INTERVIEW

「仕事を楽しむ秘訣」——会社のサブカルチャー作りに情熱を注ぎ、多様性を引きだす男

企業が掲げるビジョンやミッション、使命感に共感をしていたとしても、プロセスが過酷すぎると、がんばりを“続ける”のは難しいもの。仕事のプロセスにおいても「満足感」や「楽しさ」「幸せ」を求めている読者は多いのではないでしょうか。

そんななか、株式会社CRAZYのCRAZY CELEBRATION AGENCY事業部の藤原遼さんは、何においても周囲を“楽しく巻き込むこと”が自身の哲学だと語ります。そのために、働く人たちが仕事のプロセスそのものを楽しめるように”工夫をしているそう

そんな藤原さんに、「楽しむスタイル」について伺うと、周囲との関係性のなかで実践できる“いくつかの秘訣”が見えてきました…!

「おっ?」を得るために、日常に変化球を投げ入れる

藤原 遼 (RYO FUJIWARA) CRAZY CELEBRATION AGENCY事業部 /「一つのモノサシで子どもを測らない」を教育理念に掲げた自由の森学園で10代を過ごし、「自らを表現する喜び」を学ぶ。法政大学人間環境学部に入学後、5万人が来場したアジア50地域の友好をテーマにした「アジトモ50」の副委員長として企画・運営統括を担当。2015年CRAZYに入社。

僕がCRAZYでしている仕事は、大きく分けてふたつの軸です。ひとつ目は、企業の周年イベントのプロデュースをすること。もうひとつは、クリエイティブ関連で、イベントの台本制作から映像制作のディレクション、BGM選びなどの仕事です。

どんな仕事も、“周りの人を楽しく巻き込むこと”が、僕の大事にしたいやり方。目標達成だけを見据えて仕事をする人もいると思いますが、僕は、それじゃもったいないなと思っていて。「今、この瞬間」「この人と仕事をしているのが楽しい!」と感じていたいんです。

昔から、みんなが楽しそうな姿を見るのが、すごく好きなんですよ。「またやろう!」とか「過去一番楽しいプロジェクトだった」って言ってもらえたら、最高。

だから楽しくなるように、いい意味で周囲の期待を裏切ったりします。同世代に向けて行うプレゼンでは、あえてピタゴラスイッチ*1のBGMを流すことも。急にあの音楽が流れたら、「おっ?」と思うじゃないですか。一瞬で楽しい雰囲気になるんです。

これにはプラスの効果もあって。予想だにしない変化球を放り投げると、タガが外れて、人の集中力はぐっと高まるんです。「おっ」とか「えっ」とか、感情が動くと同時に、人は意識的に聴くようになり、結果的にプレゼンが印象に残る。緩急が大事なんでしょうね。今はこんな風に、なんでも楽しんで仕事をしています。でも、入社当初は結構大変だったんですよ。

“逃げのポーズ”を断つことで見えたのは、覚悟を決めた先の「楽しさ」だった

僕は新卒でCRAZYに入社後、最初は労務の仕事を任されました。正直、「全っ然僕には合わない」と感じていたんです(笑)。そもそも、新卒1年目で、ビジネスの基礎もない状態。できないことが多すぎて、周りに迷惑をかけてしまって、苦しい状況が続きました。

もともと楽しいことが好きですし、楽しさが全くなかったわけではありません。ただ、今とはちょっと違っていて、「楽しんでいる自分」は「仕事ができない自分」を隠すためのポーズでもあったように思います。仕事終わりには、シェアハウスの運営をプライベートでしていたので、本業が順調じゃないとしても、“逃げ道”がありましたしね。

そんな調子だったので、重要な仕事はどんどん自分の手から外されてしまって…。楽しみたいけど、後ろめたい気持ちでした。仲間のことが好きだからより一層、信頼されていないと感じるのは、しんどかったんです。

転機になったのは、当時の人事責任者との面談で言われた言葉。今でもはっきり憶えています。「夢を捨てよう——」と。“見えない未来や夢に照準を合わせるのではなく、目の前に与えられている仕事をきちんと頑張ろう。その先に、未来が作られていくんだよ”という厳しくも愛のあるエールでした。

