2024.12.11

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会社をつくり直す覚悟で挑んだ、結婚式後も人生に寄り添う新サービスーCRAZY ANNIVERSARYとは?ー

株式会社CRAZY(以下、CRAZY)は、2024年12月11日に新サービス「CRAZY ANNIVERSARY」をスタートすることになりました。

CRAZY ANNIVERSARYは、 CRAZY WEDDINGで結婚式を挙げた全てのお客さまを対象とした、ふうふの記念日のための宿泊サービスです。ふうふがお互いに想いを伝え合い、愛情で満たされる体験が起こる結婚式。あの日の感覚を思い出せるような一日を、独自に開発した音声ガイドアプリや「SANU 2nd Home」での1泊2日の滞在を通じてお届けします。

結婚式を届けてきたCRAZYが、なぜ宿泊サービスをスタートさせるのか?リリースに至るまでどのようなストーリーがあったのか?

「実は、7年前から構想はあった」というCRAZY代表の森山に、話を聴いてみました。

株式会社CRAZY 代表取締役
森山 和彦(もりやま かずひこ)

大学卒業後、人材コンサルティング会社に6年半在籍。2012年7月に株式会社CRAZYを創業。2019年には初の自社店舗「IWAI OMOTESANDO」をオープンし、大手業界クチコミサイトにて東京エリア内の結婚式場で総合1位を獲得。2020年3月にはパーパスを刷新。第二創業として新たなビジネスモデルの開発に注力し、2024年12月に長年構想を温めていたCRAZY ANNIVERSARYをリリース。

ずっとやりたかった、CRAZYの “悲願”

―新サービスのリリースおめでとうございます。CRAZY ANNIVERSARYのスタートには、どのような願いが込められているのでしょうか?

森山:僕たちCRAZYの軸となっているのは、「愛は みえる。」というブランドメッセージです。結婚式はそれができる素敵な機会なのですが、あくまでも“点”になってしまう。それを線にしていきたくて、ここ数年は、「愛を “残る” 形で保存できないだろうか」と、ずっと考えてきました。それがようやく形となったのが、CRAZY ANNIVERSARYです。

CRAZYのブランドメッセージ

―愛を “残る” 形で保存する?

森山:多くの人は、「自分は愛されているのか」という問いに、日常的には向き合っていないと思います。でも、とても人生に影響を与えるものであると思います。結婚式の準備を進める中で「自分は本当はこんなに愛されていたんだ」と気づき、両親や家族との関係が変わる人をたくさん見てきました。本当は、愛されていないんじゃなくて、愛がみえていなかっただけなんですよね。

親子でイメージすると分かりやすと思います。例えば、自分の子どもの頃の映像は残っていても「こんなふうに愛していたんだよ」という親の想いが語られている記録は、残っていないじゃないですか。親も一人の人間なわけで。当時は上手く伝えられなかった想いがたくさんあるはずなんです。それが届かないままだと、子どもはずっと「自分は愛されていない」と誤解し続ける可能性がある。

結婚式当日、親子のファーストミートで気持ちを伝え合うご家族

ふうふも同じです。お互いの愛がみえなくなると、「自分は愛されていない」と、愛そのものが無くなったように感じてしまう。その結果、ふうふの関係に亀裂が生じたり、喧嘩が多くなったり、一緒にいられなくなることだってある。

どうしたら、「愛されていない」と苦しむ人を減らし、本当は愛されているとみんなが気づけるようになるか。それはやっぱり、定期的に愛を伝える機会をつくり、その瞬間をちゃんと形で残していくことだと思うんです。

―CRAZY ANNIVERSARYの構想は、いつ頃からあったのでしょうか?

