こんにちは。CRAZY MAGAZINE 編集長の池田です。
新型コロナウイルス感染症収束の見通しが未だに不透明な今、結婚式の延期や開催に悩むおふたりは少なくないのではないでしょうか。
今回は、そんな状況下でも今の自分たちを大切に、妥協することなく、結婚式を執り行ったおふたりにお話をお伺いしました。
インタビューさせていただいたのは、一哲さんとYOPPYさんです。
おふたりは新型コロナウイルス感染症の影響で結婚式を一度延期し、1年半以上に渡る準備期間を経て当日を迎えました。
それぞれ、建築関連のお仕事とデザイナーのお仕事をされているおふたり。
事前に拝見した当日のドレススタイルが個性的かつ美しく、さらにインタビュー当日Zoom画面の後ろに映るご自宅がとっても素敵で、「すごくおしゃれな方々だ・・・!」と内心ドキドキしておりました。
そんなおふたりにお話をお伺いしていくと、ハイセンスな結婚式の裏側にある大切な人たちへの想いが見えてきました。
本記事は、おふたりのインタビュー内容をシェアすることで、結婚式に悩む方々にとっては勇気を感じられる機会になりますと幸いです。
「祝われる」結婚式は嫌だった
池田:
まず、結婚式をIWAIでやろうと決意した決め手は何だったんですか?
YOPPYさん:
結婚式によくあるふたりに注目が集まって祝い祭り上げられるみたいなのが、すごく苦手なんです。でもIWAIを見学した時に、ゲストを中心に設計されている体験に感動して、「絶対これをやりたい!」と思ったんです。
あとはビジュアルもあります。結婚式によくあるステンドグラスや派手なお花のきらびやかや豪華な見た目が好みじゃなくて、式場探しは難しくなるだろうなと思っていたんですが、それを良い意味で裏切る建築の世界観が素晴らしくて一目惚れしました。
一哲さん:
正直に言うと、僕は結婚式をしたいという気持ちが初めはあまり無くて、乗り気じゃなかったんです。笑 そもそも、自分たちのことを祝ってもらうためだけに、みんなにわざわざ集まってもらうことに抵抗感がありました。
でもプロデューサーの方からお話を伺ううちに、その気持ちが変わっていったんです。IWAIでの挙式は、祝ってもらうための場というよりも、「人生でお世話になった人たちに感謝を伝える場所」なんだと捉え方が変わってから、結婚式をやることの意味が感じられ、ようやく腑に落ちました。
おふたり:
祝われ続けることに違和感があった私たちにとって、「ゲストが主役」というコンセプトでハードもソフトも設計されているIWAIは唯一無二の存在でしたね。
周りの人に支えられた準備期間
池田:
IWAIをべた褒めいただいているようで私たちが照れてしまいます。笑 ありがとうございます。
ドンピシャなIWAIに出会ってくださった後、(COVID-2019の影響で)延期もあったと思うのですが準備期間はどんな心境でしたか?
一哲さん:
IWAIで式の打合せを始めた当初は、まだコロナ前の世界だったのですが、その後コロナ禍となり何度も延期を重ねて、結婚式をやるイメージが湧かなくなっていきました。準備を進めなきゃいけないのは分かっているけど、「結局また延期になるんじゃないか」とか「参列をお願いするのは迷惑なんじゃないか」とか色々と考えてしまいましたね。とにかく精神面のコントロールが大変でした。
YOPPYさん:
正直、期間が空いたことで一度、結婚式へのモチベーションが0になりました。「本当に結婚式する?」という話もしたくらいです。
両親が参列できない可能性が出てきたり、だいぶ前に決めたドレスがそのままで良いのかも迷ったり、不確実な期間が続きました。すごく不安でした。
池田:
そうですよね・・・。モチベーションが下がった状態から何か転機はありましたか?
YOPPYさん:
ゲストの皆さんに招待の案内をできたタイミングですね!
実は、一度目の延期は、結婚式が開催できないかもしれないと思ってゲストに案内をしていないまま、再延期をすることになりました。その後も状況が収束しなくて、なかなか案内のできない日々が続きました。
そんな中不安な気持ちもあるまま連絡をしたのですが、ゲストみんながすごく快い返事をくださって、急にホッとしました。そこから切り替えて、すっきりした気持ちで準備に集中することができましたね。
だけど、彼の場合は、遠方の方もいて「参列を不安に感じている方もいらっしゃるんじゃないか」という不安を抱えたままの準備が精神的に辛そうでした。
一哲さん:
僕は、とにかく山口さん(おふたりの担当プロデューサー)のマインドコントロールに本当に助けられましたね。笑
むしろ、IWAIの皆さんの方がコロナ禍で日々大変だろうにも関わらず、そんな素振りを全く見せずに僕らに気を遣ってくださいました。本当に素晴らしい方だなと思います。
手紙があるから、ゲストへの想いを伝えきることができた
池田:
図らずも長くなった準備期間だったと思うのですが、その中でも印象的だったのは何ですか?
