INTERVIEW

「あ、これならいいかも!」と思ってもらえる新しい結婚式の選択肢を
ーー開発責任者が語る、CRAZYの新サービス「Congrats」にかけた想い

株式会社CRAZYは2020年5月20日、新しくオンライン結婚式サービス「Congrats」β版(先着30組)をリリースしました。

新型コロナウイルスに伴う外出自粛により、予定していた結婚式が延期やキャンセルとなられた方が多い中で、ブライダル業界各社は結婚式をオンライン配信で開催する取り組みをしています。CRAZYでも同じように、この状況下で可能な形のサービスを検討していましたが、議論を進めていくうちに、これまでの結婚式をただ単にオンライン上で開催することに止まらず、結婚式の新しい選択肢として「Congrats」を開発するに至りました。

これからの時代のお祝いの形や、結婚式の意味を改めて考え開発された「Congrats」はどのように生まれたのか。そして、その「新しさ」や「価値」とはなにか。事業の開発責任者である松田佳大さんに話を伺いました。

松田佳大(Yoshihiro Matsuda)
CRAZY WEDDINGの元プロデューサー。法人事業部のCRAZY CELEBRATION AGENCYにて企業の社員イベントや、ブランドパーティーのプロデュースを手がけている。
(写真:小澤 彩聖 ※過去撮影した写真となります)

きっかけは何気ないTwitterの投稿から始まった

新サービスの構想を練り始めたのは、4月に政府から外出自粛要請が発令された当初、Twitterで「コロナの状況下で困っている方々に何かできないだろうか」という投稿をしてからです。何気なく投稿したものでしたが、あっという間に拡散され、最終的には“1.3万いいね”がつきました。そこで、結婚式をあげられなかったり、今後の結婚式をどうするか迷っている不安の声が多くあることに気づき、具体的に解決する方法を考え始めました。

松田の投稿は約4000回リツイートされ、「ずっと前から式場を予定していたのに悲しい」「キャンセル料がかかるのはおかしい」「お祝いしたいけど感染が不安」などの声が集まった。

当初は、既存の結婚式をオンラインで開催するという簡易的なものを考えていましたが、時期が過ぎるにつれて「本当にこれまでの結婚式をオンラインで代用するだけでいいのか?」と考えるようになりました。

なぜなら、既存の結婚式をそのままオンラインで開催するだけでは、きっと外出自粛が解かれたのち、オフラインの結婚式需要が戻ればニーズがなくなってしまうという危機感があったからです。その時期に挙げてくださるお客様に対しても「今はオフラインではできないから、オンラインでやりましょう」といった提案になってしまっては本質的ではないと感じました。

そこで当初考えていた、オフラインの代替案としてのサービス構想を一度白紙に戻して、「オンラインの結婚式だからこその意味は何か?」「これからの時代に求められている結婚式はどのようなものか?」と、根本から問い直すことが決定しました。

詳しくは、代表森山のnoteを参照下さい。

開発のテーマは「低コストなのにいい結婚式」

開発にあたり、既存の結婚式について改めて考えてみました。

一般的にオフラインの結婚式では、多くの時間と費用をかけることで、感動的な式を実現しています。お二人は結婚式を挙げるのに半年以上の時間をかけて、披露宴のために数百万円の出費をすることもあります。ゲストもご祝儀や参加するための衣装代を用意したり、時には参加するために長時間の移動や宿泊が必要です。

私たちも、CRAZY WEDDINGやIWAI OMOTESANDOという事業を通して、オフラインでの結婚式の価値を実感してきました。しかし、実際に日本で結婚式をあげないカップルが半数以上にのぼり、その大きな理由が金銭面やゲストの負担への不安というデータがあるのも事実です。一方で、会場側も一つの結婚式のために多くの時間と労力を割く必要があるという課題もありました。

そこで、オフラインの結婚式の代替案としてではなく、これまでの結婚式にあった課題を解決しながら、お二人・ゲスト・会場にとって三方良しの持続的なサービスをつくるために、「多くの時間と費用が必要」という常識を打ち破り「関わる全ての人にとっていい結婚式を、時間と費用をかけずに実現する」ということを開発の方針としました。

この方針を元に、新サービスの名称を「Congrats」に決定しました。

“コングラッツ”とは、お祝いの意味を持つ “セレブレーション” よりも砕けた表現として使う言葉で、日本語に訳すとしたら「おめでとう!」という感じでしょうか。結婚式をあげるお二人や、ゲストが参列するまでの様々なコストを小さくすることで、誰でも気軽にお祝いの言葉を伝えられるようにという想いを込めました

仮説検証をくりかえし、絞りこんだCongratsの3つの特徴

「低コストでいい結婚式を」と言葉でいうのは簡単ですが、実際にこれをサービスに落とし込むのは大きな苦労がありました。なぜなら、これまで、結婚式をいいものにしてきたような様々なサポートや仕組みを入れ込んでしまうと、どんどん「低コスト」からは離れていってしまうからです。

