CRAZYは、2024年7月2日に創業12周年を迎えました。
これまで、毎年のように周年イベントを開催してきたCRAZY。毎回、今のCRAZYにとって必要な機会は何かを考え、企画をつくってきました。
今回の12周年イベントのコンセプトは「CRAZYVIEW.」です。「生きててよかった」と心から思える瞬間、一生目に焼き付けておきたい光景。そんな人生に訪れる奇跡のような瞬間を、“すべてを奪うほどの景色” という意味を込めて、私たちは「CRAZYVIEW.」と呼ぶことにしました。
これまでの12年間、ウエディングやキャリア支援事業を通じて、私たちは、皆さまとともに数えきれないCRAZYVIEW.をみてきました。これからも、皆さんとたくさんのCRAZYVIEW.をみたい。
私たちは、CRAZYVIEW.は決して特別なものではなく、自分のみかた次第でみえてくるものなのではないかと考えています。
人それぞれ、みたいCRAZYVIEW.は異なります。でも、CRAZYVIEW.をみるための方法やコツにはきっと共通点があり、ヒントになるはず。そう考え、今回は5名のゲストをお招きして、それぞれの人生を振り返りながら、CRAZYVIEW.のみかたを探っていきました。
本レポートでは、そんな約750名の熱気で溢れたイベント当日の様子を、お届けします。
(当日の様子は以下の動画よりご覧いただけます。)
みたい景色があるから、努力をしている(ゲスト:藤本美貴さん)
イベント一人目のゲストは、タレント・歌手・SNSと多方面で活躍し、プライベートでは3児のママでもある藤本美貴さんです。
「ありふれた日常に、幸せをみつける天才」
冒頭、CRAZYの社員からそう紹介され、はにかむ藤本さん。自然体で家族や周りの人から愛され、いつも幸せそうな彼女の姿に「どうしたら、こんな風に生きられるんだろう」と思う人も多いはず。
藤本さんが、自分らしく幸せな人生を歩み続けられる秘訣は一体何なのか。彼女のCRAZYVIEW.を切り取った写真とともに、理由を探っていきました。
「みたい景色は自分でつくる」
そんなメッセージが語られたのは、母の日にご家族から贈られたという手紙の写真です。
毎年、母の日や誕生日には家族から手紙をもらうという藤本さん。会場からの「羨ましい!」という声に「してほしいことは素直に言うし、まずは自分からするようにしています」と答えてくれました。
「この日は、家族みんなが手紙を書き終えているのに長男がまだ書いていなくて。『手紙書いてくれていいんだよ〜?』と自分から言いました(笑)」
母の日のエピソードとともに、普段から自分の望みを叶えるために行動していることを教えてくれました。藤本さんの日常の中にCRAZYVIEW.が溢れているのは、自分のみたい景色をみるために努力をしているからだとわかりました。
「私は、人生は走馬灯をつくる作業だと思っています。死ぬ前に『良い思い出ばかりだな』と振り返れることがたくさんある人生を送りたいんです」
大変でも、自分の幸せのために必要なことなら諦めない。その努力の積み重ねが、自分を人生の絶景へと導いてくれる。藤本さんのお話からは、そんなCRAZYVIEW.のみかたを教えてもらいました。
自分の弱さと向き合い、鼓舞し続けてきた(ゲスト:小島よしおさん)
イベント2人目のゲストは、「そんなの関係ねぇ!」「はい、おっぱっぴー」でおなじみの芸人、小島よしおさんです。
最近では、子どもたちの悩みや疑問に真摯に寄り添う姿勢が多くの人の共感を産んでいます。常に前を向いて生きる小島さんのもとには、子どもたちだけでなく大人からもたくさんのお悩み相談が届くそうです。
このステージでは、参加者から事前に募集した悩みや疑問に小島さん視点でお答えいただきながら、小島さん流のCRAZYVIEW.をみる心得を伺っていきました。
「長年、公の場で活躍し続けている小島さん。嫌なことを言われたり、されたりした経験もきっとあったと思います。それを乗り越えて、どんなCRAZYVIEW.をみつけたのか教えてください」という質問に対して、小島さんはこう答えました。
「まずお伝えしたいのが、こう見えて僕メンタルめちゃくちゃ弱いんですよ」
それを聞いた会場からは、「えー!」という驚きの声があがりました。
「僕のネタは、そんな弱い自分を鼓舞するために作ったものなんです。たとえば、所属していたお笑いグループが解散して仕事がなくなったときに作ったのが、『そんなの関係ねぇ!』。仕事が増えたら増えたで、今度は『来年消える芸人ランキング』で3年連続No1になっちゃって。そのときに考えたのが、『だいじょぶだいじょぶ~』です」
落ち込んだり悩んだりするたびに、自分らしくあれる生き方を探し続けてきた小島さん。自分と向き合い、弱さを受け入れ鼓舞し続けてきた姿勢に、CRAZYVIEW.をみるヒントがありました。
「僕のCRAZYVIEW.は、僕のネタを通して元気になる人がいること。『これ以上前に進めないよ』と思っている人が僕のステージを見て、『もうちょっと頑張ってみようかな』と思ってもらえると嬉しいですね」
