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採用難時代に、魅力を感じてもらえるベンチャー企業とは?【ICC】

人が集まらない。そう頭を悩ませる経営者や人事担当者は多いのではないだろうか。従業員300人未満の会社では、新卒の求人倍数は10倍近くにふくれあがり、空前の採用難時代といわれている。

そんななか今年9月に、ともに学び、ともに産業を創るための場、Industry Co-Creation™ (ICC) サミットに、CRAZYの代表・森山和彦が登壇。

コーポレイトディレクション・パートナーの占部伸一郎氏モデレーションのもと、株式会社モンスター・ラボ
代表・鮄川宏樹氏、株式会社じげん (ZIGExN Co., Ltd.)
代表・平尾丈氏、
株式会社SmartHR
代表・
宮田昇始氏と語りあった。

テーマは「採用難時代における組織のオリジナリティ/ブランディングとは?」。規模のことなる4社の工夫の中から、ベンチャー企業や比較的小さな会社の採用について紹介する。

コストをかけず、組織の魅力を高める

セッションではまず自社を以下項目にそってトータルで10点満点になるように採点した。「事業の競争力/魅力」「会社/組織の競争力/魅力」「採用手法の競争力/魅力」。そのなかで「会社/組織の競争力/魅力」に5点をつけたのがCRAZYとじげんだ。

CRAZYの代表取締役社長の森山和彦

CRAZYは、現在約100名規模の会社だが、採用にかける金額は小さい。その秘密は、採用する人数の約半数がリファラル採用だからだ。また、主力事業のCRAZY WEDDINGで結婚式をあげたお客様が入社している。

CRAZYでは、週2日の在宅勤務が選択できたり、社内に託児スペースがあったり、休みも自由にとりやすい。このような独特の働き方を発信したところ、2016年、2017年連続で「Forbs JAPAN WOMEN AWARD」を受賞。取り組みが功を奏して、小さな採用コストですんでいる状態だ。

森山はこう話す。

「スタートアップや小さな会社は、条件で競争したら、資本のある大きな会社には勝てません。そこで必要となるのがビジョンです。組織制度や事業を徹底的にビジョンに紐づけていくんです」

株式会社じげん (ZIGExN Co., Ltd.)
代表取締役社長執行役員CEOの平尾丈氏

これについて、今年6月に東証一部に上場したじげんの平尾氏は、会社が大きくなるフェーズでは競合が入ってきた場合に事業がゆらぐ可能性があるので、事業と組織のブランドは分けるべきという考えもあると伝えた。

その上で、働き方改革のなかで、会社と従業員との関係性が、ますます希薄化していくことを考えると、じげんも組織自体のブランドの価値をあげていくことが重要だと語った。

徹底していくとブランディングになる

SmartHRの宮田氏は、会社や組織は、社長が作るプロダクトだという意識で採用活動をしていると話す。そんなSmartHRの採用活動で注目すべきは、ネットで公開している採用資料だ。給与テーブルやストックオプションのシミュレーションまでのせている。

株式会社SmartHR
代表取締役CEOの
宮田昇始氏

宮田さんはいう。

「既存のメンバーに、会社に一番なくしてほしくない要素を聞くと、『オープンであること』というんです。うちは経営会議や、制度をきめた会議など、全ての議事録を全員がみられるようにしています。でも、いくら『弊社はオープンです』と求職者にいっても信じてもらいにくいはず。そこで給与テーブルなどを公開することにしました」

それに対し、モデレーターの占部氏は、普通よりも突き抜けていることがブランディングになるので、首尾一貫しているのは良いことだと評価した。SmartHRの宮田氏は、オープンであることは綺麗事ではなく、メリットがあるからだと伝える。

SmartHRはボトムアップで意思決定をしていく企業。ボトムアップでやっていくなら、会社の情報が全部オープンになっていないと、間違った意思決定がなされてしまうのである。

コーポレイトディレクション・パートナーの占部伸一郎氏

CRAZYの森山も、突き抜けたことをするときには、事業や価値観と整合性をとること、そしてメリットがあるという宮田氏の考えに同意した。

「企業の事業目的や価値観に結びついているけれど、一見すると『何これ?』と興味をもたれることをするのが大事です」と話す。

CRAZYはオフィスを全社員が2週間かけて手作りしたことがある。一見突飛なことに聞こえるが、「完全オーダーメイドのウェディング」という事業や「自分事化して働く」という価値観と密接に結びついているのだ。

2週間は通常業務をすべてストップし、社員全員が作業着をきて、オフィスを作ることに集中した。

100人を超えた時に意識したこと

SmartHRとCRAZYは約100人規模の会社。モンスターラボの鮄川さんは、人材獲得に対する考え方は100人を超えたあたりで変わったと伝えた。

「創業後、エンジニアのクローバルソーシング事業を始めたときにはスタートアップにもどった感覚がありました。事業の競争力や社風やカルチャーの魅力によって、人材が集まったんです。ところが事業が拡大していくと、求める人材が変わってくるので、集め方が変わるんですよね」

株式会社モンスター・ラボ
代表取締役社長の鮄川宏樹氏

鮄川さんは、会社規模が大きくなっていくと、難易度の高いプロジェクトを担当できる人材や、コンサルティングファームにいたような人材が必要になってくると話す。そして、そういう人材には、プロフェッショナルとしてどういうキャリアが描けるか、どういう報酬やリターンが得られるかなど、提示すべき内容が変わってくるというのだ。

具体的には、どんなことを提示したらいいのだろうか。CRAZYの森山がそう聞くと、鮄川氏は、
「何かひとつだけで人材獲得競争に勝っていくのはむずかしいし、相手に合わせて変えていく必要があるでしょう」と答えた。

コンサルタントは、プロダクトが作れることや世界で活躍できることをメリットに感じるだろうし、スタートアップで働く30代の人は、将来の安定性に惹かれるかもしれない。人によって異なるので、見極めが必要だと説明した。

じげんの平尾氏も鮄川氏に同意し、採用相手だけを見るのではなく、その人を採用したい別の企業と比較して、相対的に自社の強みを打ち出すことが必要だと言いそえた。

CRAZYは社員数100名が目前となったタイミングで、幹部社員を外部から2人採用し、今後新たにCTOが入社する。採用には森山自身かなりの時間を費やした。リーダー層や幹部の採用が、会社の未来を左右すると考えているからだ。

モデレーターの占部氏は、この4社は規模も事業領域もことなるが、採用が強い会社だと評している。それぞれ自社の強みを考え、規模に応じて採用を工夫していることが共通点だ。「事業の競争力/魅力」「会社/組織の競争力/魅力」「採用手法の競争力/魅力」の観点で、自社の強みを見直し、魅力を感じてもらえる方法を考えるといいかもしれない。そう思わせられるセッションだった。

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FELIX 清香
Sayaka Felix

greenz.jp、Pouch、「ソトコト」等のWEBマガジン、雑誌での執筆や書籍構成、オウンドメディアの立ち上げ等を行なっている。国際交流やエシカル、児童文学、体感型アートに興味あり。プライベートでは、Give & Takeではなく、Give & Giveで経済が回るかどうかをさまざまな取り組みで実験する「ギフト経済ラボ」のメンバーとして、カルマキッチンというカフェイベント等の運営に参加している。

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