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INTERVIEW

【前編】CRAZYは「ウェディング」だけじゃない。5年で100億の成長を目指す、2人の事業責任者に迫る!

こんにちは、編集・ライターの水田真綾です。新卒で株式会社CRAZYに入社し2年が経とうとしています。昨年はCRAZY WEDDING創設者の山川咲が情熱大陸に取り上げられ、サービスの存在を知ってくださる方が一気に増えた1年でした。その反面、運営している株式会社CRAZYのことを知る人は、まだまだ一握り。

「どこで働いているの? 」と聞かれて「CRAZYです」と答えると怪訝な顔をされることもしばしば(仕方がないですね…笑)。

CRAZYは創業以来徐々に業績を伸ばし、社員数は5年で72名になりました。会社としては、誰もが地球に生きる人間として、より自然な生き方ができる世界を目指す「style for Earth」というビジョンを打ち出しています。その為に掲げているのは、5年後の2022年までに100億円規模の会社へと成長すること。

インサイドアウトに変化を生み出す戦略

style for Earthの世界観を持ったサービスや事業を数多く生み出すことで、インサイドアウトに世界を変えていく戦略の目安として、5年で100億を設定しています。この目標に向けて現在は、土屋杏理(以下、土屋)株式会社CRAZY KITCHENを、平林和樹(以下、平林)株式会社WHEREを創業し、その歩みを少しずつ進めている道半ばなのです。

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プロフィール
土屋杏理(Anry Tsuchiya)
株式会社CRAZY KITCHEN代表
新卒で広告会社に入社。営業として、アパレル会社や大手飲料メーカーを担当し、多くのTVCM・グラフィック広告の制作、商品ブランディングに携わる。7年間の勤務後、自身のウェディングをきっかけに同社を退職、CRAZYへ創業メンバーとして参画する。CRAZY WEDDINGのトッププロデューサーとして活躍後、自身の動物や食べ物に対する価値観から「食に関わるすべての命が輝く仕事をしよう」と、2015年1月にCRAZY KITCHENを創業。

平林和樹(Kazuki Hirabayashi)
株式会社WHERE代表
ITの大企業に入社。高い給料と評価を受ける中で「自分がやっていることは誰かを幸せにしているのか」という疑問を抱き、退職し、海外での生活を経て起業を決意する。ITコンサルタントとして20社以上の中小企業に携わる中で、CRAZYと出会い社員が10名規模のタイミングで参画。ウェディング事業の業務プロセス改善、及び、システム開発に従事し、新規事業部へ異動。株式会社WHEREを創業し、「文脈のある出会いを通じて、地域と人のつながりにイノベーションを起こす」ことをミッションとして、固定のオフィスを持たず、各地域に中期滞在しながら、地域の課題解決を支援し、地域活性化に携わる。(こちらの記事もどうぞ:「会いに行く会社」が旅を通じて届ける、本物の価値とは?

今回はCRAZY WEDDINGに次ぐ、2人の事業責任者に聞いた、創業の理由からプライベートな話までをお伝えします!

水田:まずはCRAZY KITCHENについて教えてください。

土屋:ケータリング事業です。「食時を、デザインする」というコンセプトで、パーティーの趣旨に合わせたお料理をオーダーメイドで考えていて。ただ食事を提供するのではなくて、その空間、時間、コミュニケーションを含めた提案をしているよ。

水田:具体的なサービス内容も気になりますが…。まずは、どうしてケータリング事業なのか教えてください。

土屋:「すべての命を大事にしたい」という想いから始まっていて。手段として食事を選んだの。

もともと私は獣医になることが夢で。幼少期はムツゴロウさんのように、犬・猫・ハムスター・金魚・カブトムシなど、たくさんの生き物と一緒に住んでいたから、命を大事にすることが当たり前だった。でもそんな生き物たちが、とても非情な扱いを受けていることを知って。フォアグラが残酷な形で生産されているとかね。そこに対して何か行動したいと思って始めたのが、CRAZY KITCHENなの。入り口となる手段は食事じゃなくて、ペットショップでもファッションでもよかった。

