【告白】CRAZYが生まれ変わります。新しいパーパスについて、社長と話をしてみました。

こんにちは。CRAZY MAGAZINEライターの佐藤史紹です。この度、創業から8年が経ったCRAZYは、「世界で最も人生を祝う企業」というこれまでのビジョンの役割を終わらせ、新パーパスを設定することになりました。

今回は、パーパスの設定と共に、サイトリニューアルや事業のブランドチェンジ、経営戦略を、こちらのスライドにまとめています。ぜひご覧ください。

※スマートフォンの方は、画面を横にしてご覧ください

そして、この記事は、CRAZY代表の森山に対して、パーパスの成り立ちや背景をインタビューしたものです。表面的なものではなく、グッと核心に近づけるように深く対話をしました。とてもオープンな内容になっていますが、皆さんなりに受け止めていただければ幸いです。


佐藤:
森さん(森山和彦)、よろしくお願いします。今回新しく設定したパーパスですが、手前味噌ながら、すごくすんなりと腹に置ちてきた印象があります。前ビジョンができた時は、嫌すぎて直接抗議をしたくらいでしたが(笑)なぜか今回は自然に受け入れられています。どうしてこんなに感じ方が違うのか、自分なりに解明したいと思っています。ぜひ、今日は資料には書いていないような、パーパス設定の背景や、森さんの個人的な想いの部分を聞かせてください。


森山:
そうだね、前回のビジョンを発表した時、さぶ(佐藤のあだ名)は本当に暗い顔してたね。今回は受け入れられているようで嬉しいよ。(笑)

その理由はきっと、今回のパーパスが僕たちの中心とつながっているものだからかもしれないね。前のビジョンを変えようと思い始めてから、様々な経験を通してパートナーシップについて悩み考えてきたからこそ、今、こころからその大事さを信じて語れているんだろうね。

ビジョンをパーパスに変えようと思ったきっかけ


佐藤:
いつ頃からビジョンに違和感を持っていたんですか?


森山:
去年の9月ごろからかな。7月に行った社内イベントの時に、ビジョンに沿った経営戦略や経営体制、各部署への個別目標まで渡して、過去にないくらいしっかりとした戦略発表をしたよね。発表当初は「やるべきことが見えて前に進めそうです!」という声もたくさん受けて、順調なすべりだしだと思ってた。

けれど、当時取り組んでいた、新規事業の開発が思ったよりも成果が出なかったり、PJの頓挫が続いて、組織が失速している感覚を得たんだ。そこで、根本の原因がビジョンや目標が腹落ちしていないことだと考えた。組織としてうまく一枚岩になれてなかったんだね。


佐藤:
その頃のことはすごく覚えています。多くの人が元気がないというか、迷っているというか…..。不安を抱えていたような気がしました。「組織ビジョンと、自分のビジョンをアラインしよう」と言っている人自身が迷っているのが見えたりして、違和感ばかりが募っていました。ちなみに、森さんはどうだったんですか?


森山:
僕も正直に言えば100%じゃなかった。ビジョンを設定した当初は、腹に落ちていたけど、語り続けることや行動し続けることができなかった。今思えば、「今回はみんなで作ったから」という気持ちがどこかにあったんだと思う….恥ずかしいね。

いいビジョンだけど、熱狂するビジョンかと言われると、うーん、という感じだったよ。トップがこんな感じだから、社内でもこのビジョンがすごくいいって人と、どこか面白くなさそうな人と価値観が分かれている感じがしてた。


佐藤:
森さんもそうだったんですね。確かにその頃は、何かに苦しんでいるような印象でした。どんな経験がパーパスの元になっているのですか?


妻であり共同創業者である山川咲の卒業


森山:
実は、ちょうどその頃、パートナーの咲(山川咲:森山の妻でCRAZYの共同創業者)とのパートナーシップについて悩み始めた時期だったんだ。子どもも生まれたから、子育ての時間と経営の時間の比重が大きくなっていって。夫婦の時間が全然取れなくて。元々、全てのことを話しあいながら経営してきてたから、コミュニケーションの量が減ると、家庭面でも仕事面でも影響が出てしまっていたと思う。本当にみんなに迷惑かけたね。


佐藤:
社内でも、「森さん!咲さん!仲良くしてください」みたいな、冗談半分の訴えみたいなものもありましたね。(笑)


森山:
うん、そうだったよね、ごめん。全体の売上は上がっていたんだけど、高い目標を設定して取り組んでいた商品開発の成果が出なくて、社員はどんどん疲弊していくし。咲も先頭に立って頑張ってくれた結果、体を壊しちゃって。彼女が療養のために海外に一人旅にいった時は相当大変だったよ。仕事も家庭も全部自分でやらなければって思ってた。役員には相談できたけれど、でもやっぱり一番話したかったし、話すべきだったのは咲だったんだよね。そうこうしているうちに、半期の終わりがきて。


佐藤:
日常の業務や、各部署ごとの目標達成がギリギリという中で、組織もガタガタになってきてましたよね。そこで、みんなで「CRAZYの未来を考えようの会」とか開いたりしました。事業も組織もいっぱいいっぱいになっていた記憶があります。


森山:
CRAZYを辞めたいという話もちらほら聞くようになってたのを覚えているよ。そんな中で咲が療養から帰ってきて、「会社を辞めたい」って伝えてきたんだ。彼女なりに会社の未来や、家族のことを真剣に考えてくれた結果だったんだけど、正直、最初は腹が立ったな。社員のために、家族のために、全部自分で背負っていたのに、君が…。ってね。でも、話して冷静になっていくと、自分が咲に依存していたことに気づいたんだ。


佐藤:
依存ですか?


