2020.10.22

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装飾のない結婚式も選択できる。サイトリニューアルに合わせて、ブランドを再定義したCRAZY WEDDINGのこれから。

お客様の様々な要望に合わせて、オーダーメイドのオリジナルウェディングを提供する、CRAZY WEDDINGが、新しいブランドサイトをオープンしました。そこで今回は、執行役員兼CRAZY WEDDING事業責任者の遠藤理恵さん、事業部マネージャー兼プロデューサーの田口好美さん、アートチームリーダー、森平有香さん、の3名から、ブランドを再定義した背景と今後について伺います。お話を聞く中で感じたことは、今回の取り組みが、ただの言葉の整理に止まらず、サービスを磨き、メンバーの気持ちや働き方に影響を与え、そして結婚式の未来を変える可能性のあるものだということです。創業時から続いているブランドを再定義することの難しさを乗り越えて、3人が目指したい未来についてお伝えします。

遠藤理恵:執行役員 事業責任者
株式会社CRAZYの創業メンバー。現CRAZY執行役員。小学校から高校までバスケットボールに明け暮れ、高校では東京都優勝の実績を残す。新卒ではCRAZY代表の森山と同じ会社に入社、営業職としてタイトルを総なめにする。その後、美容業界に転職し、企画・営業の分野で奮闘する中、森山とCRAZY WEDDING創業者山川との再会をきっかけに、CRAZYの創業メンバーとしてジョイン。創業当初から組織づくりや大きな意思決定をする際には、論理的観点だけではなく自身の感性、感覚も大切に経営に携わっている。

田口好美:マネージャー兼プロデューサー
「自分を信じ続けた先に幸せが待っている」と伝え続けることをモットーに、大阪支社にて支社のチームづくりにも貢献し、現在CRAZY WEDDINGのチームづくりの中心を担っている。更にブライダル専門学校で講師も務め、結婚式の価値を多様なカタチで届けている。

森平有香:アートチームリーダー
「自分に与えられた力を、どんな時も、絶対に止めないで、使い続ける生き方をしたい」という強い想いを持ち、そんな自分のあり方を体現することで、その人らしいクリエイティブな生き方を追求しつづけることを決意。良いモノが生み出される場所は、優しいプロセスが存在していることを信じ、マネージメントにも力を入れている日々。犬とプロ野球が大好きで、休日は保護犬のボランティアか野球場にいることが多い。

- はじめに、ブランドの再定義に至った背景と概要を教えてください。

田口:

創業当初はあまり行われていなかったオリジナルウェディングが、徐々に市場に受け入れられるようになり、「ビジュアルや写真だけではCRAZY WEDDINGだとわからないね」という声を聞くようになりました。私たちとしては、単なるオリジナルウェディングではなく、“人生が変わるほどの結婚式”と定義してやっていたけれど、世の中にそれが伝えれていなかったのが、すごく悔しくて。

お客様に寄り添うからこそ、オリジナルな装飾や演出をプロデュースしてきたのですが、「奇抜な結婚式をやるところ」といった印象をもたれることも多くて。描いているブランド像と、世の中の認識にズレに課題感を感じて、表現の仕方を模索していました。
 

森平:

クリエイティブチームを率いてきた中で、この数年で、他のサービスとの差別化ができなかったのは、クリエイティブに一因があったかもしれないと考えていました。お客様の要望をかなえながらも、あえてわかりやすく差別化したり、既視感のないビジュアルをつくろうとしたこともあったけれど、本当はそこで勝負をしたいわけじゃなかったんです。

CRAZYには「本質的に・美しく・ユニーク」というバリューがあります。その中の「美しくてユニーク」なだけではなく、「本質的に」という要素を加えた装飾を生み出すことが、私たちの届けたいことであり、お客様から選んでもらえるポイントでもあると、改めて思い直し、それが伝わる様なコミュニケーションをしようと考えました。
 

遠藤:

背景としては、まさにコニー(田口の愛称)とゆか、がいってくれている通りで、私たちも同じ事業を続けていく中で、無意識のうちに“あたりまえ”ができ、それが選択肢の幅を狭めていたことを感じていました。

今回、ブランドの再定義をする中で、改めてこのブランドが目指しているミッションを「結婚式の可能性を追求する」に設定しました。そして、9年間の歴史の中で積み上げてきた、様々な結婚式を、お客様のご要望ごとに「the Story」「the Color」「the Will」の3つに分けて整理しました。CRAZYのパーパスの刷新でもあった通り、より関係性を重視して、多様なお客様に、多様な方法で価値を届けられることを知ってほしいなと思っています。
 

これまでの事例を大きく分けた時に、3つのタイプにまとまったということですね。それぞれどんな特徴があるのでしょうか?