森山:ブランドメッセージである “愛はみえる。” を発表したのは2020年ですが、このサービスの構想自体はもっと前からありました。7年くらい前ですかね。「愛がみえる世界をつくりたい」という、僕自身の想いがサービスの原点にあります。

僕は、社会人になってから兄を自殺で亡くしました。兄は誰にも助けを求められなかったんです。言いたいことを言えないまま、この世を去ることになりました。家族に愛されてることも分かっていなかった。当時このサービスがあったら、兄は家族の愛を思い出せたかもしれない。今も隣にいる未来があったかもしれない。愛がちゃんとみえるということは、人が生きる上でとても重要なことなのだと思うようになりました。この経験は僕の人生に大きな影響を与え、愛がみえる世界をつくりたいという想いの原点になっています。

CRAZY ANNIVERSARYは、今はまだ小さな種ですが、ここから1万組、10万組と広がっていく未来がみえているんです。多くのふうふが愛に向き合い交換し合うことで、多くの子どもたちの未来も変わっていく。本当に世界をよくできるサービスだと信じています。

CRAZY ANNIVERSARYを体験するご家族

必要だけど顕在ニーズはない。そんなサービスをどう届けるか。

―長年温めていたサービスだったのですね。構想から7年かかったとのことですが、どのような道のりがあったのでしょうか?

森山:そもそも、こういったサービスのニーズは “顕在していない” という大きな課題がありました。

ふうふ間で改まって愛情を言葉にするとか、1年に一度でも振り返りの機会を持つとか、基本的には求めてないんですよね。「こういう機会が必要ですよね」と言われたら、「確かに大事だね」と共感してくれる方は多いかもしれません。だからといって、「大事だからやろうか」とはならない。仲の良いふうふだったら尚更「自分たちには必要なさそうだな」と思うのは、当然だと思います。

でも、順調な時こそ取り組んでいくべきなんです。愛は健康と同じで、予防が大切。ふたりの間にある愛をずっと忘れないように、もっと育んでいけるように、今から大切にしていくことが必要。

そして、誰がそれをふたりに伝えるのが適切か?と考えると、やっぱり婚礼事業者なんですよね。ふたりの愛が最もみえる瞬間に立ち会う私たちこそ、その愛を保存する重要性を伝えられる。

そこで、まずは婚礼事業のビジネスモデルをもう一度見つめ直すことにしました。これはターニングポイントの1つでしたね。見直してみることで、あらためて気づくことがありました。

CRAZY WEDDINGの結婚式での一幕

―それはどのような気づきだったんですか?

森山:注目したのは、お客さまとの接点の深さと長さです。

CRAZY WEDDINGは、結婚式をたった一日のイベントではなく、ふたりの人生の節目を祝う機会と捉えています。そのため、結婚式に向けた打ち合わせも、装飾や招待状などの話より、ふたりの人生の話をする時間が圧倒的に長く設けられています。

そんな独自のプロセスを通して、プロデューサーがふたりの人生に寄り添い、ふたりと深くつながりながら、本音を引き出していきます。人によっては、初めてパートナーや両親と本音で話すきっかけになったり、関係性が大きく改善されることもある。結婚式を終える頃には「こんなに愛されていると思わなかった」と、多くのお客さまが言うんです。そのプロセスを形にしたショートドラマがあるので、よかったら見てみてください。(ショートドラマはこちら

ありがたいことに「結婚式が終わってしまうのがさみしい」「早くまた戻ってきたい」と言ってくれる方もとても多くて。実際、OBOGの方向けのイベントやディナー会はいつもすぐ満席です。

プロデューサー主催のIWAI OMOTESANDO5周年パーティーにて、お客さまをお出迎えする様子

プロデューサーも、もっとふたりの人生を長く支えたいと本気で願っています。でも、結婚式が終わってしまうと、「これからのふうふの人生」について一緒に考えるのがどうしても難しくて。

この構造が見えた時、全てがつながった感覚がありました。お客さまがつながりを求めていて、社員も深く関わりたいと思っている。CRAZY ANNIVERSARYなら、それを叶えることができる。

そのために、ビジネスプロセスから全て変えることに決めました。

価値を届けるため、ビジネス構造から全部変えた。

―ビジネスプロセス を“すべてを変える” とはどういうことでしょうか?

