大切な人が一堂に会する結婚式。けれど、大切な人に「来てほしい」と伝えることが、簡単ではない場合もあるのではないでしょうか。特に身近な存在である「家族」ほど、一度距離が離れてしまうと、自分から歩み寄るのに勇気がいることも。
昨年、IWAI OMOTESANDOで結婚式を挙げたあきひろさんも、家族との関係に悩んでいた一人でした。しかし、結婚式の準備を通して、家族と向き合う決意をしました。何度も断られながら、それでも「来てほしい」と伝え続けた先に待っていたのは、どんな景色だったのでしょうか。あきひろさん、そしてパートナーのひなこさんにお話を伺いました。
この式場なら、みんなで結婚式を楽しめそうだな
—まずは、おふたりが結婚を意識し始めたとき「結婚式」を挙げたいと思っていたかどうか聞かせてください。
ひなこさん:
私はずっと結婚式を挙げたいと思っていました。同世代の友達の結婚式にたくさん参加する中で、大切な家族やお友達に改めて感謝を伝えられる場って、結婚式くらいじゃないと作れないなって思ったんです。みんなに集まってもらって、ちゃんと気持ちを届けられる。そういう場をいつか自分も作りたいなって。
あきひろさん:
僕はどっちでもいいかなっていうタイプでしたね。小さい頃に、10歳年の離れた姉の結婚式に行って、素敵だな、と思った記憶はあるんです。でも、いざ自分のことになると、お金もかかるし準備も大変そうだしって。
ただ、ひなこが結婚式を挙げたいと思っているのは僕も知っていたので、それなら挙げたいと思っていました。
—そこから、IWAI OMOTESANDOにいらっしゃった経緯を教えてください。
あきひろさん:
実は、最初は別の式場に見学に行って。そこもすごく素敵なところだったので、契約までしたんです。でもそのあとに、ひなこが「もう1か所見に行きたいところがある」と言って。それがIWAI OMOTESANDOでした。
ひなこさん:
InstagramでIWAI OMOTESANDOを見て、どうしても気になってしまって。シンプルで洗練された空間が、すごく好みだったんですよね。結婚式は一度きりじゃないですか。だから、式場選びも納得いくまでとことん考えたいと思って、見学に行くことにしました。

—実際にIWAI OMOTESANDOを見学してみて、どんな印象を持ちましたか?
ひなこさん:
まず式場は、イメージ通りすごく私好みでした。高砂がなく、長テーブルで私たちとゲストが一緒に食事を囲む空間は、みんなで楽しめそうだなと感じました。
また、過去の結婚式の事例を見せていただいて、挙式の前に家族だけで過ごす「ファーストミート」という時間があるのを知って。「私も、その時間を体験したい」と思ったんです。もともと、結婚式は家族に感謝を伝えられる大切な機会だと思っていたので、その中でさらに家族だけの時間があるというのはすごく魅力的でした。
あきひろさん:
僕はスタッフの皆さんの印象が残っています。見学を担当してくれた方が、良い意味でフランクで。他のスタッフの方々も、みんな笑顔で、温かい空間だなと思いました。
ひなこさん:
スタッフの皆さんが、仲良さそうな感じが伝わってきたんですよね。だから、私たちも自然体でいられるというか。ここなら、素直に感謝の気持ちを伝えられそうだな、と。一生に一度の私たちの結婚式は、ここがいい。そう思って、IWAI OMOTESANDOで結婚式を挙げることに決めました。
裏テーマは「家族がもう一度集まるきっかけ」をつくること
—そこから準備が始まったわけですが、IWAIならではの準備プロセスの中で、印象に残っていることはありますか?
ひなこさん:
私は、ゲスト全員に手紙を書くプロセスが印象に残っています。一人ひとりに向き合って手紙を書く中で、楽しかった思い出や感謝の気持ちが自然と湧いてきて……。書きながら泣きそうになることもありました。また、手紙の文量は限られているので「本当に伝えたいことは何だろう」って考える時間にもなりました。あのプロセスがあったから、式当日は「この人たちとの出会いがあったから、今の自分があるんだ」って、改めて実感できたんだと思います。
あと、個人的に手紙には思い入れがあって。小さい頃、姉と二段ベッドを使っていたのですが、寝る前によく手紙の交換をしていたんです。手紙を入れるボックスを用意して、お互いに返事を書きあって。それを思い出して、なんだか懐かしい気持ちになりました。