死んだ状態を生かす、食べ方のデザイン。

水田:手段として、食事を選んだのはなぜですか。

土屋:もともとCRAZY WEDDNGのプロデューサーをしていたから、結婚式の二次会で出された料理が喜ばれていない瞬間を見てきたからね。あと、料理を含めたプロデュースの場を作ることは、スキルとしてすぐにでも出来ることだったから。

水田:生き物の命を大事にする手段として、ベストな選択だったのですね。

土屋:命を大事にするというよりも、命の扱い方の視点をあげたいという表現の方が近いかな。

私は食べる行為を否定したいわけじゃくて。ライオンはシマウマを食べるし、人間も動物を食べるのは当たり前のこと。ただ、そこに敬意をもちたい。何も感じてもらえず、とりあえずなんとなくで食べられるのは、せっかく生まれて殺された命は報われないというかだから死んでいるけど、死んだ状態でも生かしてあげられるような、最高の舞台をつくるのが私たちCRAZY KITCHEN。つまり、食べられ方をデザインしているの。

平林:料理を食べるお客様の反応はどんな感じ?

土屋:確か松田さんの壮行会に来ていたよね、どうだった?(水田への質問)

水田:パンが印象に残っていますよ。「イキイキと生きる大人を増やしたい」という松田さんの想いが書いてあって。ただ食べるという体験ではなかった。想いを知って記憶にも残るし、思わずTwitterにあげました(笑)。

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土屋:嬉しい! 多くのパーティでは、何を食べたか覚えていないのが普通で。食事は毎日あるものだから、覚えてることすら不自然なんだけど、そこに違和感を持たせることがこの活動の第一段階なんだよね。まずは覚えてもらうこと。次に生き物がどこから来たのか分かるようにして、もっと大事に食べようと思ってもらえるようにしていく。だから長期戦。

今後やろうとしているのは、生き物の終わり先、つまり廃棄をデザインすること。ただゴミとして燃やされるんじゃなくて、ちゃんと命に還っていくシステムを作ろうって。

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オイシックス ×大地を守る会 Birthday Party
Sansan株式会社「Eight」PRイベント
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「関係人口」を増やして、地域の課題を本質的に解決していく

水田:次は、株式会社WHEREの話を聞かせてください。

平林:WHEREは、普通の観光では行けない、現地の人しか知らない場所に行ったり、地域の人と交流したり、文脈のある出会いを提供しているよ。つながりを増やしていくことで、地域・日本がより豊かになっていくと考えていて。最近は、地方創生・移住のアイディアを届けるニュースメディア「LOCAL LETTER」をリリースしたんだけど、公開から1ヶ月でなんと登録者数1000人突破!それにちなんで、キャンペーンもしているよ。(キャンペーンはこちら:無料であたる1泊2日移住体験の旅。

水田:勢いがありますね! 具体的にはどういった活動をしているのですか。

平林:地域のツアーの企画から、自治体のwebページの作成まで幅広くやっています。4月1日のエイプリールフールでは、富士山のプロモーションもしたね。富士山を10,000mまで増築するっていうやつ(笑)。最近は、茨城県庁から移住定住を促進するプロモーションの相談を受けているよ。

水田:茨城県は、ワーケーションという2拠点生活もやっていますよね。

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平林:そうだね。ただ、そもそも俺が目指しているのは移住定住ではなくて、地域のファン作り、関係人口を増やすことで。

平林:日本の人口は、今は1億3000万人いるけど、2060年には8000万人になると言われていて。つまり5000万人も減少するという計算なんだ。正直、パイ(人口)が少なくなっていくから、地域毎にその限られた人口の奪い合いをすることは、本質的な解決策にはなりにくい

でも地域のファンになることであれば、上限がない。旅行に行ったり、困ってることがあれば助けに行ったり。そうした関係人口を増やしていくことが今後の地域、日本を豊かにしていく鍵だと思ってる