遠藤:

前提、タイプによってサービスのクオリティやプロセスなどを明確に変えているわけではありませんが、“そのお客様にとって、結婚式とはどんな機会なのか”という問いを元に、わかりやすく整理しました。

一つ目は、「the Story」です。

「the Story」の事例:Secret Aquarium @京都

偶然職場で出会ったお二人。水族館が好きだということで遊びに行った水族館で運命を感じます。二人にとって”水族館”は、小さな頃から心が許せる唯一の場所であり、静かに想像を膨らませられる特別な場所。・・・(事例をさらに詳しく知る)
 

遠藤:

「the Story」は、大切にしている景色、大切にしたい風景がある、お二人の結婚式です。「子供の頃から、心が許せる唯一の場所だった水族館に、大切な人を招きたい」「天国から見守っている家族のために、バージンロードを歩きたい」というように、場所やシーンが、お二人の人生の物語と深くつながっているような結婚式です。お二人の中に明確な意図や、想いがあり、それを編集して、わかりやすく伝えるためのお手伝いをさせていただきます。

二つ目は、「the Color」

「the Color」の事例:Kai @横浜 / UNION HARBOR

大学のサークルで先輩後輩として出会い、長い交際を経て結婚を決めた二人。自由奔放で気ままな新郎様に不安を募らせ、一度別れを選んだこともありました。たくさんの愛情を受け取り、穏やかに生きていくことができる二人でしたが、そんな風に順調に思える人生の中でも、実は叶えたいと願う夢がありました。・・・ (事例をさらに詳しく知る)
 

遠藤:

「The Color」は、これまでのCRAZY WEDDINGを最も踏襲しているものだと言えます。ヒアリングを通して、お二人のこれまでの人生を言語化し、目指している未来を紡いでいきます。そこで見つけたコンセプトと世界観を、装飾やコンテンツで表現することで、大切なゲストにお二人のカラーを知ってもらう機会を生み出します。

そして、最後が「the Will」

「the Will」の事例:Summer Sonic 2018

CRAZY WEDDINGで結婚式を挙げたお二人と結婚式の可能性を試す実験をしてみました。新郎新婦はフェスが趣味のお二人。当日は晴天にも恵まれ、DJが流す音楽をバックに挙式。突然のイベントだったにもかかわらず、お二人を祝福しようと300名以上のゲストが集まってくださいました!・・・(事例をさらに詳しく知る)
 

遠藤:

最後の、「the Will」は、自分の人生を通して実現したいことや、伝えたいことがある人向けの結婚式です。例えば、「地元の地域活性化のために、ウェディングの機会を使って何かしたい」というように、お二人の意志や夢をかなえる手段として開催したい人。そういう方々に対して、結婚式という常識の枠を超えて、お二人のやりたいことの実現のために、アイディアとクリエイティブを提案していくものです。
 

田口:

どのタイプも、お二人が結婚式をどう捉え、それに対してCRAZY WEDDINGがどう関わるといいのかを明確にしています。そうすることで、重心の置き方が明確になりました。
 

森平:

装飾の面からいうと、「the Color」を選ぶのは、会場があって装飾やコンテンツを想像しながら自分らしさを表現したい方々かなと思っています。だからこそ、装飾を通して、お客様の人生を表現するのがポイントになるんじゃないかな。「the Story」と「the Will」は、ベースが全くない中で、結婚式自体を、お二人の意志に合わせて再定義していきます。装飾というよりは、スペースデザインに近い感覚です。
 

田口:

逆に「このお客様に装飾は必要ないかもしれないね」という話も、プロデューサーとアートディレクターでフラットにできるようになったのは、革新的なことだよね。

森平:本当にそう。装飾をつくることだけがクリエイティブじゃない。お二人の人生を表現する手段として適さなければなくしてもいい、という意思決定ができる様になったことで、提案の幅を大きく広げることができました。
 

ブランドサイトの冒頭にある 『ここには、「私たちの結婚式」がある。』という文言は、どんなお客様に対しても、そのお二人にとっての理想の結婚式を提案する、という意志の現れなのですね。このブランドの再定義によって、チーム内での意識の変化はありましたか?