自分を受け入れ、等身大で生きる小島さんの言葉は多くの人の心を動かし、いつの日かその人たちの姿そのものが、小島さんにとってのCRAZYVIEW.となっていました。
自分らしさを見失わないよう、表現することを諦めなかった10年間(ゲスト:白濱イズミさん、小橋賢児さん)
3つ目のステージは、白濱イズミさんと小橋賢児さんの対談です。
白濱さんは詩人として活躍する一方で、モデル・タレント「ラブリ」の一面も。小橋さんは、過去に俳優として数々のドラマや映画に出演し、現在はクリエイティブディレクターとして活躍しています。
モデル、俳優としてキャリアをスタートし、現在は異なる分野へ活動の幅を広げている白濱さんと小橋さん。これまでの10年を振り返りながら、ふたりのCRAZYVIEW.に迫りました。
ふたりの出会いは、10年前のファッションショー。白濱さんはモデル「ラブリ」として、小橋さんはクリエイティブディレクターとして参加していました。白濱さんが俳優時代の小橋さんを知っていたことから、SNSを交換。後日、小橋さんは白濱さんのSNSを見て「あること」に気づいたそうです。
「イズミちゃんのアカウントを見ていたら、本人よりもアートの写真がたくさん掲載されていたんですよ。どれも素敵で、『誰の作品なんだろう?』と気になり、連絡をしたんです。そしたら、全部イズミちゃん本人が書いたものだと聞いて驚きましたね(小橋さん)」
俳優として第一線で活躍していた頃から、演技以外にもいろんな表現にチャレンジしたいと思っていたという小橋さん。しかし「俳優としてのイメージがあるから、二足のわらじを履くのはよくない」という周囲の声から、本心に蓋をしていた時期もあったそうです。悩んだ結果俳優業を休止して、視野を広げるため世界を旅することに。その中で、クリエイティブディレクターという仕事に出会います。
そんな小橋さんだからこそ、モデルをしながらアートで自分自身を表現し続ける白濱さんに、とても共感したと言います。
一方白濱さんは、小橋さんからの連絡で「私に気づいてくれる人がいた」と感じたそうです。
「モデルのお仕事では、自分の内側に光があたることはあまり多くはありません。でも、本当はもっといろんな私がいる。いろんな感情を持っている。それを表現する手段が、当時の私の場合はアートでした。SNSにほそぼそとアップしていただけなんですけど、小橋くんがメッセージをくれて。『自分の気持ちに共感してくれる人がいた』と、すごく嬉しくて自信になったのを覚えています(白濱さん)」
ふたりが出会って10年。今、白濱さんは詩人としてアーティスト活動をしながら、化粧品やベビー用品をプロデュースするように。小橋さんは、東京2020パラリンピック競技大会閉会式のショーディレクターを、そして2025年には日本国際博覧会(大阪・関西万博)の催事企画プロデューサーを務める、世界を股にかけたクリエイティブ・ディレクターになりました。
「モノづくりも、私の中ではアートや詩で表現してきたことと大きくは変わらないんです。これからはもっといろんな方法で伝えていけたらと思って、プロダクトで表現することを始めました(白濱さん)」
「僕は悩んでいるときに世界一周をしました。そのときに、『人生も世界一周も同じだな』と気がついて。どちらも、ハプニングばかりで思うようにいかないことがたくさんある。だからこそ出会える景色があって、そこに目を向けるとCRAZYVIEW.がみえてくるのだと思います。そして、そういう景色をみたとき、内なる自分の声が湧き出てくる。人がそれに気づくきっかけを作りたくて、僕はクリエイティブディレクターをやっています(小橋さん)」
10年の歩みを振り返り、「自分らしさを見失いたくない」と前に進み続けた日々に、たくさんのCRAZYVIEW.があったことを語ってくれた白濱さんと小橋さん。“自分らしさ”を信じて進み続けるふたりの姿から、CRAZYVIEW.のみつけ方のヒントを教えていただきました。
蓋をしていた感情と向き合い、みえる世界が変わったこの瞬間が私のCRAZYVIEW.(ゲスト:江連千佳さん)
フィナーレのステージは、CRAZYの社員が入社時に行う「ライフプレゼンテーション」をゲストに行っていただきました。ライフプレゼンテーションとは、ありのままの自分と向き合った上で、自分は何者なのか、どんな人生を歩んでいきたいのかを宣言する機会です。
今回ライフプレゼンテーションに挑んでくれたのは、現在、東京大学院に通う江連千佳さん。学生でありながら、Z世代の起業家としても注目されています。傍からは順風満帆に見える彼女の人生には、一体どんなありのままの姿があったのでしょうか。
「『その原動力どこからきてるの?』起業家としての私と出会った人が、よく投げかけてくれる質問です。私は大抵、『社会への怒りですかね』なんて答えてきました」
そんな言葉からはじまった、江連さんのライフプレゼンテーション。
彼女の原動力の背景には、友人の死がありました。自らその道を選んだ友人。「彼女の選択を否定してはいけない」と自分の感情に蓋をして、やり場のない悲しみはいつの間にか“社会への怒り”に変わっていました。
