2016.11.08

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未来の組織論 vol.1 イノベーティブの源泉は「矛盾」のマネジメント

ビジネスモデルが変化するサイクルは早まり、人工知能の開発は進むなど、大きな変化が加速する現代。大流行したリンダ・グラットン著の「LIFE SHIFT」という本にも書いてあるように、個人の生き方や企業の在り方も変わろうとしています。

CRAZY MAGAZINEでは、「未来の組織論」というシリーズで、私たちが考える、これからの組織に必要な文化や仕組みをお伝えしていきます。

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未来の組織論 vol.2 人間らしい働き方へ導く「感情のマネジメント」

「生産性」と「人間性」を両立する

CRAZYでは、「矛盾を愛そう」という言葉が日々話されています。矛盾とはなんでしょうか。昔、中国の楚のとある商人が「どんな盾も突き通せるという矛で、どんな矛でもつき通せない盾をつけばどうなるのか」という問いに答えられなかった出来事が由来だと言われています。つまり「辻褄があわないこと」。

組織の中にある矛盾の1つに「生産性*1と人間性*2の両立」が挙げられます。とにかく効率よく良いものつくるプロセスの中で、人間らしい営みが失われてしまったり、感情を大切にしすぎることで、限られた時間の中で生み出す成果の質が下がってしまったり。組織において生産性と人間性を両立することは、難しい課題だと言われています。

人間関係に3分の1の時間を費やす組織運営

そんななかCRAZYでは、人間性と生産性の両方を大切にする、矛盾に挑む組織運営をしています。たとえば、毎朝の朝礼ではビジネスだけではなく、プライベートの話も共有する「シェア」という時間を設けています。

また、全社員一緒にランチを食べたり合宿を行うなど、人間関係に時間とお金を費やしているのです。実際にどれくらい人間関係に時間を費やしているのか計算してみると、

なんと1年で34%!

1日12時間働いている想定で計算すると、1日のうち4時間を人間性を育むことに費やしているのです。

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「自分の弱さと向き合うことでしか、もう前に進めないと思った」Teach For Japan創設者 松田悠介、退任とCRAZY参画の裏側

とはいえ、売り上げ規模は4年で10億円に到達し、グラフにすると右肩上がりです。ではなぜこのような組織運営に力を注ぐのか、社長の森山に「矛盾を両立することについて」話を伺いました。

矛盾こそが世の中を変えてきた源だった

森山「矛盾こそ未来への鍵だと思っています。今まで技術的な矛盾はイノベーションによってたくさん解決されてきました。ただ、今必要なのは人間のライフスタイルに関わる矛盾の解決ではないでしょうか。

たとえば、女性で言えば、『よき母親でいたい』という思いと『仕事もバリバリしたい』という思い。これはまさに矛盾です。通常は、どちらかを諦める(トレードオフ)のですが、これを諦めずに取り組む事で新たな活路が見えてくることがある。

そうした矛盾への解決が奨励される環境では、その矛盾は挑戦という言葉に置き換わるます。もっと言えば、矛盾を解決するというイメージではなく、自分なりに第三の解を創造している状態。私は、いまの社会には矛盾に挑む勇気が必要なんだと思います。」

相反するものを両立することが「第三の解」を生み出す

誰もが諦めそうな矛盾に遭遇した時こそ、イノベーションの源泉に出会ったということ。変革するチャンスがあるということ。矛盾に屈することなく、第三の解を生み出せる組織でありたいと思います。次回は人間らしい働き方へ導く「感情のマネジメント」についてお伝えしていきます。

*1
生産性とは、経済学で生産活動に対する生産要素(労働資本など)の寄与度、あるいは、資源から付加価値を産み出す際の効率の程度のこと

*2
人間性は、人間心理性質のこと


※CRAZYは共に働く仲間を求めています

編集:高橋 陽子 Share Tweet

水玉綾(@maya_mip)AYA MIZUTAMA

CRAZY MAGAZINE編集長。フリーの編集者・ライター。HR領域の取材記事を中心に、媒体は「未来を変えるプロジェクト」「新R25」「PR Table Community」「BizHint」「FastGrow」等。三度の飯より愛犬が好き??WRITER’S ARTICLES


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