森山:婚礼サービスのビジネスモデルは、結婚式を届けることが一つのゴールとなっています。そのモデルのまま、結婚式が終わった後、唐突にCRAZY ANNIVERSARYをセールスするような形にはしたくなかった。このサービスは、結婚式だけでなく、その先の人生に目を向けて初めて価値が感じられるものです。真の価値を届けるためには、結婚式が終わった後ではなく、もっと前の段階からふたりの未来に想いを向ける時間が必要でした。

そこで、婚礼サービスそのものを「結婚式という人生の節目を祝うもの」じゃなくて「人生全体を一緒に考えていく」ものへアップデートすることにしました。結婚式に限らず、人生を共に歩むパートナーとして、CRAZY WEDDINGが存在する。

お客さまと深くつながって初めて、人生を一緒に考えることができる。全ての事業において「人と人がつながる」という体験価値の最大化を、ビジネスモデルのコアに据えることにしました。

事業戦略と営業フローも “お客さまと長くお付き合いできる” 形に変え、人事制度も、お客さまと関係性を築くことが評価されるように再設計。採用も見直し、より人間の深いところが好きな人が集まるようにしました。

取り組みをスタートしてから約1年半経過しましたが、体験価値の最大化を徹底したことで、IWAI OMOTESANDOの東京都クチコミはずっと1位ですし、会社としても過去最高業績を更新しています。何よりも、CRAZY創業以来、今が1番社風がいい実感があります。本当にやってよかったですね。

時間をかけてやっと、これまでやってきたことと、これからやろうとしていることが一致し始めています。土台が整い、ようやくCRAZY ANNIVERSARYをリリースすることになりました。

愛し愛される世界をつくるビジネスをやっていきたい

―CRAZY ANNIVERSARYを起点に、今後CRAZYはどのように展開していく構想があるのでしょうか?

森山:これからは、僕らのやってることに価値を感じ、CRAZYというブランドに共感してくれる人たちと、長く歩んでいけるような形を模索することが大事だなと考えています。

CRAZYは「パートナーシップの分断を解消する」というパーパスを掲げ、そのために必要な機会と勇気をさまざまな形で提供しています。機会と勇気が必要なタイミングは、人生の中でたくさんありますよね。だから、お客さまの人生に長く深く関わり、人生のあらゆるタイミングで機会と勇気を提供できるパートナーでありたいと思っているんです。

CRAZY ANNIVERSARYはCRAZYブランドを体現する中心に位置し、すべてのサービスの根幹の役割を担ってくれると期待しています。結婚式を挙げた後も、お客さまと毎年ずっとつながりを持つことができる。

お客さまとの接点をさらに増やすために、ウエディングの店舗のさらなる出店も構想しています。展開のすべてにおいて、このCRAZY ANNIVERSARYを共に提供していくイメージが、やっと描けるようになってきました。

付帯サービスとして、カウンセリングやエンディングの事業も。他にも、他社のカルチャーをつくるお手伝いなど。やりたいこと、野望はたくさんありますね。人々の人生全体に関わるサービスを、これからもやり続けていきたいです。

CRAZY12周年イベントで発表した今後の構想(2024年7月開催)

―最後に、CRAZY ANNIVERSARYのリリースに立ち合ってくださる皆様に、メッセージをお願いします。

森山:機会と勇気を通じて、人の人生が愛情に溢れていくような、愛し愛される世界をつくっていくことにずっと願いを込めてきました。

CRAZYと一緒なら、大切な人に「ごめんね」も「ありがとう」も言える。CRAZYがいてくれたおかげで、心の底から感動して、人生を愛せるようになった。

私たちは、お客さまにとってそんな存在でありたいと思っています。

CRAZY ANNIVERSARYは、CRAZYが一番大事にしていることをそのまま形にしたサービスです。ふうふの未来にとって、きっと “お守り” のような存在になるはず。ぜひ体験してみてください。

企画・編集:池田瑞姫、夜久早紀
執筆:林将寛
撮影(一部):kuppography
デザイン:岩田 優里


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