結婚式、キャリア、そして“食事” CRAZYが挑む、全く新しい形のレストランとは | CRAZY MAGAZINE | 株式会社CRAZY(株式会社クレイジー) | CRAZY,Inc.

2025.07.31

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結婚式、キャリア、そして“食事” CRAZYが挑む、全く新しい形のレストランとは

株式会社CRAZY(以下、CRAZY)は「Immersive Table(イマーシブテーブル)」をコンセプトにしたレストラン「CRAZY GRANDE MAISON」を横浜市 みなとみらい21地区に開業します。

「愛は みえる。」をブランドメッセージに掲げ、オーダーメイドウェディングやIWAI OMOTESANDOで結婚式の常識を更新してきたCRAZYが、新たに挑むのは“食事”のアップデート。2026年、横浜市 みなとみらい21地区にオープンするのは、「Immersive Table(没入型の食事体験)」を軸にしたレストランと、そこでしか叶えられない“レストランウェディング”です。

食事の本質に立ち返り、体験を再設計しようとするCRAZYの新たな挑戦。その背景と想いについて、代表の森山に話を聞きました。

なぜ今、CRAZYがレストランなのか

―IWAI OMOTESANDOの開業から6年。次の挑戦に、なぜレストランを選んだのでしょうか?

森山:「レストランを手掛けたい」とはずっと考えていたんですよ。

IWAI OMOTESANDOで提供している料理は、多くの方から「クオリティが高い」「今までで一番記憶に残る料理だった」とありがたい評価をいただいていて。それは、日々料理に真摯に向き合うシェフたちの存在があってこそです。

そんな彼らが、いつかCRAZYでレストランを出したいと夢見ている。「このメンバーと本気で“食”を追求したら、どんなレストランができるだろう」と、自然と想像が広がっていきました。

そしてそこに、僕たちが結婚式で培ってきた“体験設計”の力を掛け合わせたら、これまでにない新しい体験が生まれるのではないか。そんな期待を込めて、このプロジェクトが動き出しました。

食事は、人の本質的な幸せにダイレクトに作用できる

―そもそも森山さんにとって「食事」とはどんな存在なのでしょうか。

森山食事は本来、誰かと同じものを味わい、同じ時間を過ごすことで、心が自然と通い合う体験を生み出せるものだと思っています。

運動会や合唱コンクールでクラス全員が一体となった感覚や、大好きなアーティストのライブで会場がひとつになるあの感覚。

そんな“瞬間”には、心が震えるような豊かさがありますよね。僕たちはそれを“共鳴”と呼び、人生の豊かさの本質だと信じてきました。

食事は、その共鳴をもっともシンプルに味わえる手段のひとつ。
だからCRAZYでは、創業当初から「仲間と食卓を囲むこと」を大切にしてきました。

社員が数人だった頃は、僕自身がご飯を作っていたし、専属のダイニングチームが毎食手づくりしていた時期もあります。今では、月に数回、全社員とゲストが一緒にお昼ごはんを囲む時間があるんです。

月に数回度開催されるCRAZYのお昼ごはん

実際、CRAZYのお昼ごはんに来たゲストからは「なぜかわからないけど、心があたたかくなった」「初対面でも自然と打ち解けられた」そんな声をよくいただきます。

言葉にならない共鳴が、そこにはある。これが、食事の本来持っている力だと思っています。

でも、今の時代、スマホを見ながらの“ながら食べ”が当たり前になりつつあり、食事を通じて得られる人とのつながりや豊かさが、少しずつ薄れているように感じます。

「ただ食べることに集中する時間」は、むしろ贅沢なものになっている。

だからこそ、そうした“食事で得られる豊かさ”を、徹底的に追求して届けたいと想いました。

“没入感”がもたらす一体感に酔いしれる空間

ー「CRAZY GRANDE MAISON」はどんなレストランになるのでしょうか?

森山:目指したのは、食事を通して場の空気がひとつに溶け合い、心が震えるような感動が生まれる場所。僕たちがずっと大切にしてきた“共鳴”から生まれる特別な時間を、ここで届けていきたいと思っています。

そして、共鳴のある時間を生み出すために、僕たちがこのレストランで何より大切にしているのが“食事への没入”。つまり、お客さまが食事に、本当に集中できる状態をつくるということ。

そんな意味を込めて、今回のレストランのコンセプトを「Immersive Table」にしました。

少しでも集中が削がれれば、舌の上で起こる“味の奇跡”を味わうことはできない。だから五感すべてを研ぎ澄まし、没頭できる状態をつくる。それが「Immersive Table」の本質です。

ー具体的にはどんな体験設計がされているのですか?