初めてのオンライン結婚式を経験するお二人やゲストの不安を想像して、サービスを手厚くしていきたいという観点と、「低コスト」で実現できるという観点のバランスをどこで取っていくのかが、開発チーム内でもっとも議論されました。

様々な仮説検証をくりかえし、やっとの思いで「Congrats」のメインとなる特徴を3つに絞ることができました。

1つ目は「システムを利用することで、短期間かつ基本料金0円から結婚式を実現できる」ということです。

「Congrats」では、ネット環境さえあれば最短3日で結婚式を開催していただけます。15分程度の事前登録をしていただくだけで、お二人専用の結婚式サイトが届き、そのサイト上で招待メールの送付やお祝い金の金額設定と回収ができます。今まで人力やっていた部分をシステムに置き換えることで、短期間での開催を可能にしました。また、申し込み費用や、持ち込み料金等は一切頂かないので、基本料金0円から開催していただけます。(※別途、お祝い金から決済手数料の10%を差し引かせていただきます。)

※「Congrats」では簡単なステップで、お申し込みから式後のお祝い金受け取りまでの全行程を行えます。

2つ目は「お祝いをしたいゲストが誰でも簡単に参加できる」ということ。

これまでゲストは結婚式に参加するまでに、ピン札・ご祝儀袋のご用意、ヘアセットのご予約、結婚式場への移動等、様々な準備が必要でした。
Congrats」では、ご祝儀制は廃止し、新郎新婦が設定した参加費を簡単にネット決済することができます。また移動に関わる時間や費用は必要ありません。お子様がいらっしゃる方や、お身体が不自由な方、遠方や海外にお住まいの方も気軽にお二人のお祝いに駆けつけることができます。

最後は、「“いい結婚式”をつくるためのサポートが充実している」ということです。

オンラインで行う結婚式は、初めての体験であることが多く、どのような演出やコンテンツ、時間の使い方がいいのか不安に思う方もいらっしゃると思います。

そこで、これまで8年間で1,400組のオーダーメイドウェディングをつくってきた私たちの知見をまとめたガイダンスを用意しました。私の言葉で言えば、これは「どんなお二人でも、お二人らしく、ゲストも満足できる結婚式づくりの伴走者」です。サービスプランの中には、プロデューサーの面談を利用していただけるものもあり、より演出やコンテンツにこだわりたい方にはこちらをオススメしています。

さらに、これまで二人三脚で結婚式をつくってきたトップクリエイター陣が、写真撮影やドレス選びをサポートをするオプションも用意し、結婚式を記憶に残る1日としてお過ごしいただくことができるようになりました。この三つのポイントによって、今まで多くの費用や時間をかけていたお二人とゲストの両者にとって、必要以上のコストをかけずに満足いただける結婚式を実現しました。

「あ、これならいいかも!」と思える結婚式の新しい選択肢を

リリース前にオンライン結婚式のトライアルをご利用くださったお二人は、お申し込みから1週間で結婚式を開催することができました。また、ゲストの参加費も既存の金額より抑え、遠方や海外の方も合わせ200名ものゲストの方が参加することができました。これは、オフラインの結婚式では不可能なことだったと思います。

お子様が生まれた直後ということもあり、時間や工数のかかる結婚式はできないと考えていたお二人。CRAZYでオンライン結婚式を開催できるならと、トライアルにご応募いただきました。

オンライン参加だからこそ、ゲストもかしこまった装いをする必要がなく、所属グループ別でおこなった歓談タイムでは、心理的に近い距離感でお二人とのコミュニケーションを楽しまれているように見えました。「Congrats」が提供するオンライン結婚式で、しっかりとお互いの想いを伝えあうことができると実感しました。

新サービス「Congrats」は、より低コストで、質の高い結婚式を追求した結果、このような形でβ版をリリースすることができました。

しかし、私たちにとってこれはただのスタートでしかありません。オンライン上で結婚式をするということ自体が、まだまだ一般的なことではありませんし、結婚式自体を「低コスト」でやることに反対の意見を持っている方もいらっしゃるかもしれません。もちろんオフラインの結婚式の価値は変わらず素晴らしいもので、その選択肢はこれからも残り続けるでしょう。そんな中で、この新しいサービスの価値を多くの方に理解してもらうためには、内容のブラッシュアップはもちろん、私たちの考え方を何度も繰り返し伝えていくことが必要になると思います。

これから多くの壁と向き合うことになると思いますが、目指していることは、様々な理由で既存の結婚式を挙げられない方や、コストやゲストへの負担を抑えて開催したい方にとって、この「Congrats」を新しい選択肢にしたい、ということです。

「これならいいかも!」と思って結婚式を挙げることができ、お世話になった人への感謝を伝えたり、ふうふや家族の関係性をより良くするお祝いの場が、世の中にたくさん生まれていくことを願っています。

 


「Congrats」サービスページはこちらからご覧いただけます。

writer:佐藤史紹