのプロデューサーとして半年以内に中途入社した2名が登壇。ふたりのキャリアチェンジのエピソードや、入社直後だからこそ感じるリアルな本音を紐解いていきます。

<イベント詳細>
▶︎イベントページ:こちら
▶︎日程 :2022年2月24日(木)
▶︎時間 :19:00~21:00(18:40受付開始)※時間は目安です
▶︎場所 :オンライン(zoomを想定しております)
 参加者の皆さまへは、追ってメールにてURLをお送りいたします。
▶︎参加費:無料

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皆様のご参加をお待ちしております!

 

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TEL:0120-181-904
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