その怒りは想像以上の力となり、江連さんは起業家として注目されるように。しかし、次第に自分の心とは裏腹に「こうすれば社会から認められるだろう」という言動ばかり口にしていました。苦しくても「これだけボロボロになって頑張っていれば、誰も私を責めないだろう」と、自分自身にムチを打ち続ける日々。
「もう、自分を傷つけることはやめたい」
そのためには、過去の自分と向き合わなければいけない。江連さんは、このライフプレゼンテーションで、ずっと蓋をしてきた感情と向き合う決意をしました。自分の中に押し込めていた感情を吐き出す江連さんの表情は苦しそうで、声は震えていました。
「大好きな友人に、生きていてほしかった」という本音に蓋をし続けてきた。それは、自分の社会をみる目を歪な形に変えていったと彼女は言います。あの日から、怒りと恐れの対象となった社会。江連さんも、社会の荒波に苦しんだ一人です。それでも最後には、自分の気持ちを言葉にする勇気を持って、笑顔でこう語ってくれました。
「これからは、社会に愛を与える人間でいたい。そして、誰かの希望の光として生きていきたい」
“Z世代女性起業家”ではなく「江連千佳」として挑んだプレゼンテーション。最後に笑顔で力強く話す姿から、ずっと握りしめていた社会への怒りが愛へと変わったこの瞬間が、彼女にとって忘れられない「CRAZYVIEW.」になったことが感じられました。
目にみえないものを大切にする人たちにとって、CRAZYは欠かせない存在になる(登壇者:CRAZY代表・森山和彦)
ライフプレゼンテーションのあとは、CRAZY代表・森山による挨拶で締めくくりました。
「2012年7月2日、CRAZYを創業しました。今日まで12年やってこれたのは、皆さんのおかげです。本当にありがとうございます」
感謝の言葉からスタートした、森山の挨拶。
創業以来、一貫して目にみえないものを形にすることにこだわり続けてきたCRAZY。創業事業のオーダーメイドウエディングでは、おふたりの目にみえない想いを結婚式という形に落とし込んできました。2019年に開業した「IWAI OMOTESANDO」は、オーダーメイドウェディングでの経験を活かし、目にみえない想いを建築やコンテンツ、サービスという目にみえる形で表現した式場です。そして、2024年にスタートした転職エージェント事業「CRAZY CAREER」は、目にみえる年収やスキルではなく「人生をこうしたい」「社会をこうしたい」といった、人や企業の目にはみえない願いをマッチングさせるサービスです。
目にみえないものを、目にみえる形にアウトプットすることへのこだわりについて、森山はこう続けます。
「目にみえないものは、目にみえないままだと気づかなかったり、見失ったりしてしまう。目にみえる形にならなければ、価値を見出すこともできない。だから、目にみえないものを目にみえる形にすることに意味があるんです。CRAZYがいれば、みえなかったはずのものがみえるようになる。私たちは、皆さんにとってそんな魔法のようなブランドでありたいと強く思っています」
CRAZYが、目にみえないものを大切にする人たちにとって欠かせない存在になる。そして、今まで目にみえなかったたくさんの想いがみえる世界になっていく。それがCRAZYのみたい景色であり、そのために努力する中でこれからさらに多くのCRAZYVIEW.に出会っていくはずです。
最後に森山は、これからCRAZYが目指すものを共有して、場を締めくくりました。
「この12年、CRAZYは結婚式や転職支援で目にみえないものを形にしていきました。今後は、その領域をさらに広げていきます。具体的には、ファミリーイベントや宿泊サービスを展開予定です。
改めて、この12年間でCRAZYはたくさんの“愛の偉大さ”を目にしてきました。愛があれば報われることも、明日も頑張ろうと思えることもある。
CRAZYではそこに光をあて、皆さんの人生に「愛はみえる。」瞬間を作り続けていけるよう、これからも努力していきます」
人生の絶景は人それぞれ。でも、それをみるコツには共通点がある
最後は、全社員からの感謝で締めくくられたCRAZY12th Anniversary Event CRAZYVIEW.。
今回登壇いただいた5名のゲストは、皆さんそれぞれのCRAZYVIEW.を持っていました。CRAZYVIEW.のみつけ方も、それぞれ。でも、「自分だけのCRAZYVIEW.をみるために、努力をし続けている」ことは共通していました。
大切なのは、目の前の景色そのものよりも、自分がどのようなみかたをしているか。ゲストの皆さんのお話から、CRAZYVIEW.をみるためのたくさんのヒントをいただきました。
これからもCRAZYは、皆さんの人生のいろんな場面でCRAZYVIEW.がみえる瞬間をつくるお手伝いをし続けたいと思っています。さらにたくさんの絶景を皆さんと一緒にみられることを、楽しみにしています!
当日の様子はこちらの動画よりご覧いただけます。
企画・編集:池田瑞姫、夜久早紀
執筆:仲奈々
撮影(一部):kuppography
デザイン:岩田優里