あきひろさん:
僕も、手紙を書くプロセスは印象に残っています。特に家族に対しては、長らく自分の気持ちを言葉にして伝える機会がなかったから、やってよかったです。
—「家族に気持ちを伝える機会がなかった」とのことですが、あきひろさんのご家族はどんなご家族なんですか?
あきひろさん:
うちは、中国出身の母と、10歳年が離れた姉の3人家族です。小さいころは、仕事で忙しい母に代わって、姉が僕のお世話をしてくれていました。だから、姉は僕にとって第二の母のような存在なんです。
ただ、大人になってから母と姉の関係がギクシャクしてしまって。姉は結婚してからはアメリカに住んでいるため、関係を修復する機会もないまま、気づいたら7年が経過していました。
—その間、一度も連絡は取っていなかったのでしょうか?
あきひろさん:
僕と姉は時々連絡をとっていましたけど、母と姉は、会うことはもちろん、メールや電話も一切していなかったようです。「お世話になった姉ちゃんに、結婚式に来てほしい」「でも、姉ちゃんにとっては迷惑なんじゃないか」と葛藤して……。
ひなこさん:
あきひろが強く誘ったら、来てくれるかもしれない。でも、本音ではいまさら家族と会いたくないかもしれない。そう考えて、最初私たちは「お姉さんを無理には呼ばなくてもいいかもしれない」と話していました。
でも、そのことを担当してくれたプロデューサーさんに話したら「あきひろさんの本心はどうですか?」「こんなに感謝の気持ちを抱いているなら、その思いを伝えてみませんか?」と言ってくれたんです。

あきひろさん:
その言葉を聞いて、僕も自分の本心に気付きました。「姉ちゃんに会って、直接感謝の気持ちを伝えたい」って。もともと「家族や友達に感謝の気持ちを伝えたい」と思って結婚式をすることを決めましたが、それからは「家族がもう一度集まるきっかけをつくりたい」という裏テーマができました。
—「結婚式に来てほしい」と伝えた時、お姉さんの反応はどうでしたか?
あきひろさん:
最初に話したときは「心からお祝いしているけど、その場に行くのはちょっと難しいかもしれない」と断られてしまいました。家族が集まる場所に、もう何年も関係を絶っている自分が参列するのは違うんじゃないかって。それからも何回か連絡をしましたが、姉の返事は変わらなかった。
「やっぱり、姉ちゃんは参加できないそうです」
ゲストの確定の時期が迫ってきた頃、プロデューサーさんに伝えました。すると「私からもお姉さんに連絡したいです」と言ってくれて。
ひなこはもちろん、僕のためにこんなに親身になって考えてくれる人がいる。そこから「最終的にどうなっても、やれることは全部やろう」と、より気持ちが固まりました。
—そこから、お姉さんとはどんなやりとりがあったんですか?
あきひろさん:
ひなこやプロデューサーさんとも相談しながら、姉が少しでも参加しやすいように調整して。例えば、姉の控室は親族と別にするとか、席も親族とは離れた場所にするとか。
ひなこさん:
そもそも、IWAI OMOTESANDOには席次表がありません。また、親族や友人関係なく、同じひとつの長テーブルでパーティを行うスタイル。だから、お姉さんが来てくれることになっても、周りを気にせず過ごしてもらえるんじゃないかなって。
あきひろさん:
そうやって式場と調整を進めながら、姉とやりとりを重ねた結果、ついに姉から「それだけ言ってくれるなら、参加するよ」って返事をもらえて!姉の子どもも一緒に、来日してくれることになりました。
いったい、何年ぶりの家族写真だろう
—そして、いよいよ結婚式当日を迎えます。
あきひろさん:
はい。家族がもう一度集まるきっかけをつくりたくて、ここまでやってきた。でも、その日を迎えるまでは、正直不安でいっぱいでした。これでよかったのかな、姉に負担をかけてしまっているんじゃないかなって。しかし、当日顔を合わせたら、そんな不安はすぐに吹き飛んでしまいました。
ひなこさん:
IWAI OMOTESANDOでは、挙式前に家族だけで話す「ファーストミート」の時間があります。そこで、あきひろの家族は7年ぶりに集まりました。3人とも、本当に嬉しそうな顔をしていて……。


あきひろさん:
久しぶりすぎてちょっとぎこちなかったし、言葉も多く交わしたわけではありません。でも、3人で何年ぶりか分からない家族写真を撮ったんですよ。そのときに「みんな、このきっかけを待ってたんだな」と思って。
7年前、たしかに大きなすれ違いはありました。今も当時のままの感情を引きずっているわけじゃない。昔みたいに戻りたい気持ちはある。でも、時間が経ちすぎてしまって、どうしたらいいか分からない。みんな、そんな気持ちだったんじゃないかなって。
—そのきっかけが、あきひろさんの結婚式になったんですね。では、家族で顔を合わせた後はどうでしたか?
あきひろさん:
姉は最初「挙式だけ参加して帰る」と言っていたんです。でも結局、パーティーも残ってくれて。僕の会社の上司たちとも楽しそうに喋っていましたし、姉の子どもも日本の結婚式は初めてなこともあってか、すごく楽しそうでした。
ひなこさん:
あきひろのお姉さん、挙式もパーティーもすごく泣いていたんですよ。いっぱい写真も撮っていて。私の家族ともたくさん話をして「ひなこちゃんとひなこちゃんの家族に会えてよかった」と言ってもらえたのが嬉しかったです。
あきひろさん:
IWAI OMOTESANDOの挙式では、事前にお願いしたゲストから、二人に向けて手紙を読み上げてもらう「はなむけの言葉」というコンテンツがあります。僕は、姉にはなむけの言葉をお願いしたかった。でも、式の参加が決まったのも直前だったから、ギリギリまで読んでくれるかわからなくて。それでも最終的には引き受けてくれました。
後日、姉から「すごくいい式だった。はなむけの言葉も、読む機会をくれてありがとう」と連絡をもらって。それを聞いて「諦めずに、想いを伝え続けてよかった」と思いました。
一方で、母と姉の関係が結婚式をきっかけに変わったかっていうと、今のところ特に変化はありません。相変わらず連絡は取ってないようです。でも、一番難しかった「会う」というきっかけを作れた。それが何よりも大きな変化だな、と思っています。
—他にも、挙式やパーティーで印象に残っていることはありますか。
あきひろさん:
挙式では、僕たちふたりがお互いに自分の言葉で書いた手紙を読み上げたんです。神父さんの言葉ではなく、自分で書いた言葉を人前で読むっていうのがゲストにとっても新鮮だったみたいで。友達からは「ふたりの言葉で愛を誓い合っていたのがよかった」と言ってもらえました。

