最初の出会いはまさかのテレビ越し。フジテレビ番組ハモネプで、アカペラグループ「グラコロン」のリードボーカルとして全国放送で歌を届けていた松田佳大さん。ハモネプでは見事優勝し、様々なイベントや結婚式でその歌を披露するなど、精力的に音楽活動をしてきました。
一方で、CRAZY WEDDINGのプロデューサーとして新郎新婦の人生に向き合い、一生に一度の結婚式を創っています。そんな2つの顔をもちながら、充実した生き方をしている彼に、仕事と音楽活動を分けない働き方について伺いました。
“本気の想い”しかない世界で生きること
― 私は入社してすぐ、テレビ越しで見ていた人が目の前に現れて、猛烈に驚いたことを覚えているのですが……(笑)松田さんはなぜCRAZYに転職されたのですか。
松田さん:本当に人生を懸けたいものは何なのか、向き合ったからですね。実は前職は、すごく幸せな環境だったんですよ!やりがいにもお給料にも満足し、チャレンジングな機会もありました。
ですが、数字を追いながら働くなかで、「自分は誰のために頑張っているんだろう。このまま人生を懸けてこの仕事を続けていくのか 」と疑問を持ち始めたんです。もっと、本気の想いが溢れる世界で自分は生きたいんじゃないかと。
僕は学生時代にアカペラを始めたのですが、TV番組に出場したことがきっかけで、全国各地で歌わせていただく機会に恵まれました。その中で大事にしていたのは、歌の巧さやテクニックではなく、”本気の想い”があることだったんですね。
そこには言葉を超えた感動があって、もっともっと!と、やみつきになっていました。本気の想いが溢れる世界で生きたいと感じたのも、その頃からでしたね。
前職の仕事に疑問を持ち始めた時に、CRAZYのメンバーと出会ったのですが、自分の人生にも仕事にも強い想いを持っている人が多くて、驚きましたね。職業上、何百社と企業を訪問してきましたが、こんな会社は他に見たことがなくて。
前述した通り、僕は技術ではなく圧倒的な想いやスタンスこそが、人の心を震わせると思っていたので、自然とここで生きようと思ったことを覚えています。この仲間とならば、何をやっても感動が渦巻く世界を創れると感じました。
「仕事」と「趣味」の境界線はない
― 転職後は忙しい毎日だと思うのですが、「仕事」と「趣味」をどう両立していますか。
松田さん:そもそも今は「仕事」と「趣味」という風に、分けて考えていないかもしれません。 前職時代はよく“ 公私ともに豊かにする “ という言葉を掲げ、「仕事」と「趣味」の両方を充実させることにこだわっていました。
ですがCRAZYに転職してからは、今していることが「仕事」なのか「趣味」なのかではなく、「本気であるかどうか」が重要なのだと気づきました。時に仕事だったり趣味だったりするだけで、本質的には境界線は無いのだと。
本気になれないのなら「何故か?」を考えればいいし、その理由が見つからないのであれば究極やらなかったらいい。そんな生き方で今は過ごしています。
― 本気である在り方そのものの中に、仕事も趣味も包括される。「やっていること」ではなく「あり方」をベースに考えるからこそ、そもそも両立しないといけないという概念が無いんですね。
松田さんが働くCRAZY WEEDING大阪支社のオフィス。カフェのように、くつろげる雰囲気をイメージ。結婚式を一緒に創ってくれているクリエイターの皆様や、OB・OGの皆様総勢約30名のご協力のもと、60日間かけてリノベーションをした。
とはいえ、理想は転がってはいない
― 松田さんが今、本気で取り組んでいることはなんでしょうか。
松田さん:音楽野外フェスの企画や、アカペラのフラッシュモブを行う団体の立ち上げ、人材紹介サービス、そして1番はCRAZY WEDDINGで演出やディレクターの仕事を極めることですね……。やりたいことは膨らむばかりです(笑)。
― え! そんなに色々やっているんですか?
松田さん:最近子どもが産まれて、働き方もフレキシブルに変更しました。例えば、退院するまでの約2週間は長期休暇を取得したり、オフィスには行かずお家で仕事をしたり。
CRAZYはルールで縛るのではなく、ルールを創っていく組織だと思っているので、すべて自分次第。僕はこういう環境がマッチしていると思います。
でも自由と責任は表裏一体なので、実際は厳しいことや泥臭いことも沢山あるんですよ。むしろ、厳しいことの方が多いかもしれません。例えば、家族休暇をとったからといって仕事の量が減るわけではないので、その分効率的に働いて成果をあげる必要があります。ただ全部自分がやりたいことだから腹をくくって一生懸命がんばる。そういう意味では、理想は転がっているのではなく、もがいて掴むものなのかもしれません。
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実はインタビューが終わってから、何度も話し合い、書き直し、修正を加えました。ですが、松田さんが求めている文章になかなか仕上がらず「何が足りないんだろう?」とライターになってから初めて悔しくて泣きました。そんな中思い出したのは、松田さんから聞いたとある話。
入社前に社長の森山から「人生のコンセプトというか、意志が無いよね」と言われ、一度入社を断られたそう。それから一人旅に出たり読書をしたり、何に人生を懸けるか何度も考え抜いてきたこと。
書き直しばかりで八方塞がりの中、文章を読み返していると、ふとその話の重みがじーんと伝わってきたのです。なるほど、こういう気持ちだったのか……と腑に落ちてから執筆し直して、最終仕上げることができました。どうやら理想を手放さない本気の想いに巻き込まれて、ここまで必死に執筆してしまったようです。インタビューを通しても、一貫してその生き方を体現してくださったことに、心からの大きな感謝を込めて。
水玉綾(@maya_mip)AYA MIZUTAMA
CRAZY MAGAZINE編集長。フリーの編集者・ライター。HR領域の取材記事を中心に、媒体は「未来を変えるプロジェクト」「新R25」「PR Table Community」「BizHint」「FastGrow」等。三度の飯より愛犬が好き??