有名ブランド激戦地である表参道に、新しいブランドが誕生する。CRAZY WEDDINGが手がける、IWAIだ。お祝いの本質的価値を考え、結婚式だけでなく人生の節目に合った様々なお祝いができるという。
IWAI誕生の背景にあったビハインドストーリー、第2回。CRAZY代表・森山和彦とCRAZY WEDDING創設者・山川咲は、IWAIのサービス骨子を決めるためにブレスト会議を開催した。そこには、スマイルズ代表の遠山正道氏とNumero TOKYO編集長の田中杏子氏の姿が。新ブランドが生まれる前に交わされた、インスピレーションとは。当日の極秘会議をレポートする。
※前編:まずはこちらからご覧ください
努力の方向性が、本質からズレないように。
山川咲(以下、山川):どんな式だったら「参加して良かった」と心から思えますか?
田中杏子(以下、田中)氏:人の温もりが感じられる式ですね。手作りの小物をテーブルに置くなど、ちょっとした物でもいいので。松竹梅から選ぶパッケージの式からは、あまりそういうものは感じられないですよね。
山川:意味のある努力が大事なんですね。全員に一言メッセージを書いたけれど、その文章は「今日は来てくれてありがとう、とっても嬉しい」みたいな定型文では違うというか。全員に書くことが大変なのは分かるんですけど、努力の方向性が本質からずれてしまっているものが多いと感じるんです。
森山和彦(以下、森山):今日別の方と話して面白いと思ったのが、自分の大事な人を関係性ごとに3つのレイヤーに定義しちゃうという話でした。関係性が浅いのに呼ばれていると「なんで俺3万円も払ってんだろ」って思ってしまう状況があるじゃないですか。
参加意欲に対し、手に入るものを最適化。
例えば、レイヤー1は、関係性が近くて3万円以上払ってもいいと感じる人。レイヤー2は、呼ばれても忙しいために前のめりではない人。彼らは感動する一部分だけ立ち見をする。レイヤー3はSNSの友達で、みんなで花束送ろう!って、クラウドファンディングの形で参加するみたいな。
みんなが海外で式を挙げる理由の一つは、レイヤー2以下の人を呼ばなくてもいいからなんです。みんながお祝いしたいという参加意欲に対して、手に入れるものが最適化される形にしたいですよね。
遠山正道(以下、遠山)氏:頑張って5万円を払っているつもりなのに、少ないと思われていたら嫌だなと思っちゃいますし、10万円でも高いのかどうなのか分からないですもんね。いい意味でのパッケージで、決めてくれたほうがありがたいです。コストが1万円、お祝いが2万円、合計3万円って分かれているとか良いと思いますけどね。
山川:先日の結婚式では、チケットを買ってもらう形にしたんです。参加者の候補対象者があまりにたくさんいたので、基本1万8千円のチケットを用意して、それとは別に8千円のお祝いチケットを用意したんです。当日参加できない人もお祝いできる形なんですよね。すると、15人くらいはお祝いチケットだけを買ってくれたんですよ。当日最後に少しだけ顔見せて帰った人もいたくらいで、お金の額はあまり関係なさそうでしたね。
遠山氏:自由に立ち入りできる、海外の立食パーティに近い感じですね。
役割を付与して、コミュニケーションを始める。
田中氏:海外は普通ですもんね。一人でふらっときても、途中から仲間に入っていける。日本人にとっては難しいので、席次表があったほうが楽というのもあるかもしれません。私自身のウェディングでは、席次表は用意したものの、途中で立ち上がる機会を設計していました。
豚の丸焼きを取りにいくコンテンツを入れたんです。結果、みんな席が離れた人とも話をしていましたね。写真を撮りに行ったり、他の人と話ができるように設計するのはいいですよ。あとDJブースや、子どもの遊び場を作ると話す機会が生まれると思います。
森山:豚の丸焼き担当とか、お酒担当とか、役割を付与することで、コミュニケーションの機会は生まれますよね。
遠山氏:パッケージ化するなら、式の時間も80分とか決まっていたほうがいいな。話をしたい人がいたら、あと7分だから何とかしてでも話しかけなきゃ、と思えるし(笑)。また話はズレますが、今って監視カメラの時代じゃないですか。いろいろな人の横顔が写っていて、ちらりと泣いてたことが伝わるのとかいいですね。
「自己紹介」を無くしてみる。
田中氏:席次表の肩書きを無くしちゃうのは、どうですか? 私自身の結婚式では、友達しか呼んでいないですし、あえて肩書きは伏せていました。すごい人も昔の友達もみんな一緒でいいじゃないって。
その人についての説明を、あえてなくすと、名前は分かるけど、上司なのか社長なのかも分からないし、新婦側なのか新郎側なのかすら分からない。そこから会話が生まれると思うんですよね。
山川:今までは、関係性が浅くても、質の高いコース料理を食べられたら楽しめたと思うんです。でもそれは、コース料理が特別に感じられた時代だから。でもその特別感がない今、その先の満足の作り方がどん詰まりです。できれば食事もイノベーティブにしたい。先日「お酒を飲まないお花見は楽しくないよね」って話になって。飲んで飲んで酔ってこそお花見だよねと(笑)。
遠山氏:お花見は大盤振る舞いの感じがいいんですよね!
山川:例えば、スマホがピコンと鳴って、式中にシャンパンを贈れるとか面白そうです。「○○様からシャンパン入りました! 」って(笑)。
一同:(笑)。
田中氏:リアルタイムで誰かがシャンパンを開けると、他のお客様に連鎖していくことも想定できますね。「だったら私も開けようか」って。
山川:お会計を後システムにしても良いですね。1回ネットで会費は決済しているけど、当日気前良く頼んだら加算されていく感じ。楽しかったからいいやと思えてしまうんですよね。たくさんのインスピレーションをいただきましたが、そろそろ終わりの時間が近づいてきました。今日は本当にありがとうございました。
新ブランドIWAIの背景にあった、率直に交わされたインスピレーション。お祝いにとって本当に大切なものは何なのか。適正価格はいくらなのか。肩書きをのせた席次表は本当に必要なのか。参加者同士のコミュニケーション設計まで、全てをゼロベースに考え尽くされたという新ブランド、IWAI。2月オープンに向けて、絶賛お問い合わせ受付中とのこと。どんなお祝いを実現させるのか、今後に乞うご期待です。
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写真:小澤 彩聖
Writer:水玉綾(@maya_mip)AYA MIZUTAMA
CRAZY MAGAZINE編集長。フリーの編集者・ライター。HR領域の取材記事を中心に、媒体は「未来を変えるプロジェクト」「新R25」「PR Table Community」「BizHint」「FastGrow」等。三度の飯より愛犬が好き