2017.09.12

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ワーケーションで、旅してるのに出勤扱い。企業勤めもノマド化の時代です。

ワーケーションという言葉をご存知だろうか? ワーケーションとは2000年代に米国で生まれた、「ワーク」と「バケーション」を組み合わせた造語である。おおむね、リゾートなどの環境のよい場所で、休暇を兼ねてリモートワークを行う労働形態を指すことが多い。つまり、「旅をしているのに出勤扱い」ということだ。

この制度が生まれた背景には、アメリカでも日本と同様に有給休暇取得率が低く、休暇を取っても休暇中にオフィスに連絡を入れる人が多いということがある。この夏にJALがワーケーションを導入すると発表して少し認知が広がった感があるが、すでにアメリカではICT関連業界などを中心に広がっているそうだ。

ワーケーションってどんな感じ?

一口に「ワーケーション」と言っても、その導入方法には企業ごとに違いがある。たとえば前述のJALの場合は、社員が休暇に最大5日のワーケーション日程を追加することで行われる。個々の社員は休暇先にいながら勤務時間内はインターネットを活用して定例会議に参加したり、メールを送りあったり、自分の業務をこなしたりして働く。

このワーケーションによって、今まで会議等がある関係でちょっと長めの家族旅行ができなかった社員が、旅行をできるようにするということがメリットとして挙げられているそうだ。

一方、カーシェアリングのサービスを行うUberのワーケーションの取り組みは、課題解決型プロジェクトをプロジェクトメンバーが旅先で行うというものだ。

通常は一緒に働くことのない社員で少人数のチームを作ってどこか旅に出かけ、課題に対してUberのビジネスに実際にインパクトを与えるようなクリエイティブな答えを探すことに積極的に取り組ませる。

以前に行われたワーケーションでの課題は、ドライバー体験をより良いものにするための作戦を考えるというものだった。これは2017年のUberに事業において優先事項になっているもので、ワーケーションの成果が翌年の事業に反映されるということに社員は意欲を感じたに違いない。

このワーケーションは公募制で行われ、記録的な数の参加希望者が集まった。実際に事業に反映されるもの、今後サービスを研ぎ澄ましていくことになったもの等、多数の改善提案がなされたそうだ。

ワーケーションとリモートワークの違い

JALの例にしても、Uberの例にしても、共通しているのは「旅先で行う」ということ。インターネット環境を利用して仕事をする点でリモートワークと似ているが、一般的にリモートワークは事前申請した場所でのみ行うため、勤務地の考え方が異なる。

リモートワークというとIBMやYahooが禁止したというニュースが記憶に新しい。その理由は社内でのコミュニケーションが次第に取りにくくなったことやコスト削減にはならなかったことが原因だと言われている。ワーケーションはリモートワークに似た部分もあるが、その期間は休暇中だけであり、そもそもコスト削減を求めて行なっているわけではないため、リモートワークのデメリットがそのままワーケーションのデメリットになるわけではないだろう。

政府がインターネット環境等を利用して在宅や遠隔地で仕事を行うテレワークを推進していることを考えると、今後このワーケーションは増えていくかもしれない。

ワーケーションの事例はこちら
「ワーケーション・二拠点生活」を実践! 新しいライフスタイルの可能性・向いている職業・苦労したこと。

ワーケーションを「休暇中でも休まず働け」にしないために

しかしワーケーションには疑問を呈する人もいる。労働者の休暇増を提唱する団体Take back your time.orgのJohn DeGraaf氏もその一人だ。DeGraaf氏は、「電子機器によってオフィスに鎖で繋がれた状態だと、有給休暇が完全にリラックスできるものではなくなる可能性もある」と警鐘を鳴らす。

確かに、バカンス先にいたとしても、就業時間内は仕事をしているとなれば、完全に仕事を忘れるということは難しくなる。せっかくのワーケーションなのに、雇用主側からの「休暇中でも休まずに働け」と従業員が受け止めてしまう可能性もある。

ワーケーションを最大限に生かすために


完全に仕事を忘れるわけではない状況下で行うならば、その状況を生かす何かを行うほうがいいのではないだろうか。Uberの事例を見るに、ワーケーションの本質は、旅行先・旅・その土地のメリットを生かした何か、具体的にはリフレッシュや自己研鑽、「旅先ならでは」と「その企業ならでは」を掛け合わせた事業アイデア作り等が実現できることなのではないかと思えてくる。

株式会社CRAZYではそのような「ワーケーションの本質」を見据えて、取り組みを開始した。茨城県が募集した「トライアル移住・二地域居住 推進プロジェクト」にワーケーション事例の実験として応募し、採用されることが決まったのだ。

株式会社CRAZYならではのワーケーションの取り組みは、この秋からスタートする。CRAZY MAGAZINEでもその取り組みを紹介する予定だ。

実施後のレポートはこちら:
「ワーケーション・二拠点生活」を実践! 新しいライフスタイルの可能性・向いている職業・苦労したこと。

参考:日本航空株式会社the guardian


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Editor:水田 真綾(@maya_mip

FELIX 清香 SAYAKA FELIX

greenz.jp、Pouch、「ソトコト」等のWEBマガジン、雑誌での執筆や書籍構成、オウンドメディアの立ち上げ等を行なっている。国際交流やエシカル、児童文学、体感型アートに興味あり。プライベートでは、Give & Takeではなく、Give & Giveで経済が回るかどうかをさまざまな取り組みで実験する「ギフト経済ラボ」のメンバーとして、カルマキッチンというカフェイベント等の運営に参加している。


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