おふたり:
やっぱり手紙ですね!!
YOPPYさん:
結婚式当日を迎えて思ったことは、「ゲストに来てもらって祝ってもらうだけでは、感謝なんて伝わらないな。」と言うことです。一人ひとりに想いを綴った手紙を届けたからこそ、感謝の気持ちをきちんと伝えられたんだと私は思っています。あの手紙がなかったら伝えきれていなかったですね。
一哲さん:
僕は、結婚式をやった意味の半分以上は手紙といっても言い過ぎではないと思っています。今回、海外に住んでいる友人も、ワクチンの接種や隔離期間を調整して参列してくれたんです。その友人たちが手紙をすごく喜んでくれたことが本当に嬉しかったです。
ただ結婚式を開催するだけだったら、そこまでして海外から来てもらうのは申し訳ないという気持ちがあっただろうと思いますが、手紙を通してこれまでの感謝の想いを伝えきることができたのは本当に良かったです。
池田:
お手紙がすごく大きかったんですね・・・!書くのは大変ではなかったですか?
YOPPYさん:
大変でした!笑 でも、その自分たちが「手紙を書く」というプロセス自体も貴重な体験でした。
手紙を書く時に私は、「初めての出会い」や「一番の思い出」、「感謝していること」「印象」と項目をいくつか置いて、一つずつ思い返していったんです。一人ひとりとの思い出やその人に対する想いが溢れてきて、本当に大切な人たちなんだと改めて実感しました。
一哲さん:
手紙を書くことへ力を入れた分、真剣に誰をお招きするべきかを考えることができましたね。「自分たちにとって心を込めた手紙を、想いを、伝えたい人は誰なのか?」と向き合う機会になったと思います。手紙が無ければ招待するゲストが変わっていたかもと思うほど大きかったです。
池田:
「IWAIのしっかりした手紙」と結婚式でよくある「席札の裏側のメッセージ」との違いって何だと思いますか?
一哲さん:
シンプルに文字数の違いは大きいと思います。席札のカードの裏に書ける少ない文字数だと、定型化せざるを得ない部分がありますよね。それだと、なかなか感謝の気持ちを伝えきることは難しいと思います。時間をかけて一人ひとりのゲストと心の中で向き合い、言葉を紡いで手紙という形式に落とし込むからこそ、心から感謝の気持ちを伝えたい方をお招きしなきゃと考えるし、想いが伝わるんだと感じました。
YOPPYさん:
私は、その人のことを考え続ける時間が全然違うと思います。席札の裏の場合基本手書きが多いですが、IWAIの場合はスプレッドシートなので何回も書き直しました。
彼は真面目で几帳面なので、言葉の意味まで一つひとつ調べて書いていて、すごい時間がかかっていたのも印象的でした。
「ゲストに感謝を伝えたい」が叶った当日
池田:
式場探しから一貫して「ゲスト」を大切にしているおふたりですが、当日を振り返って印象的なことはありますか?
YOPPYさん:
ゲストとゲストの繋がりが自分たちの結婚式の場を通じて自然と生まれていたことです。当然、初対面の人だらけなんですが、会場全体が同窓会のような雰囲気でした。異なるコミュニティの人たちが目の前で繋がっていく姿に、セレンディピティを感じましたね。
あとはやっぱり、ゲストの皆さんが楽しんでくれている様子がとにかく嬉しかったです。写真撮影が好評で、かなり盛り上がっていました!!