水田:今WHEREは、どれくらいの数の都道府県と関わっているのですか。

平林:12都道府県かな。北から山梨、茨城、東京、愛知、長野、奈良、岡山、広島、香川、山口、高知、熊本。*1

水田:立ち上げから1年目で、すごい数ですね。そうした地域の人とのつながりや、そこで生まれる豊かさを作り出そうと思った背景が気になります。

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高い給料、大きな家、カッコイイ車を求めた先で

土屋:そういえば昔は、今みたいな感じじゃなかったんだよね。超とんがってた。年齢と社歴が一番下でも「俺がリーダーやりたい! 」みたいな。

水田:噂には聞きますが、想像がつかないです…。

平林:昔は俺が一番だ!俺の言うことが全部正しい! みたいな感覚で。社会で正解とされる価値観の中で生きていたから、日本一の大企業に入ること、高い給料をもらうこと、大きな家に住んでかっこいい車に乗ることが正解だと思っていて。でもカナダに行って、入国審査からつまづいて、1人では何もできなかった時に、助けてくれた人の心の豊かさとか、大自然の豊かさに触れて…。感謝することを知ったんだよね。

全社員世界一周の旅に行ったことも大きくて。当時の俺は、人間は汚い存在だと思ってた。「ゴミは捨てちゃいけない」とか「愚痴は言わない方がいい」と分かっていてもそうしてしまう。ある種の人間に対する諦めがあった。でも社長の森さんから「仙人になりたいのか?」って問われて。

水田:「黒い部分も併せ持つ人間世界と、隔離された場所で戦いたいの?」という意味でしょうか。

平林:そう。自分も次の日になったら考え方が変わることはあるし、性格だって変わっていく。自分ですら矛盾しているし、そもそも矛盾があることは当たり前だと気づいた時に、白黒つかなくても愛せるようになったんだよね。白黒だけじゃない世界に気づいたというか。

全社員世界一周の詳細はこちら:
世界一周をする企業

(後編に続く)

 

何が正解なのか、すべてに白黒をつけることは難しい。立場や時代によっても変わっていくから。

ただ、自分なりの価値観を育むのは、苦悩と感謝がセットになった経験なのかもしれません。平林にとって、それはカナダや世界一周の旅であり、そこからWHEREの中心にある「旅」や「人とのつながり」「豊かさ」という価値観が育まれたのだと思います。

また、幼少期に家族同然のように過ごしてきた生き物が、非情な扱いを受けていたことへの疑問や怒りを、行動へと昇華させたCRAZY KITCHEN。

人生と事業の深いつながりがみえた前編のインタビューでした。

後編は、次の5年で100億円を目指すCRAZY構想の舵をきった2人の事業経営者が、経営の中で直面したさまざまな苦しみ…4回に及ぶ事業名の変更、コアメンバーの脱退やそこで学んだ教訓など、前編以上に生の声をお伝えします。

後編はこちら:
【後編】CRAZYは「ウェディング」だけじゃない。5年で100億の成長を目指す、2人の事業責任者に迫る!

*1 2017年11月現在:山梨(富士吉田市)・茨城(潮来市、行方市、結城市)、東京(墨田区)、愛知(湯谷温泉)、長野(根羽村)、奈良(東吉野村)、岡山(津山市)、広島(中山間部)、香川(三豊市)、山口(岩国市)、高知(奥四万十地域)、熊本(南阿蘇)。

水田 真綾(@maya_mip)
Maya Mizuta

『CRAZY MAGAZINE』を立ち上げ、執筆・編集共に行っている。学生時代は人の世界観を形作る「メンタルモデル」に興味を持ち、「学習する組織」や「U理論」を学んで団体を創設、イベントを多数開催。趣味は、星を見て風を感じて森でお散歩をすること。愛読書はエーリッヒ・フロムの「愛するということ」。

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