近いことだけが、良いパートナーシップではない


森山:
ずっと一緒に経営をしてきたから。「一緒ならなんでもできる」が、「一緒にいなければならない」に変わっていたんだろうね。でも、「きっと別々にやった方が、森ちゃんも楽しいよ」と言われてハッとした。確かに、経営者として1人で決断して、物事を進めていける方がパフォーマンスがでるかもしれないって。そして、夫婦で別のことに取り組めば、家族の中の楽しみが2倍になるってね。

最初は、関係を断ち切られたと感じたけれど、お互いの本音に耳を傾けて、話して、溶け合ったら、一緒に生きる未来が見えてきた。きっと、いつでも近くにいることよりも、適切な距離をとることが大事なこともあるんだろうね。

そこから、これは会社にも言えることだなって思いはじめた。卒業する人がいるのは寂しいことだけど、僕らは人間だから価値観も変わるし、年を重ねれば求めていることも変わっていく。組織も人も変わっていく中で、求めていることが違うとなれば、卒業をして新しい関係性になるのも、自然なことだと思ったんだ。


3泊4日の沖縄合宿で結び直した、社員との関係性


佐藤:
それで、今年1月に沖縄の離島で行なった3泊4日の合宿に繋がるんですね。あれは、あの時の森さんの言葉を使えば、「僕たちが信じていること」を感じにいく合宿でしたね。


森山:
そう。ビジョンが受け入れられていないということに気づいてたから、ビジョン以外でみんなをつなげるものが必要だと思ってて。だからこそ、CRAZYがずっと大切にしてきた、人間としてのコミュニケーションをとる場を体験してもらいたいと思った。


佐藤:
沖縄で過ごした時間は忘れられません。日々の仕事から離れて、お互い本音を語り合いながら、一緒に浜辺で寝たり、キャンプファイヤーをしたり。その中でも印象的だったのは、「自分がここで捨てたいものはなにか?」という問いかけに対して、「CRAZYをあきらめかけていること」という自分の本音が出てきたことでした。

人事として働きながら、組織が大変な状況だったり、みんなが苦しんだりしているのに対して、何もできていない後ろめたさから、目を背けていたんだと思います。そのことに気づいた時、情けない気持ちと、それでも一緒に戦ってくれているみんなへの感謝が溢れて、愛おしさが溢れてきました。


森山:
そうやって、自分の本音に気づいて、それを仲間に共有して、一緒に未来に向かっていく体験をしてゼロに戻りたかった。そして、その上で、これから先、一緒に働くのか、卒業をするのか、会社との距離感を選んで欲しいと考えてたんだ。


佐藤:
多くの人が関わり方を変えましたね。


森山:
結果として、取締役2名、執行役員3名含む15名の社員が卒業しました。経営的に大変な打撃なのは重々承知なんだけれど、信じることが一緒の人たちと、好きなことをやろうと腹をくくれたんだよね。


深い経験と繋がるパーパスだからこそ、力強く語れる


佐藤:
咲さんの卒業、そして、役員を含む社員の卒業などを経て、新しいメンバーでのCRAZYが始まりましたね。


森山:
そう。そして2020年3月24日に、今回のパーパスを社内発表。目標で繋がるのではなく、根源的に信じているもので繋がりを持つことが、今の僕たちにとっては最適だとおもったからビジョンは廃止した。Doingで人を引っ張っていくんじゃなくて、Beingでつなげることが重要だと思ったんだ。


佐藤:
なぜ、このパーパスがすんなりと腹落ちしたのかがわかった気がします。それは、森さん自身も僕自身も、パートナーシップに悩み、それを乗り越えたという経験を持っているからなんですね。


森山:
そうだね。深い経験と結びついているからだと思う。仲間との別れや、様々な現実と理想の違い。悲しみの中で絞り出すようにして、見出したこの可能性に、みんなの想いが乗っているんじゃないかな。

さらにその後に訪れた新型コロナウィルスによる事業継続の危機が、また僕らを強く結び付けているし、今は本当にピンチだけどチャンスだと心から思えているのも、今までのプロセスがあったから。コロナの前にあった本当の危機を乗り越えたからこそ、今こうやって新しい未来をどんどんつくっていけているんだと思う。


佐藤:
今回のパーパスは大事に育てていきたいですね。


森山:
そうだね。最近、改めて僕は、自分ができることが本当に小さいなって気づいたんだ。きっとできるのは、一番強く、このパーパスを伝え続けていくことだけ。でも、僕はそれをし続けたいと思うほど、このパーパスが好きだよ。

CRAZYのみんなもそうだけど、会社や業界という枠を超えて、共感してくれる人と手を組みながら、人と人が愛しあえる世の中を実現していきたいね。

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