田口:

ビジョン・ミッション・強みが明確になったことで、私たち3人の連携もスムーズになりましたね。「結婚式の可能性を追求する」という言葉のもと、これまで手を広げてこなかった、2人だけの挙式や、装飾だけ、プロデュースだけの結婚式なども幅広く作れるようになりましたし、過去や常識に囚われず、自分たちがこの時代の結婚式を模索するんだ、という意識が芽生えてきたように思います。
 

森平:

ビジュアルとしてのデザインも、もちろんですが、体験や感情のデザインをすることが、一番の強みだということに確信がもてました。それに、「結婚式の可能性を追求する」という言葉によって、改めて、お客様にとっての結婚式を、ゼロから再定義していいという前提を得られました。大袈裟かもしれませんが、現場でつくっているメンバーの心は解放され、視野は広がったように思います。
 

遠藤:

2人がいうように、チーム全体の気持ちにも変化がありましたが、私個人としても変わった部分があります。これまで、経営観点からみた時に、工数的にも費用的にも大きなリスクがある結婚式には、二の足を踏んでしまったこともありました。しかし、今は、可能性を追求する私たちだからこそ、難易度が高い機会にも果敢にチャレンジしようと、心のそこから“許可”を出せている感覚があります。創業時から育ててきたCRAZY WEDDINGを、よりパワフルに前進させられることが嬉しいです。
 

田口:

私も実は、このプロジェクトの中で、思考が弾けた瞬間がありました(笑)ある話し合いの中で理恵さんが「サービスを届けているみんなが幸せであること。届けたいと思う結婚式を届けることが大事なことだよ」といってくれた時のことです。

それまでは、時には自分を犠牲にしてでも、お客様とブランドを守らなきゃならないと肩肘を貼って、見えない何かと戦っている感覚もありました。でも、お二人に幸せを届ける私たちが、自分たちの幸せについても考え、あったらいいなと思う結婚式を考えることは、とても大事なことだと思えたんです。そうやって、自由な発想でお客様と向き合い、固定観念に縛られない提案をしていくことが、CRAZY WEDDINGの強みなんですから。

そのような考え方から、新しいブランドサイトには、メンバーが世の中にあったらいいなと思う提案を投稿する「INSPIRATION」というページをつけました。アイディアに共感した方が、実際に応募できるような仕組みも用意しています。

愛犬家の結婚式・・・愛犬家の森平が考えた結婚式。わんちゃんを“ペット”ではなく“かぞく”と捉えて式をあげるのが当たり前になる世界を表現しています。
 

遠藤:

これは本当にいい仕組みだよね。今までは、目の前のお客様が望まなければ、どんなにやってみたいアイディアがあっても実現することはできなかったけれど、この仕組みによって、自分が表現したいものを世の中に対して提案することができる。そのセンスやアイディアに共感する方が、お客様としてきてくれる未来を想像したら、ワクワクするね。

自分が提案したことで、ブランドを成長させ、ブランドが成長することで、自分の提案できることが増えていく。そういう循環を生み出すことができれば、極論言えば、プロデューサーという仕事を一生続けることもできますよね。実はこの仕組みを使って、私もプロデューサーをやってみたいって思っています(笑)

-サービス・組織・個人のそれぞれに対して良い影響がありそうですね。今回のブランドの再定義を経た上で、これから目指していきたいことを教えてください。

森平:

先日新しくオープンした新会場「BENE-」「IWAI OMOTESANDO」があるなかで、“人生”を扱うサービスとしてのCRAZY WEDDINGを続けられることは、すごく嬉しいことだなと感じています。今回のキャッチコピーである 『ここには、「私たちの結婚式」がある。』という言葉の意味は、お客様自身が「私たちにとっては、これこそが結婚式だ」と自信を持てるということでもあります。そう確信させてあげられるくらい、お客様の心と人生に繋がるクリエイティブを生み出し続けていきたいと思っています。
 

田口:

競合サービスの存在も考慮して、ブランドの整理をした結果、逆に、ある意味では競合はいないんじゃないかなと思い始めました。強みが違うからこそ、業界の方と手を結べるかもしれません。例えば会場設備が素晴らしいホテルなどに入らせていただいて、そこに発想力やクリエイティブを提案していく。そんなコラボレーションもさせてもらえたら嬉しいです。

ブライダル業界で働く方はきっと、みなさん「お二人のために」という気持ちを持って働いています。だとしたら、本当にお二人のための結婚式を生み出すために、お互いの得意な領域で協力しあって、業界自体を一緒に盛り上げていきたいです。
 

遠藤:

今回、「人生が変わるほどの結婚式」というタグラインは、変わらずに残っています。その言葉通り、引き続き、人生が変わるほどに、お客様に対して心をつくすブランドであることは追求していきます。そして、それと同時に、提供している自分たちが幸せであることも大事にしていきたい。お客様の人生に寄り添っていくためには、やっぱり自分たちが人生や幸せに対して向き合っていられる状態が必要なんだと思うんです。

まずは私たち自身からチャレンジしていくことによって、ブライダル業界に対しても、いい影響力を発揮できたらと思っています。そして、1人でも多くの人が、結婚式の仕事を魅力に感じ、自分の人生とリンクさせながら幸せに働く未来がくることを願っています。

▶︎CRAZY WEDDINGの新しいブランドサイトはこちら


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