結果、僕は腹をくくって「今」に集中しようと決め、シェアハウスの運営を畳みます。楽しいことを“逃げ道”にするんじゃない。いい仕事をするなかで、楽しむんだ、と。要は、本気になったんですよ。その結果、少しずつですが、仕事を任せてもらえるようになって、できる範囲も広がっていきました。

「全っ然合わない」と思っていた労務の仕事は、覚悟ひとつで楽しくなっていったんです。難しさや弱さを受け入れて、器を広げる楽しさ、というか。僕はこの経験があったから、自分に合わないと一瞬思っても、逃げずに向き合えるようになっていきましたね。

仲間の多様性を引きだす“サブカルチャー”を社内に根付かせたい

仕事を楽しめるようになったのは、究極のところ、義務感から解放されたからかもしれません。義務感って、判断軸が自分にないから生まれるものだと思うんです。誰かに言われたからやる・やらないというのは、一見楽なこと。でも、同時にどこかに逃げ道を作ってしまう。本気にならない逃げ道を。

今そういう状況に陥っている人には、過去の僕みたいに、何かを隠すためのポーズをしてはいないか、と振り返ってみてほしいんです。本気でやる時間が人を強くしてくれるし、「合わないかな」と思っても、ちょっとだけ、必死にやってみてほしい。

すると、見える景色が変わっていくはずだから…と過去の自分に言いたいですね。僕の場合は、「約束を守る」という表現をするのですが、自分でやると決めたその約束をちゃんと守ると、だんだんと自信がついていきました。その自信が積み重なって、自分の仕事を楽しくしてくれたと思います。

そうすると、人ってMUST(義務感)ではなくて、純粋なるWANT(願望)で動きやすくなると思うんです。WANTで動くほうが成長できるし、たとえ同じことをするとしても、桁違いに楽しい。結果的に失敗に終わったとしても、笑えますしね。

一緒にやってくれる人たちが楽しめるように、僕が大切にしたいのは、情報共有の「内容」と「伝え方」。人って何かを隠されると、「あれ、信頼されていないのかな」と思いません?

あえてネガティブなことを伝えるのも信頼を獲得するひとつの要素だと思うし、どうせ伝えるならおもしろく工夫して伝える例えば、オーバーリアクションで笑える画像とセットにするとかね(笑)。

あと、リアクションのスピードは命です!どんな報告や提案であっても、すぐさま「いいじゃん!」と秒で伝える。まず、行動してくれたことが素敵だから。そこをきちんと褒めたいし、ありがとうの気持ちを伝えたい。

楽しむにはたぶん「居場所」が必要なんですよ。人って、今の場所にいづらさを感じていると、パフォーマンスは出しづらいから。女風呂に「お前ひとりで全裸でいけ!」って言われているくらいのしんどさがある(笑)。

でも、立場によって抱えるつらさは異なるから、伝えないと理解してもらえないんですよ。「なんで自分ばっかりつらい目に」と勝手に被害者になってもしょうがないので、つらいことも開示し合える関係性を僕は育みたい。周りにくすぶっている人がいたら、聞いてみてあげてくださいね。「どうしたの?」って。

僕的には、人間誰しも表現したいという欲求があると思うので、今後もみんながやりたいことをするのを許せるような、楽しい雰囲気を作っていけたらいいな。CRAZYのど真ん中にあるカルチャーとは別で、多様性の引き出し口になる、サブカルチャー。僕はそこに1番の責任を持っていきたい。一緒に働く仲間が、もっと輝いていけるように。

*CRAZYは共に働く仲間を募集しています。(詳細はこちら)(※最新情報はLINE@で配信中!)

*1 ピタゴラスイッチ
2002年4月9日からNHK教育テレビで放送されている、子供たちの「考え方」を育てる幼児向けのテレビ番組。

 編集:水玉綾  撮影:伊藤圭

卯岡若菜

「仕事・家族・どこにも属さない自分」の3つの自分の共存を目指すフリーライター。息子ふたりの母親でもある。生き方や働き方への興味関心が強く、人の想いに触れるのが好き。趣味は映画鑑賞、音楽鑑賞、児童文学執筆、弾丸旅行、読書。本や漫画はキノコのように増えるものだと思っている。

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