一哲さん:
あれは本当におすすめしたいよね。
YOPPYさん:
カメラマンさんの撮影の仕方がとっても素敵だったんですよね。その人の自然な表情が引き出される質問をしながら撮影をしていて、感動しました。猫好きの友人は「次に飼う猫の名前は何がいいですか?」なんて質問をされてて、面白かったです。笑
一哲さん:
僕は「お世話になった人たちに感謝を伝えたい」という気持ちが一番だったので、それを叶えられたのが嬉しかったです。手紙も写真もそうですが、「ゲストが楽しむ・喜ぶ」ことを中心において結婚式をできたことも大きかったですね。
例えば、「ケーキカットのイベントって誰が喜ぶのかな?」って思うんです。正直、前から疑問を持っていて。その代わりに「同じ釜の飯を食う」という意味を込めて、みなさんのごはんをふたりで注ぎました。ケーキカットとは違い、ふたりで作業しながらも一人ひとりゲストの方と話をしながらご飯を渡す時間を設けることができて、ゲストが楽しめる体験にできたかなと思っています。
池田:
お話をお伺いしているだけで、盛り上がり具合が目に浮かんできます、、!挙式はどうでしたか?
YOPPYさん:
挙式は、自分のルーツを改めて感じる機会になりました。
はなむけの言葉で、父が自分は記憶に無いくらい小さい頃のことを話してくれたり、友人が自分のことを褒めてくれたりして、色んな角度から自分のことを感じられました。「らしさがずっと変わらないんだね」と伝えてくれた人もいて、自分の小さい頃から今日までのことが結婚式を通じて伝わったんだな〜と思い、嬉しかったです。
一哲さん:
僕は誓いの言葉が良かったです。書いている時間から既に良い時間でしたね。
YOPPYさん:
彼は、挙式中だけじゃなくて、誓いの言葉を事前に書いている時も、清書をする時も泣いていました。笑
なんでそんなに泣いてるんだろうと思ったら「私のことを考えてたら涙が出てきちゃった。」と言ってくれて、すごく嬉しかったです。それも良い思い出ですね。
一哲さん:
もういい大人なので泣かないようにしようと思っていたけど、気づいたら泣いてしまっていました。笑
池田:
ぐっと来るものがあったんですね。その思い出も素敵です・・・!
ゲストの皆さんからは、どんな感想がありましたか?
一哲さん:
手紙やポートレートはもちろんですが、自分のゲストのほとんどは建築関係の仕事をしている人だったので、建築やインテリアのデザインがミニマルでカッコよかったという声をたくさんもらいました。最後に自分たち宛にメッセージカードを書いてもらう場面があったのですが、挙式会場のディテールを想像して断面詳細図を描いていた友人がいました。よっぽど気に入ったんだと思います。笑
YOPPYさん:
「お料理が美味しい」という感想もたくさんありましたね!私のゲストはデザイン関係の仕事をしている人たちが多いのですが、空間やドレススタイル、料理、メニューデザインという細かい部分までセンスがいいと好評でした。
おふたり:
何よりも一番大切にしていた「感謝の気持ちを伝える」を手紙で実現できてとても安心しました。
そして、ゲストのみんなに斬新かつ設計しつくされたこの空間と体験を楽しんでほしいと思ってIWAIに決めたのでその想いが実現してよかったです。
「祝われるのも悪くないんだなと思った。」
池田:
少し時間が経って、おふたりにとって「結婚式」とはどんな機会になりましたか?
一哲さん:
自分の人生をつくってきてくれたのは、大切な人たちだったんだということを改めて実感する機会になりました。本当にやって良かったなと思います。
YOPPYさん:
大切な人たちへの感謝を再認識できたこと、お互いのことを振り返れたことが大きかったです。結婚式には「披露して祝われる」というイメージを持っていたけれど、そうではない祝われ方があることを体験して、「祝われるのも悪くないんだな」と思えました。ゲストみんなの楽しんでいる様子が何よりも嬉しかったです。
これまでのイメージとは違うこの「祝われること」を、今後の節目でも大切にしていきたいと思っています。まずは、この情勢が落ち着いたら、リアルでの参列ができなかった両親と親族のみんなとまたIWAIでパーティーをやりたいと思っています。
式場探しから式当日まで一貫して、「『ゲスト』に感謝の気持ちを伝えたい」「『ゲスト』に楽しんでほしい」という気持ちを中心に結婚式をつくってきたおふたりの、ゲスト想い具合に感動させられっぱなしでした。
新型コロナウイルス感染症を取り巻く不安定な情勢の影響を受けたおふたりですが、それでも素晴らしい1日を迎えることができたのは、このおふたりの人柄とそんなおふたりの元に集まったゲストのみなさまあってこそなんだろうと感じます。
そんなおふたりのこれからに、ご両親ご親族のみなさまとのパーティー始め、IWAIがご一緒していく未来が楽しみでなりません。
一哲さん、YOPPYさん、今回はありがとうございました!
執筆・編集:池田瑞姫
画像撮影:kuppography