ひなこさん:
私は北陸出身なので、ほとんどの親族は北陸にいます。学生時代は毎日のように会っていた友達も、社会人になってからはみんなで集まる機会はほとんどありませんでした。
でも、結婚式をきっかけに、親戚や友達みんながまた集まることができて。滅多に東京に来ない祖母は、パーティーはもちろん、久しぶりの東京をすごく楽しんでくれたようです。また、私とあきひろは大学が同じなので、プチ同窓会のようですごく盛り上がりました。「みんなが集まるきっかけをくれてありがとう」と言ってくれた方もいて、すごく嬉しかったですね。

あと、結婚式の後に姉から「手紙を書くの、子どもの頃ぶりだね」と言ってもらえたんです。お互い同じエピソードを覚えていたのが、なんだかじんときました。
ちゃんと言葉にするからこそ、伝えられることがある
—結婚式の前と後で、変わったことはありますか?
あきひろさん:
結婚式を通して、自分の気持ちを言葉にする大切さに気づけたかな、と思います。ゲストに手紙を書いたり、自分の決意を言葉にして人前で宣言したり。そして、来てほしい人に「来てほしい」と伝えたり。
ちゃんと言葉にしたからこそ、伝えられたことがたくさんありました。大切な人をもっと大切だと思えるようになったし、一度は諦めかけていた家族の再会も実現できた。この経験は、お金には変えられない大事なものだな、と数か月経った今も実感しています。

ひなこさん:
私は北陸出身、そしてあきひろは中国に親戚が多いから、普段なかなか会えない人も大勢います。でも、会いたい人には自分から会いに行かなきゃねって。結婚式を終えて、ふたりでよくそんな話をしているんですよ。
—最後に、おふたりにとって結婚式とは何か、お聞かせください。
ひなこさん:
結婚式をする前は「感謝の気持ちを伝える場にしたい」と思いつつも、一方通行の場になってしまうんじゃないか、と思っていたんです。時間もお金もかかるのに来ていただくのは、申し訳ないな……という気持ちもあって。
でも実際に当日を迎えてみたら、みんな本当に楽しんでくれて。「来てよかった」と言ってくれた方や、手紙で気持ちを伝えてくれた方もいました。それを見て「結婚式って、大切な人たちと想いを通わせる場なんだな」と思うようになりました。
あきひろさん:
僕は、大切な人たちに、大切な人を紹介できる場だと感じています。結婚しましたって報告は、結婚式以外でもできるかもしれません。でも「この人は、僕にとってこんなに大切な人なんだ」って、多くの人を前にして宣言する場は、やっぱり結婚式くらいだと思うんですよね。
実際、僕の結婚式には中国から親戚が来てくれましたし、いろいろあった姉も来てくれました。普段はなかなか集まれない友達も集まってくれた。

結婚式じゃなかったら、こんなに大切な人たちが同じ空間に集まることはもちろん、自分の本音と向き合うことも、ここまで家族と向き合うことも、実現しなかったと思います。だから、もし挙げるか迷っている人がいたら「絶対挙げた方がいいよ!」と推したいですね。
編集後記
物事に向き合う中で「まあいっか」と妥協せずにやり切ることは、思った以上に難しい瞬間もありますよね。
あきひろさんとひなこさんの物語の中には、それが一つもありませんでした。
むしろ、結婚式という節目に大切な家族と向き合い、伝えたい想いを届け切ったおふたりの大きくて強い勇気を感じます。
大切な人に向き合うということは、自分の本当の気持ちに耳を傾けるということから始まる。
それはつまり「全ては自分から始まる」ということだと、気づかせてもらいました。
この物語が、勇気を出して一歩踏み出したい誰かの背中をそっと押す存在になっていたら嬉しいです。
また、IWAI OMOTESANDOの結婚式にご興味のある方に向けた相談会や試食会も開催しております。ぜひ、お気軽にご相談ください。
越智
企画・編集:越智日和
執筆:仲奈々
撮影(一部):kuppograpy
デザイン:宮川雄気