森山:このレストランを構成するすべてが、「Immersive Table」というコンセプトに向かって設計されています。

その核となるのが、料理と飲み物すべてをペアリングするという挑戦です。

口の中で味が重なり合う繊細な“マリアージュ”を味わうには、五感を研ぎ澄まし、完全にその一瞬に集中する必要があります。だからこそ、ゲストが料理に深く没入できるよう、空間・照明・提供のタイミングに至るまで細部にこだわりました。

さらに、すべての席がカウンター形式になっていて、目の前で仕上げられる料理や音、香りまでもそこにいる全員で共有します。

この空間で私たちが届けたいのは、ただの“美味しい食事”ではありません。「あの感動を一緒に味わった」という感覚です。

その味わいを最大限に引き出し、心が震えるような感情を生むために、空間も人も、全てが設計されているのです。

※画像はイメージです。実際とは一部異なる場合があります。

ーCRAZY GRANDE MAISONでは、レストランウェディングも行いますよね。結婚式で“没入感”を生み出すのは、正直かなりハードルが高いように思います。

森山:はい、まさにその通りで。

レストランは人数が限られた空間なので、空気や演出のすべてを細やかにコントロールできますが、結婚式ではそうはいきません。ゲストは何十人もいて、演出や進行も複雑に絡む。そんな結婚式で、食事への没入”を生み出すことは、正直かなり難易度が高いことでもあります。

でも、この挑戦が結婚式の課題を根本から変える鍵だと思っていて。

―どのような課題ですか?

森山:多くの結婚式を挙げるおふたりは「食事でゲストをおもてなししたい」「美味しい食事を楽しんでほしい」と思っている。

そんなふたりの願いを叶えるために、結婚式場も良い食材を用意して、シェフたちが腕によりをかけて料理を作っている。なのに、結婚式が終わった後、食事のことを覚えているゲストは少ない。この現状に、課題感を持っていました。

結婚式では、同時多発的にさまざまな“演出”が進行しています。つまり、結婚式でも料理は“ながら”で食べられている。口に運んではいるけれど、心はそこに集中できていないんです。

「だったら逆をやろう。食事に集中する時間を設け、そこでしか得られない共鳴が生まれる体験に変えてしまおう」そんな想いから、結婚式での食事を単なる料理提供としてではなく、一つの感動体験として届けようと決めたんです。

「食べること」そのものが、結婚式のコンテンツ

―“共鳴が生まれる場”を、レストランウェディングではどのような形でつくろうとしているのでしょうか?

森山:まず、食べる時間に集中し、料理そのものをじっくり楽しめるように、食事と他の演出を交互に構成することで「ながら食べ」をなくしました。

会場の中央にはセンターキッチンを設け、ゲスト全員分の料理を一斉に届ける仕組みに。ゲストが料理の音や香りを味わえるよう、全席をカウンター形式にしています。

※画像はイメージです。実際とは一部異なる場合があります。

さらに、そんな食事の体験に、もうひとつ彩りを添えてくれるのが「Man of the Table(マン・オブ・ザ・テーブル)」という新しいサービススタイルです。専属のコンシェルジュが各テーブルにつき、その場の空気を感じ取りながら、さりげなく声をかけたり、料理の提供にちょっとしたアレンジを加えたり。

こうして、全員が同じタイミングで、同じ感動を味わう。その中で、自然と笑い合い、驚き合い、心が動いていく。そうやって生まれた“共鳴”が、ゲスト一人ひとりの心に深く残る“人生の体験”へと変わっていくのです。

※画像はイメージです。実際とは一部異なる場合があります。

―空間や体型の設計だけでなく、人も重要となる挑戦なのですね。

森山:これが実現できるのは、これまでCRAZYが培ってきたノウハウと人材教育の仕組みがあるから。そして「自由度の高い接客にチャレンジしてみたい」という情熱を持ったメンバーがいるから。

CRAZYの強みは、何より人です。IWAI OMOTESANDOが3年連続で東京都クチコミNo.1を受賞できたのは、メンバー一人ひとりが、おふたりやゲストに「人と人」として向き合って来たからこそです。

そんなCRAZYだから、プロデューサーがおふたりの実家に遊びに行ったり、ゲストとサービスディレクターが仲良くなって一緒に飲みに行ったり、一般的な結婚式では考えられないような出来事が日常的に起きる。それは、このレストランでも変わりません。

むしろ、さらに強化していきます。彼らを全力で後押しする文化もあります。CRAZYなら、このレストランを実現できると確信しています。

CRAZYから、世界に誇れる体験を

―最後に、CRAZY GRANDE MAISONを通じて実現したい未来を教えてください。

森山:僕たちは、CRAZY WEDDINGで結婚式を、CRAZY CAREERでキャリアを、そして今回「CRAZY GRANDE MAISON」で“食事”をアップデートしていきます。

「CRAZY GRANDE MAISON」では、まずレストランという形で、食べるという体験を徹底的に突き詰めたい。料理のクオリティはもちろん、その時間に流れる空気や人の感情まで含めて、世界に誇れる食の体験をつくりたいんです。

CRAZYはこれまでも、コンセプト・人・空間が一体となって生み出す体験を、さまざまな形で届けてきました。すべての体験の本質は、いつだって人にある。今回の挑戦も、その延長線上にあります。

このレストランが、新たな“共鳴”の場になっていくように。レストランという舞台でも、CRAZYらしい挑戦をしていきたいと思っています。

企画・編集:夜久早紀
執筆:仲奈々
撮影(一部):kuppography
デザイン:林隆三


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